刺激的な出会いの数々で成長できた3カ月間 - BEAU LABO 第18期 ディレクター紹介 vol.02 青木愛一郎 - Inside BEAU
ファシリテーションとは何なのか
私は、BEAU LABOでの活動に参加するにあたり、「高校生たちが積極的に学び、考えるためのファシリテーターの役割とは何か」というテーマについて考えていきたいと思っていた。大学での学びを通して、教師としての重要な能力の1つに「ファシリテーション能力」があることを知った。しかし、実際に教育実習や研究で学校現場に出向いた際に感じたことは、高校生たちの意見や議論を、理想的な方向に向けて導いていくことがいかに難しいかということだった。議題がどうしても別の方向に逸れて行ってしまうことが多く、良いファシリテーションとは何なのかについて悩んでいた。そのため、BEAU LABOの活動でディレクターとして高校生と関わることを通して、ファシリテーション能力について考えていきたいと思っていた。
ラボ生に気付かされた「答え」
BEAU LABOの観光まちづくりラボのディレクターとして、活動序盤はラボ生たちの議論が円滑に進むように、私が司会進行を務めていた。また、ラボ生たちの意見1つ1つに感想やアドバイスを逐一述べるように心掛けていた。というのも、私が考えていた理想のファシリテーター像とは、参加者が意見を述べやすい空間を作りつつ、理想の方向に向けて議論が進んでいくことをアシストする役割を担う存在であると考えていたからだ。そのため、ラボ生たちが積極的に意見を述べることができるように、発言の後に感想やアドバイスを述べつつ、私自身が議論によく介入をしていた。しかし、緊張が解け始めているはずの3回目4回目の活動になっても、アイスブレイクの時の議論は活発だが、肝心の観光まちづくりに関する議論は全く円滑に進まず、ほとんど私が話すという状況だった。「なぜみんな自分の意見を言ってくれないんだろう。」「意見を言いやすいような雰囲気づくりも議題への介入も積極的にしてるはずなのに。」とファシリテーションとは何なのか活動4回目にして再度迷子になっていた。
そんな中、1人のラボ生からのメッセージがあった。そこには、ラボ生が毎週司会を交代でやっていくともっと円滑に議論が進むのではないかという提案があった。そのため、提案通り5回目の活動からラボ生にファシリテーターを任せ、私は議論を俯瞰し、議題がそれた時にだけ口出しをするアドバイザー的な立ち位置で活動を進めていった。すると、私がファシリテーターをしていた時よりも明らかにラボ生たちが積極的に発言をする上に、議論の軸もほとんどずれることなく会議が進んでいった。この時、ファシリテーションとは何なのかについて少し分かった気がした。それは、参加者たちの議論の方向性が逸れることを過度に心配せず、話し合いを俯瞰する立場でファシリテーションしていくことが、議論を円滑に進めていくことに繋がるということだった。それ以降、私は議論にあまり介入することなく、要点の整理をしたり、議論の結論をまとめたりすることに徹した。その結果、ラボ生たち中心でフィールドワークやプロモーション動画の作成を実現することができ、とても有意義な3か月を一緒に過ごすことができた。
ファシリテーターとは何なのかについて考えた結果得たこの学びは、今後私が教師以外のどのような職業に就いても活かすことができると思う。「議論の方向性が逸れることを過度に心配せず、話し合いを俯瞰する立場で」この言葉を念頭に置いてこれからもファシリテーションとは何なのかについてさらに考えていきたい。
様々な人と出会い成長した3カ月間
このBEAU LABOでの活動において、まずは高校生たちと話すことができたこと自体がとても新鮮だった。普段ならほとんど関わることのない高校生たちが、どのようなことに興味があり、これからの将来どのようなことをしていきたいのか。彼らにとっては当たり前のことを言っているだけのようだったが、私にとっては、素直に好きなことに向き合うことの大切さや向上心などを改めて思い出させてくれた。
また、今まで全くかかわりのなかった「観光まちづくり」という分野についてラボ生たちと探究を進めていくことで、観光やまちづくりの現状や課題について知ることができ、私自身も課題を解決していきたいと考えるようになった。そして、ラボ生たちはもちろん、他の学生ディレクターやその他BEAU LABOに携わっているこれまで話したことのない多様な人々とたくさん出会うことができた。その中で、深みのある人柄の方たちはたくさんの経験をし、常に考え続けていることに気付くことができた。
将来私もユーモアがありつつ深みのある人間になることができるよう、たくさんの経験を積み、常に向上心を持ちながら考え続けていきたい。
最後に
BEAU LABOでの3か月間を通して、高校生たちと観光まちづくりについて探究していきながら、教師としての重要な能力の1つである「ファシリテーション能力」の本質的な部分に気付くことができた。同時に、様々な人々に出会うことができ、自分自身の視野を広げることができた。3か月間で得た経験や学び全てを忘れることなく、今後私がどのような進路に進んだとしても、深みのある人間になることができるようこれからも頑張りたい。
3か月私を成長させてくれたすべての方に感謝しています!ありがとうございました!
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BEAU LABOでは大学生が高校生の探究活動をサポートする学生パートナーを募集しています。ラボディレクターは、3ヶ月間1つのラボを担当するため、マネジメント力やヒアリング力などチームづくりに大切な経験をすることができます。学生同士の交流もあり、仲間を作ることもできるので興味ある方はまずカジュアル面談でお話しましょう!