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【高栁昇】編集者、写真家、デザイナーのための写真印刷術〜第3回:写真集の印刷の可能性

みなさん、今日はお給料が出た後の金曜日の夜ということで、数多くの誘惑がある 中で私の講座にお越し頂き有難うございました。第一回、第二回、特に第二回は色については実態がないと。光によって色が変わってしまう、ということを申し上げました。私ごときの生臭い人間が、仏教の教義である色即是空、空即是色なんていうことを例えにして、宇宙の全ての物質には実態がない、実態のない世界で私たちは物質的な世界で色を見ているということを申し上げました。本日は大きく分けて以下のテーマについてお話しさせて頂きます。

Q1: 印刷は消えゆく運命なのか?
A1 :私見では否である。人は「情報伝達」の利便性のみ求めるものではない。
紙媒体のもつ「実態感」情緒的な「満足感」はこれからも求められる。

・紙媒体、デジタル媒体ともに、お互いの利点を生かして人々に驚きや感
動を提供し続ける。

・ 紙媒体・デジタル媒体の棲み分け、あるいはコラボレーションも進むだ
ろう。

Q2: この時印刷は何を基本とするか。
A2: 印刷の普遍的な力である「品質」を犠牲にはできない。高品質印刷物は知識を体験に昇華させ得る。手にした印刷物が美しいか否か、心がワクワクするかどうか。写真集や、図録を通して作品に触れることができ、時には知識や興味をより深める機会になる場合もある。 良質な写真集・図録は写真展や展覧会の作品の薄れゆく記憶を呼び覚ましてくれる。

1、印刷は消えゆく運命なのか

まず皆さん、例えば男性と女性で色の好みが違うかどうか。もちろん各人違うと思
いますし、個人差はあります。あると思う方?それでは、ないと思う方。私なんかはどちらかというと無いと思っているほうなんですが、ちょっと調べてきました。男性は冷静だとか信頼、知的といった印象を他人から受けたいがために、青だとか、紺だとか、寒色系を好むらしいんですよ。これは男性ホルモンであるセロトニンの影響というのがあるらしいですね。

それに対して、これは聞いた話なんですが、女性はやはりピンクとか暖かみのある
イメージを連想させる華やかな色がお好きらしいんですね。あくまで平均値で。もちろん個人差があると思いますけど。これは女性ホルモンのエストロゲンが影響しているらしいです。そこで、若々しさを保つ効果があったりとか、愛情や幸福のイメージを伝える色を好む傾向があるのかもしれません。

私、何を隠そう今日はこんな黒に白のピンドットのスーツなんか着てますけど、夏 は結構ピンクのズボンなんかも履くんですよ。なんだか私、最近、60過ぎてから女性っぽくなっているのかな、男性ホルモンが減っているような気がチラホラするんですけれども、それも含めて好きな色、嫌いな色っていうのは随分個人差があるんじゃないかなというのが常日頃の実感です(笑)。

もう一つ、ここから本論に入っていきます。色というのは、この前の講義で「条件 等色」。ある条件のもとでは色は同じに見えますよということを申し上げたかと思います。では、私と皆様が同じ場所で同じものを見たら同じ色に見えていると思いますか? 見えていると思う方は手あげて頂けますか?ひとりいらっしゃいますね。では、見えていないと思われる方。はい、ではその理由をお答えできるという方、いらっしゃいますか?

はい、ではそちらの方。

「色をみる受容体の性能差、人によって個体差があるから。」

さすがですね。やはりですね。私はもっと俗人的な言い方をします。私なんかでも、 例えばグレーを見ると右目と左目で色味が違うんですよ。右目が標準だとすると、左目は少し藍が強いんです。少しクールトーンに見える。右目は左目に対して若干ウォー ムトーンに見えるんですよ。そのくらい私の中でも違って見える原因はわかりません。 わかりませんけれど、我々、肌は日焼けしますよね。網膜も日焼けするんですよ。網膜が日焼けするとどういうことが起こるかといいますと...最近、中高年の皆様で登山がお好きな方が多いですよね。その理由がお分かりの方、いらっしゃいますか。

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