大量のヒルを育てよう!ヒル養殖編!
種名:チスイビル
用途 :医療・食品・漢方
出荷可能になるまで:4ヶ月
年間平米あたりの収穫量:1,000匹
養殖難易度:中
設備等:プール等
儲かり度:?
総合評価:???
はじめに
私は生き物を育てるのが好きで、趣味でいろんな昆虫を育てたり、リサーチしたりしています。この養殖シリーズでは私の自育経験や調べた内容をもとに養殖方法をまとめたり、模索したりしています。養殖は発展途上です、間違った点もあるかと思いますが、何卒!
今回はヒル!
まず養殖風景を見てみましょう!
上記の方法はプール養殖法でしょうか。
大規模養殖!私の憧れです。いいなぁ中国・・又行きたいなぁ・・・
チスイビル養殖に関して
形態的特徴: ヒルは扁平な円筒形の体を持ち、多数の体節に分かれています。各体節には体輪と呼ばれる輪が多数あり、体背面は黄緑色または黄褐色で、黄白色の縦縞が5本あります。吸盤は前後に1個ずつあり、後側の吸盤が大きく、前側の吸盤は小さいです。口は前吸盤の中央にあり、背面には5対の眼孔があります。排泄孔は7節以降に1対ずつあり、最初の1対は体側第1環にあります。
生殖: ヒルは雌雄同体で、生殖環は第10節から第13節にあります。雌性生殖孔は第12節の腹面に、雄性生殖孔は第 "U "節の腹面にあります。
生息地: ヒルは池、田んぼ、川の溝、ジャングルなどに生息します。彼らは日中は隠れており、夜になると活発になり、餌を探しに出てきます。
摂食: ヒルは血を吸う寄生生物として知られています。水中で泳ぎ、吸盤を使って宿主に取り付き、血を吸います。また、小動物も捕食します。
生育条件: ヒルは水温が10℃から35℃の範囲で最も適応的に生育します。中性の水質を好み、アルカリ性が強すぎると成長に適さず、死に至ることもあります。
繁殖: ヒルは数年にわたって卵を産み、毎年6月から10月までが繁殖期です。卵は尾根に作られ、孵化には16日から25日かかります。幼虫は水や草の中で自由に生き、成長には数年かかることがあります。
価値:
医療利用: ヒルは古くから医療目的で使用されてきました。その吸盤には抗凝固作用があり、血液をサラサラにするのに役立ちます。これは手術後の血栓予防やリウマチの治療などに利用されています。
生態学的研究: ヒルの生態は生態学的研究において興味深い対象となり、生態系の健全性や環境の変化に対する応答を理解するための情報源として重要です。
市場価値
タオバオでは乾燥ヒル25gで1459円でした。
かなり高級品なのでは・・・?
捕獲
さあ、養殖を始めるに当たり、肝心なヒルがいないと始まりません。
捕まえにゆきましょう!ヒルは3~4月に産卵し、1~4個の卵繭を産むことがあります。1つの卵繭から60~80匹の若いヒルが孵化することができます。
夏と秋がヒルの繁殖の最盛期であり、捕獲のベストシーズンでもあります。
ヒルの捕獲方法:
蛭は田んぼなどでよくとれます
蛭の捕まえ方は、たくさんありますが、2種類の捕獲方法を紹介します。
こちらは中国の伝統的な取り方です。
竹筒捕捉法:
竹筒の内部に新鮮なカエルの血(または家畜の血液、家禽の血液)を塗布します。竹筒を結びつけ、ヒルが頻繁に出没する場所に置きます。
蛭が嗅ぎつけ、竹筒に泳ぎ寄り、血を吸います。
翌日、竹筒を水から取り出すと、中に多くの蛭がいるでしょう。
草束捕捉法:
稻草を60センチメートルの長さに束ねます。前後の端を結んでおきますが、あまりきつく縛りすぎないようにします。
稻草を血に浸します。
稲田や池に草束を置きます。
蚂蟥は稻草束に泳いできて吸血します。
1日後、稻草束を取り出すと、蚂蟥を捕獲できます。
収穫後,消毒
消毒のために捕獲後に2%の塩水に5分間浸し、飼育プールに持ち帰った水は使用しないようにします。
ヒルの産卵と成長:
ヒルの孵化は早春に行われ、6月までに成長します。
水面の667平方メートルごとに10〜15キロのヒルの苗をストックすることが推奨されています。
季節の導入は、春と夏の変わり目が適しています。
養殖に関して
適切な養殖環境:
水供給: 蛭の養殖には十分な水供給が必要です。養殖場は水源に近い場所に建設することが望ましい。
環境静穏: 蛭は静かで穏やかな環境を好みます。騒音や乱気流の影響を最小限に抑えるため、静かな場所が選ばれます。
温度条件: 冬は温暖で、夏は涼しい気温が蛭の生育に適しています。温度管理が重要です。
風と日光: 強風と良好な日光照射が必要です。風通しの良い場所で、十分な日光があることが望ましいです。
排水と灌漑: 養殖場には良好な排水と灌漑システムが必要です。プール内の水の質を管理するために重要です。
アクセス: 交通が便利な場所に建設し、できれば高速道路から100メートル以上離れた場所にすることが望ましいです。
繁殖方法:
プール養殖法: プールの建設には、長さ6メートル、幅3メートル、高さ1メートルのプールを作成します。プールの底は排水孔に向かって傾斜させ、漂白剤や過マンガン酸カリウムで殺菌します。プールには石やタイルでヒルが隠れられる場所を作り、水草とホテイアオイを配置します。日よけも重要です。
畑の溝の繁殖法: 幅2メートル、深さ0.8メートルのプールを掘ります。プールを清掃し、生石灰で消毒し、底に石やタイルを配置します。ホテイアオイを植え、遮蔽物を設置します。
いけす利用法 今回は触れません
シリンダー培養法: 今回は触れません
飼育密度:
飼育密度は、単位体積当たりのヒルの数を指し、飼育の成功に大きな影響を与えます。密度が適切でない場合、生産量やコストに問題が生じることがあります。
密度が低すぎる場合: 個々のヒルの自己生存競争は激しくなりませんが、全体のヒルの生産量が低下し、コストが高くなります。効率的な資源利用が難しく、経済的に不利です。
密度が高すぎる場合: 餌や酸素が不足し、個々のヒルが食事に困難を抱えることが多く、ヒル同士の競争が激化します。また、代謝産物の蓄積が増加し、水質汚染や雑菌の繁殖・蔓延を引き起こし、ヒルの健康に悪影響を及ぼします。密度が高すぎる場合、ヒル同士が攻撃し合うこともあります。
ヒルの適切な飼育密度は、生後2ヶ月未満の医療用ヒルが水1立方メートル当たり1,500匹、生後2~4ヶ月が水1立方メートル当たり1,000匹、生後4ヶ月以上が水1立方メートル当たり500匹、成魚と幼魚が混在する場合は水1立方メートル当たり800匹が適切です。ただし、胴体の広い金ヒルの場合は密度を半分にすることが推奨されます。
飼料と飼料給与:
飼料: ヒルは水生小動物を主に食べるため、魚やエビ、水ミミズなどを捕まえて餌とすることができます。成長に応じて、豚の血液に大豆粕、ふすま、牧草粉などを混ぜた飼料を与えることもできます。飼育の過程で、餌として魚、エビ、ミミズなどを提供することもあります。また、カタツムリ、カエル、ミジンコ、昆虫、動物の血塊、内臓なども餌として利用されます。これらの餌は新鮮で腐敗していないことが重要です。
1. 水質管理:
ヒルの環境と水質の要件は厳密ではありませんが、清潔な環境を維持することが重要です。高密度の繁殖の場合、水質は特に注意が必要です。
プール、溝、水槽などの小さな水域では水質が悪化しやすいため、週に1回水を交換し、毎回1/3を新しい水で補充します。水中の汚れを取り除くことも重要です。
養魚池を使用する場合でも水質に注意し、薄緑色の水や水の流れが適度であることを確保します。水の透明度を保つために隔月で新しい水を供給します。
2. 温度管理と日陰:
高温と低温を防ぐために日よけを設置し、ビニールフィルムで覆うことで暑さと寒さを防ぎます。
ホテイアオイなどの水草を植え、ヒルが隠れる場所を提供します。枯れた水草は定期的に取り除きます。
強い光にさらされないように、果樹の周りに植えたり、プール内に水生植物を配置したりして、日陰を提供します。
3. 秋の管理:
秋になると気温が下がり、ヒルは深い水に潜ります。安全に越冬させるために、プールの水を深くし、ヒルが隠れるための石や草を配置します。
プールの周りに穴を開けて、ヒルが深い水に潜ったり、プールの周りの環境に適応できるようにします。
4. 管理の繁殖期:
繁殖期には、プールを毎日2回巡回し、問題を早期に発見し対処します。
土壌の産卵場を緩く掘り、脱出を防ぐための設備が正常であることを確認します。
水温は約25℃に制御し、相対湿度は70%に保ちます。
繁殖期間中、ヒルにはエネルギーが必要なため、栄養価の高い餌を提供します。水は新鮮なものに交換し、透明度を維持します。
5. ヒルの幼体の管理:
幼体の水温は20℃~30℃に保つのが適切です。
幼体には栄養価の高い餌を提供し、水は定期的に交換します。
6. 越冬管理:
冬にはヒルは餌を食べなくなり、土の中に潜り冬眠します。越冬前に栄養価の高い餌を提供し、プールの周りに深い穴を掘ったり、保温・加温用のビニールハウスを設置してヒルが冬でも成長し続けられるようにします。
病気の管理
気温の不安定: 昼夜の温度差が大きすぎる場合、ヒルが凍死したり、病気にかかったりする可能性があります。暑い夏にも温度が高すぎると、ヒルの食欲が低下し、抵抗力が落ちることがあります。
高密度の飼育: 飼育密度が通常の3倍を超えると、ヒル同士の競争が激化し、エサが不足したり排泄物が増えたりするため、病気が繁殖しやすくなります。
水質の悪化: 汚水、排泄物の蓄積、プール内での水の腐敗、細菌の増殖など、水質の悪化はさまざまな感染症の原因となります。
栄養失調: 適切でない餌、腐敗した食品、栄養が不足すると、ヒルは栄養失調になり、抵抗力が低下し、病気にかかりやすくなります。
主な病気:
乾燥病: 湿度が低く、温度が高い環境で発生し、ヒルの体が乾燥し、弱体化します。予防と治療には、ヒルを塩水に浸し、適切な温度と湿度を維持するための対策が含まれます。
白点病: ポリープ原虫によって引き起こされ、ヒルの体表に白い斑点が現れます。予防と対策には、水温の上昇、塩の投入、ヒルの浸漬洗浄、水の定期的な漂白剤での消毒が含まれます。
食あたり: 腐敗した食物や消化の悪い食物の摂取によって引き起こされます。予防法には、抗生物質の混合餌、新鮮な餌の提供、腐敗した餌の避け方が含まれます。
ヒルの天敵
: ネズミ、ヘビ、カエル、アリ、水ムカデなどがヒルの天敵です。これらの天敵を予防・駆除する必要があります。
収穫: ヒルの収穫は通常、冬眠前の冬に行われます。以下は収穫の手順です。
水の抜き取り: プールから水を抜き取ります。
網での釣り上げ: ヒルを網で釣り上げます。
選別: 20グラム以上の丈夫な個体を選別し、越冬プールに集中的に入れて越冬させます。
残りのヒルの加工: 残りのヒルを加工して販売用に準備します。
ヒルの血の抜き方:
血に浸した藁束をヒルのいる水の中に入れます。
藁束を釣り上げた後、約20分後に藁に生石灰を振りかけます。
ヒルはすぐに自力で藁から落ちます。
豚の腸を切り分け、ヒルを吸い取ります。ヒルは豚の腸に吸い付くことができます。
ヒルが水田に距離を引っ張り、一定の間隔で集められます。ヒルは水の動きに敏感です。
加工
: ヒルを加工する方法について説明します。
処理方法:
捕まえたヒルを洗浄し、熱湯であぶります。
平らにして天日で干すか、オーブンで乾燥させます。
ヒルを石灰水に溺死させ、よく洗浄し、平らにして火で乾燥させます。
ヒルの尾の先に小さな棒や竹串を挿し、頭を外側に向けて干します。
乾燥が完了したら、小さなビニール袋や缶に密封し、湿気や虫から保護します。
定期的に日光に干すことで保存します。
調合方法:
タルカムパウダーを鍋に入れ、ヒルを加えて膨らむまで炒めます。
ヒルを取り出し、タルカムパウダーをふるいにかけて冷まします。
ヒルを再び鍋に入れ、ラードで焦げ目がつくまで炒めます。
ヒルを取り出し、赤熱した瓦の上に置いて薄黄色になるまで焼きます。
ヒルを取り出して粉にします。
事例
日本では養殖が行われておりません。、
中国では多くの企業が参画し、大きな市場を形成しています
現在の医療目的で使用されているヒルはすべて中国からの輸入です。
輸入がとまればなくなってしまいます、特にヒルなどの人にも影響にある動物は将来的に規制がかかる可能性もありますので、養殖技術はしっかりと国内でも保有しておきたいものです。
将来性
ヒルの医療的な価値や、薬効的特性は、中国だけでなく欧米までも注目しています。
将来、安心安全な国産ヒルを生産する会社が出てくるのではないでしょうか?
参考文献
特种昆虫养殖
水蛭养殖技术
参考サイト
https://baike.baidu.com/item/%E6%B0%B4%E8%9B%AD%E5%85%BB%E6%AE%96/8978795?fr=ge_ala
もっと知りたい、やってみたい
まずはリサーチしましょう。
一番詳しい情報は中国の書籍です。私はこれらの書籍訳し、楽しみながら読んでいます。今回ご紹介した情報は、文献のごく一部です。
更に情報がほしい方はご連絡ください。