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リーダーの人間力|本性は困難なときにこそ試される!
「結局は人間性だよね」ということばを人材育成に関わる場で、聞くことは多いモノです。それは若くても熟年でも同じ。誰も見ていないところで、評価する人がいないところで、どれだけ悪口を言わないか、善行を重ねているか、正々堂々と戦っているか、一生懸命働いているか。努力を重ねているか。”それらの行いがすべて「人間性」として現れる。
これは、少し前にX(旧Twitter)でポストしたモノですが反響がありました。多くの方が働いていく中で、スキルや知識などの必要性を感じて、重点をおくようになります。それはビジネスにおいても経験と同じように大切なモノですが、結局は「人間性」と思っている節が大きいのだなと思いました。
今回は、困難な中でのリーダーの在り方に関して、経験したこと、また思うところを書いています。
あなたなら、逆境の中でどんな決断を下すでしょうか?
困難な状況は、人の本性を露わにするものだなとつくづく思います。平時には、立派に見える人でも、いざピンチに直面すると責任を回避したり、逃げの姿勢を見せたりすることがあります。
近年で言うと、コロナ禍のような危機的状況において、多くの企業が経営の存続をかけた決断を迫られました。そんなとき、リーダーとしてどのように振る舞うかが、その人の本質を決定づけるのだなとつくづく思いました。
企業のリーダーが下した決定
実は、香港は日本よりも早く、そして長いコロナ禍に見舞われました。私もその渦中で、多くの経営者の方々と仕事をしながら、彼らの判断を目の当たりにしました。
ある企業の社長は「わたしは社員を守る」と決め、給与カットをせずに新たなビジネスモデルを模索しました。社員たちもその姿勢に共感し、全力で会社を支えました。その結果、一時的に業績はV字回復。しかし、その後も困難は続き、最終的には給与カットを余儀なくされましたが、それでも社長の覚悟は揺るぎませんでした。
訪問していたわたしに「井上さん、会社が存続できているだけで良しとしますよ。時が来るまでの辛抱です。いい時も悪い時も彼らと共に今までもやってきましたからね。」と、今も尊敬している香港人の経営者様です。
一方で、別の企業のトップは、事態の悪化を見越して早々に撤退を決断。社員を解雇。会社は信用を失い、再起のチャンスを逃しました。
どちらが正解かは簡単に判断できません。事業ですから生半可なことは言っていられないのが本当のところ。しかし、一つだけ言えることがありま。困難な状況における決断は、その後の信頼と評価を決定づけるということでした。
求められる「人間力」
さまざまな経験を通して多くのリーダーを見てきましたが、冒頭に書いたように「結局は人間性だよね」とリーダーに求められるのは「人間力」。
人間力とは、単なる人格的な魅力ではなく「組織を導き、信頼を築き、逆境を乗り越える力」もリーダーには含まれます。部下や社員は、リーダーの言葉ではなく行動を見ているものですよね。
✅ 責任を持って行動する
✅ 約束を守る
✅ 困難なときに逃げずに向き合う
✅言葉と行動の一致
この積み重ねが、「この人についていきたい」と思わせるリーダーシップにつながっていくのだと思います
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人間力を磨く
では、実際に人間力を磨くためには、どんな行動が必要なのでしょう?
・小さな約束を守る
「明日までに提出します」と言ったら、必ず提出する。些細なことでも約束を守る人は、「いざというときも責任を果たす人」と見られます。
・他人の立場に立って考える
困難な状況では、他人への思いやりが試されます。「この決断は社員にどう影響するか?」を普段から考えることで、適切な行動を取れるようになります。
・逃げずに向き合う
問題が起きたとき、自分の責任を認め、解決に向けて動くこと。逃げるクセのある人は、いざというときも同じ行動をとってしまいます。
ある香港人経営者の言葉
ある香港の経営者がこんな言葉を言っていました。
「困難な時に、その人がどうするかは、
そのとき決めるのではなく、普段の生き方がそのまま出るものなんだよ。」
この言葉を聞いたとき、私はハッとしました。
確かに、事態が困難に、深刻になったときだけ「誠実であろう」「強くあろう」としても、それは難しいこと。日頃から人に、物事に、仕事に、どのように向き合っているかの行動が、いざというときの自分を作るのですね。
最後に
人生では予想外の困難が必ず訪れます。そのとき、どんな決断をするのか。
それは、日々の選択の積み重ねで決まることが多いのかもしれません。
「結局は人間性だよね」ということばを人材育成に関わる場では、聞くことは多いと冒頭で書きましたが、それは本当に若くても熟年でも同じです。
”誰も見ていないところで、評価する人がいないところで、どれだけ悪口を言わないか、善行を重ねているか、正々堂々と戦っているか、一生懸命働いているか。努力を重ねているか。”それらの行いがすべて「人間性」として現れる。
わたしは、まだまだの自分を見ても、
卑下せず、おごりもせず、
毎日修行として、これからも歩みます。
今の行動が、未来のあなたを作る。
では