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資格スクール「キャリカレ」のエグいマーケティング

通信講座のコンサルティングをするときに、私がクライアントに真っ先にチェックを勧めるのが、「キャリカレ」です。

今日はその「キャリカレ」の巧みなマーケティング手法についてみてみましょう。

基本的にはユーキャンに似ている

この「キャリカレ」、販促の手法は基本的にはユーキャンにそっくりです。

100円ショップなど、女性が集まりそうな場所でチラシを配布し、資料請求を経て、キャリアアップの夢を提示し、5万円前後の通信講座の受講に導きます。

ただし民間資格をメインターゲットにしている点で異なる

ただし、1つ大きく違うのは、その対象講座です。ユーキャンが国家資格、公的資格メインなのに対して、キャリカレは民間資格中心なのです。

ホームページを見てみると、心理系・フード系、美容系など、様々な講座を展開しています。その数およそ100。

女性向けの独立、キャリアアップを支援する講座が中心で、華やかな印象です。

少し名前を挙げてみましょう。

・夫婦カウンセラー
・ポジティブ心理学実践インストラクター
・不登校訪問支援カウンセラー
・リンパケアセラピスト
・ダイエットインストラクター
・メディカルハーブセラピスト
・香港薬膳スープインストラクター
・カクテルアナリスト
・ペット終活アドバイザー
・ビーズアーティスト
・ウエディングプランナー
・四柱推命鑑定士
・北欧式整理収納プランナー
などなど

名称を見るだけでも「ときめく」ようなものが多くないですか?

エグいマーケティングポイント

そしてここからがポイントなのですが、よーく見てみると、取れる資格はすべて「一般財団法人 日本能力開発推進協会」の資格となっています。

なぜだとおもいますか?

そう。

「一般財団法人 日本能力開発推進協会」は「キャリカレ」の裏組織

だからです。つまり、同じ組織でスクールと資格発行機関を運営しているのです。

ホームページも住所も代表者も変えているので、表向きはわかりませんが、中の人は同じなのです。

自分たちで資格を立ち上げ、認定制度と試験をつくって、その教材を作るのですから、試験対策に強いのは当たり前。竹山もびっくり。完全カンニング状態です。

しかも、その資格を取るには「この通信講座でしか」対策ができないわけですから、資格に魅力を感じた方は自動的に申し込みに至るというわけです。

エグ!

そんなのあり?と思いますよね。

ありなんです。

マイクロソフトだって、旺文社だってやっている

この手法、別にキャリカレに限ったことではなく、他の民間企業でもよくやっていることなんです。例えばマイクロソフトはMOSという自社製品のスペシャリスト資格を発行していますが、同時にスクールの認定もビジネスとして行っています。また、英検、漢検の母体は旺文社と表裏一体です。

つまり、われわれは資格と聞くと何か公正で、お墨付きがある有難いものという印象があるのですが(そして、「●●協会」などと見た目を化粧し、権威性を演出してるので、よりそれが助長されるのですが)、資格とは単にある基準を満たしているかどうかをチェックしてくれる仕組み、というだけなんです。

なんかあざといかんじがしちゃうんですけどね。

エグいけど、世の中のニーズを汲んで資格を作り、必要な知識スキルを付与し合否チェックしていくという意味では十分に社会貢献ですし、それにより夢がかなった方、人生が豊かになった人も数多くいらっしゃることでしょう。

結局は誠実に運営しないとボロが出る

最終的にはその資格を認定した後に認定者がその世界で活躍できるか否かが重要です。たとえば「カクテルアナリスト」を取得してますよ、という人のバーに行ったらめちゃくちゃ不味いカクテルが出てきた、となれば、「カクテルアナリスト資格はクソ」という評判が立ってしまうでしょう。

結局、まじめに制度、基準を作り、運営していく姿勢が求められるのです。

このSNS時代、学びや活躍に誠実に向き合える資格機関、スクールが生き残る、真っ当なシステムにならざるを得ないのです。


■まとめ

・キャリカレは資格そのものを作り出すマーケティング手法を取っている

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井上幸一郎/社会人教育プロデューサー
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