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人生が軽くなる読書会で起きた不思議な一致

まったく異なる世界線で、それぞれの世界が進んでいるにもかかわらず、不思議な一致を見せられることがある。今朝もそんなことがあった。

最近、2つの音読読書会に参加している。

・6:05-6:20「超ミニマル主義(四角大輔)」
・6:20-6:35「職業としての小説家(村上春樹)」

参加者が音読し、文字を追いながらそれを聞き、感想を数名がシェアするという約15分間の音読読書会。そこで取り上げられている2冊の本。

2つの本はまったく異なる本。とはいえ、つながりはある。「職業としての小説家」は「超ミニマルライフ」のなかで参考文献として紹介されている。内容としては、まったく違う内容の本で、当然それぞれに別の話が展開されている。

音読する箇所は、その書籍のほんの一部。にもかかわらず、その一部が呼応するように関連性を持ってしまう不思議そこに小さな驚きを感じ、この世の面白さを感じたりもする。

読書会の後、個人的に思い浮かぶことがあり、連想が浮かんでくる。メモを走らせたくなる。それを書き留めていくのは、メモ魔の性癖であり快感なのだ。それをいよいよ外に出していきたくなり、勢い余ってこれを書いている。

2冊それぞれに関してメモをした内容をもとに以下に書いていくが、そこにある不思議な関連性を感じてもらえたら幸いです。

6:05-6:20「超ミニマル主義(四角大輔)」

1月16日は、STEP2-05〈すべての鍵は「遊び心」にあった〉を音読。

登山と聞くと、重い荷物を背負い、苦しみに耐えて登り、「今は耐えてがんばれば、頂上に素晴らしい景色が待っている。」と考えて登り続けるものだと連想する人が少なくないかと思う。四角さんも、父から教えられていたのはそういった登山だったとのこと。

しかし、そうではない登山スタイルがあることを知った。

最小限の荷物で、軽快に長距離を歩く登山スタイルがある。「ウルトラライト・ハイキング」と呼ばれるものだ。
 (中略)
「身軽に歩くと心に余裕が生まれ、自然をより身近に感じられる」という思想にぼくは大きな影響を受けた。
 (中略)
禁欲的にならず「ミニマル」と「快適性」の両立こそがバックパッキング登山の流儀。
「最小・最軽量でも、心が重く、苦しくては意味がない」
「ミニマルを追求するが、快適さ・楽しさは手放さない」

この考え方こそが、『超ミニマル主義』の根幹となっている。

「軽さ」を追求していくことで、軽快に歩き続けることができ、心にも余裕が生まれる。そのほうが、結果としては長く歩き続けることができるし、「遠く」まで歩き続けることができる。

これはなにも登山だけの話ではないことは推測がつくだろう。人生100年時代となり”長く歩き続けること”を想定される僕らが、どう生きていくか?の指針となる考え方でもある。

仕事もバックパッキング登山も、大切なのは最後まで歩き続けること。「やり遂げること」にある。
(中略)
大股歩きや無理なペースではなくーーー小さな歩幅と自分のリズムを維持した方が、楽に遠くまで行けるという絶対原則。
(中略)
「遊び心」を忘れずにその長い道のりを歩き、楽しく働くことができたら、人生は間違いなくいいものとなる。

今回は著者の四角大輔さんも読書会に参加しており、最後に四角さんから実体験のシェアがあった。これは本書には載っていない内容。

雑誌取材の登山の際には、山岳カメラマンが同行する。
彼らの体力はすごい。なので、取材初日によく言われることがある。
「あれ、四角さん、意外と歩くの遅いですね。」と。

しかし、3日後には、こう言われる。
「四角さん、ペース早いですね。」と。

実は四角さんはペースを変えていない。
淡々と同じペースで歩いている。

山岳カメラマンや体力に自信がある人は、
すごく強いからこそ初日からハイペースで歩みを進めていくことが多い。
体力で解決していこうとすることが多い。

四角さんは病弱で生まれ、メンタルも弱かった。
(本書でも詳細に書かれている)

心も体も弱い自分が、どうすればやっていけるかを考えた結果が
「軽さ」だった。とにかく軽くすること。物理的にも、心も。
どうやったら長く続けられるかを考えた。
弱かったからこそ気づけたことでもある。

周りから見て「早いですね」「遅いですね」と言われるのは、相対的なもの。電車が並走しているときに、片方が後ろに行ったり、前に進んだりするように見えるが、実はただそれぞれの速度で進んでいるだけのこと。電車は争ってはいないが、乗客が勝手に早いだの遅いだの思うだけだ。

昔から人間は周りが気になって比較してしまう習性があるが、SNSでそれが加速したように思う。他の人が何をしているか気にしたり、バズるかどうかを気にしているのは、周りの歩くスピードに影響されて、自分のペースを見失っている状態なのかもしれない。

現代社会は自分のペースを見失わないことのほうが難しいかもしれない。本書「超ミニマル主義」と続編「超ミニマル・ライフ」は、余計なものを捨てて「軽く」なり、自分のペースを取り戻すためのバイブルとなりうる。自分のペースを思い出すためのきっかけの書。


6:20-6:35「職業としての小説家(村上春樹)」

今回は第三回の「文学賞について」の一部を音読。ハードカバー本のP69にあるフレーズが直前に読んでいた「超ミニマル主義」の「軽さ」の話とつながった。

今の僕にはとくにそれらしい肩書きが何もないので、身軽というか、気楽でいいです。ただの村上春樹である(でしかない)というのは、なかなか悪くないことです。少なくとも本人にとっては、そんなに悪くないです。

この章では、芥川賞などの文学賞について書かれているが、そういったものは外部からの評価であって、登山でいえば他人の歩幅。自分のペースで「遊び心」を持って歩いていることに対して、他人のモノサシで測られる行為。

P68では、インタビューで賞に関することを聞かれた際に必ず答える内容が書かれている。

「何よりも大事なのは良き読者です。どのような文学賞も、勲章も、好意的な書評も、僕の本を身銭を切って買ってくれる読者に比べれば、実質的な意味を持ちません」と答えることにしています。

自分にとって大切なものを明らかにできていることが伝わってくる内容。何を大切にするのか?誰を大切にするのか?それが自分でわかっていれば、余計な重荷を捨てて「軽く」なることができる。

そしてP70の内容からは、超ミニマル主義で書かれている「遊び心」に通ずるものを感じた。自分を軽くした後、その歩みを進めさせてくれるのは「遊び心」であり、自身から内発的に起きてくる好奇心であるということ。それにしたがって歩いてきた自分に、誇りを持っているということ。

自分があくまで僕という「個人の資格」でものを書き、人生を生きてきたことについて、僕なりにささやかな誇りを持っているからです。たいしたものじゃないかもしれないけど、それは僕にとっては少なからず大事なことなのです。

P70から引用

音読の後には、読書会に参加している編集者Nさんからのひとことがあり、みんなそれを楽しみにしている状況なんですが、今回はこんなお話が。

「宝くじに当たった人のその後」の本のような、
「芥川賞をとった人のその後」をテーマにした内容の本がある。
賞をとってしまったがゆえに、次が書けなくなってしまう人もいる。

賞を獲ることで称賛される一方、批評家や世間からの「でも、あれはどうなんだろう?」といった批判も浴びる。光が強ければ、闇も濃くなる。そのことに右往左往しているうちに疲弊してしまうのだろう。

それまでは自身の内発的動機で書いていたものが、一気に外側の視点を意識するようになってしまう。すると、フロー状態に入るための内発的動機が発動しにくくなってしまい、「書けない…」という状態に陥ることは容易に想像できる。

そうやって自分の歩幅とペースを見失わないように、『超ミニマル主義』と『職業としての小説家』から教わっているような最近の日々です。主催してくれている方々に感謝です。

音読読書会について(参加したい方へ)

6:05-6:20の「超ミニマル主義」読書会は、著者の四角大輔さんのオンラインコミュニティ「LifeStyleDesign.Camp」内で、有志のメンバーによって開催されています。

コミュニティ内では、この読書会だけでなく「いままさにライフスタイルを自分でデザインしていこうとしている人・した人」が集って、お互いの経験や知恵をシェアするイベントがオンライン&リアルで開催されています。

6:05-6:20の読書会はコミュニティメンバー限定の参加となっていますが、6:20-6:35の読書会は無料で自由に参加できます。

6:20-6:35の読書会は、2023年に「開運モンスター」という書籍を上梓し、

「午前3時の手帳会」を主催する“まさみん”が開催している読書会です。

2023年12月25日までは、四角大輔さんの「超ミニマル主義」と「超ミニマルライフ」を1Methodずつ音読していく会が5ヶ月間に渡り毎日開催されていました。参加メンバーは運命共同体のようになっていて、最終回を迎えた後は読書会ロスになってしまっていた状況でしたが、

その後どうなるか、、と思っていたら2024年は「超ミニマルライフ」に参考文献として掲載されていた村上春樹さんの「職業としての小説家」の読書会が始まりました。

こちらのLINEオープンチャットに参加すると、読書会ZoomURLから参加できます。(顔出しなしで、こっそり参加もできますよw)

1月17日時点でハードカバー本のP75(文庫本だとページ数は異なります。現在「第三回 文学賞について」の終盤。)なので、まだまだ追いつけます。まずは寝ぼけながら耳だけ参加でもOK。

僕は超夜型なんですが(遺伝子検査でも「夜型」って出たし)、この「職業としての小説家」は前から気になっていた本なので、がんばって起きてます。この1週間ぐらいは、ちゃんと6時起きができているのが個人的には快挙すぎる。

早起きしたい方は、良いきっかけになると思いますよ♪ お待ちしてます!


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