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ひとりで抱え込まない!助け合うマネジメントを実現するための4つの施策

こんにちは!イノツメです。
デザインプログラムマネージャー(以下略:DPM)として、デザイン組織づくりを担当しています。

この記事では、2022年11月から2023年6月までの期間に行った、新任マネージャーを対象とした4つの施策について紹介します。


想定読者

  • これからマネージャーの育成を担当される方

  • 組織づくりに興味がある方

背景:新任マネージャーへの支援

なぜこれらの施策が必要だったのか、その背景から説明します。

2022年、デザイン組織が拡大し、新体制のもと新任マネージャーが加わりました。組織が拡大するほど、デザインマネジメントの重要性は高まります。デザイナーの活躍にはマネジメントの安定が要となるからです。

私たちは、マネジメント業務を「一人で孤独に向き合う仕事」ではなく、デザイン組織全体で「助け合って取り組む仕事」だと捉えています。

そのため、2022年11月からの約8ヶ月間、10数名の新任マネージャーのために研修やグループミーティングを設けました。これらの取り組みは新任マネージャーの知識を深めるだけでなく、マネージャー同士のコミュニケーションを強化し、振り返りの機会を提供する効果もありました。

そして、この施策により、すでに高い評価を得ていた従業員サーベイのスコアをさらに向上させることができました。

目的:「人」と「チーム」へ効果的に働きかける人材を育成すること

本施策により目指したのは、「人」と「チーム」へ効果的に働きかけ、事業価値を高めることができるマネージャーの育成です。

「人への働きかけ」とは、各チームメンバーが自己のモチベーションと外部からの期待とのバランスを保つようにサポートすることです。
「チームへの働きかけ」とは、全チームが一丸となり、不確実性の高い状況でも諦めず、適切なタスク分担や相互サポートを通じて問題解決を続ける状態を指します。

これらを実現するために、新任マネージャー自身の成長は欠かせません。彼らが個人として、そして、マネジメントチームの一員として成長することで、組織全体の発展を促進します。

新任マネージャー向けの4つの施策

新任マネージャーに対して、以下の4つの取り組みを実施しました。

  1. デザインマネジメント研修:マネジメントの基礎知識を学んだ上で、自身の成長論を統合させることにより、マネジメント理解を深める

  2. DPMとの1on1:実際の業務からマネジメントの課題を洗い出し、具体的な解決策を見つける

  3. デザインマネジメント相談会:新任マネージャーが集まり、自分たちが抱える課題を共有し、一緒に解決策を考える

  4. Podcastへの出演:マネジメントに対する自身の考えや情熱を発信し、マネジメントについての理解を深める

これらの取り組みについて、以下で詳しく紹介していきます。

施策1. デザインマネジメント研修:基礎知識の習得と自論を統合

目的

研修の目的は以下の通りです。

  1. マネジメントに関する自己理解と外部知識を融合させることで、マネジメント理解を向上させること

  2. 成長支援や能力定義についての理解を深め、得られた知識やツールを自身やメンバー支援に役立てること

  3. 自身のマネジメントとしての成長に関する課題を見つけること

内容

研修は以下のステップで進めました。

キックオフ
キックオフでは、まず施策の背景を説明しました。この段階では、デザイン組織がどのようなを組織を目指しているのかを理解することが重要です。我々が伝えたかったメッセージは「マネジメントは一人で全てを解決する存在ではなく、協力しあい、一緒に問題を解決する組織を目指す」ということでした。この視点を共有することで、新任マネージャーたちのマネジメントに対する意欲が高まりました。

第1回『マネジメントとしての成長を理解する』
1日目は、自身のマネジメントについての理解を深めることに重点を置きました。まず、「マネジメントとは何か?」という問いを提供し、参加者全員で議論しました。次に、現役のマネージャーから話を聞くことで、実際の現場で何が起こっているのか、具体的な経験と知識を学ぶ機会を提供しました。1日目の最後は、自身の「成長課題」についての仮説を整理し、それを全員で共有しました。このプロセスを通じて、各自のネクストアクションを明確にすることができました。

第2回:『成長支援を理解する』
2日目は、「成長支援とは何か?」というテーマです。自身の考えを明確にした上で、他の参加者の意見を聞くことで、視野を広げました。さらに、現役マネージャーのキャリアグラフを通じて、どのように成長し、どのような施策を実行してきたかを学びました。これにより、自分たちがこれから歩むべきマネジメントのヒントを得ることができました。最後に、自分自身の過去、現在、未来を見つめ直し、これからどのような成長の機会があるのかを検討しました。

効果

  • デザインマネージャーが共通のマネジメント基礎知識を習得したこと

  • その知識を基に、相互に問題を相談しやすい環境ができたこと

補足として、本研修は、MIMIGURI社にご提供いただいたマネジメント研修の資料をベースにしました。

デザイナー育成の指針となる能力定義のアップデートを行いましたが、これを正しく運用していく上でも、来年は組織マネジメントについて学び合う一年を計画しています。常々思うことですが、マネジメントは一人で頑張るものではなく、支え合いながら前に進むものだと思うのです。こちらもMIMIGURIさんにご支援いただき、組織マネジメントへの向き合い方から、メンバーの育成方法などについて社内で学び合う時間をつくる予定です。

デザインマネジメントはきっと面白い by セルジオ / マネーフォワードCDO

施策2. DPMとの1on1:業務で発生するマネジメント課題への対策

目的

この取り組みの主な目的は、現場で発生するマネジメント課題に対処することです。さらに、デザインマネジメント相談会に持ち込む議題の相談、メンバーが抱える悩みや不安に対するサポート、そして次回研修の質向上のための情報収集としても活用しました。

内容

毎月1回、各マネージャーと1on1の時間を設けました。
事前に、マネージャーが相談したい議題をスプレッドシートに記入するようにしました。このスプレッドシートは全マネージャーが閲覧可能で、各人の悩みや議論内容を他のマネージャーも確認できるようにしています。議論の内容は、1対1の進め方、評価について、チームメンバーへの支援方法、デザイン業務とマネジメント業務の時間配分、効率的な作業時間の確保方法など、多岐にわたりました。
また、一部の議題は、以降で紹介するデザインマネジメント相談会のテーマとして取り上げることを提案しました。これらを通じて、各マネージャーが直面する問題を深く理解し、それに対する解決策を一緒に考えることができました。

効果

この1対1の取り組みにより、各マネージャーが抱える課題を具体的に理解し、DPMとして、各マネージャーをより効果的に支援できるようになりました。
さらに、スプレッドシートを共有することで、他のマネージャーの取り組みを参照しやすくなり、各人が遭遇する課題に対する理解を深めるとともに、各人の解決策を共有できるようになりました。

施策3. デザインマネジメント相談会 :参加者同士で問題を解決する

目的

目的は、全員で知識を共有し、チーム全体のスキルを上げることと、孤立せずにお互いを支える雰囲気を作ることです。

内容

月に一度、新任マネージャーたちが集まります。事前に、マネージャーが相談したい議題をスプレッドシートに記入します。ミーティング中は各マネージャーが抱える問題を共有し、皆でその解決策を考え、議論しました。

効果

この時間を通して、日々の業務ではあまり関わりのないマネージャーたちが、共通の課題や対策について話し合うことができました。その結果、マネージャーとしての成長を感じるとともに、孤立せずにマネジメント業務について気軽に相談できる環境が整ったと感じました。

施策4. Podcastへの出演:物語を共有し、理解を深める

目的

ポッドキャスト出演の目的は、新任マネージャーが自分自身のマネジメント観を話すことで、自分自身と他のマネージャーのマネジメントに対する理解を深めることです。さらに、社外のデザインマネージャーやデザイナーに有益な情報を提供することも視野に入れています。

内容

ポッドキャストでは、マネジメントに関連する様々なテーマについて自由に語り合いました。ポッドキャストを採用した理由は、リスナーがスキマ時間を利用して聞くことができること。そして、出演者側も情報を整理し、内省する機会を得られる点です。また、外部への情報発信のチャンスも得ることができました。ポッドキャストは、#mffmから確認できます。

効果

ポッドキャストの発信を通じて、多くの人々が自己理解を深める助けになったと感じています。また、各マネージャーが何を大切にしているかを理解することができ、我々の学びにつながりました。

参加者の声

上記の活動を通じて、参加したマネージャー陣たちは多くの学びを得ることができました。いくつかの重要な学びを以下に共有します。

「マネージャーとして、一人で全てをやろうとせず、同僚マネージャーやチームメンバーからのサポートを求めることが重要だと理解しました。マネージャーは一人じゃないということを認識したことが大きな学びです。」

「マネージャーは、『べき論』ではなく、自分自身のなりたい姿を探すことが大切だと学びました。内省や他人からのフィードバックを通じて自己理解を深め、自身の成長を促すことが重要であると感じています。」

「内的動機と外的価値のバランスを取ることとも関連していますが、マネージャーはチームメンバーを信じ、任せることでメンバーの成長を促す役割を果たすことを学びました。」

「期待値の調整が必要であること、また、1on1は相手によって変えるべきだと感じました。一律のアプローチではなく、相手の要望やニーズに応じた対話が大切だと理解しました。」

さいごに

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

さいごにイベントの告知をさせてください🙏
7月27日(木) 19時よりDesignOpsMeets #2『成長支援の取り組み』を開催します。組織づくり、マネジメント、成長支援、スキルマトリックス、ナレッジマネジメントなど、組織関連の話をする予定です。組織づくり、マネジメントにご興味がある方はぜひ遊びに来てください。

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イノツメ タケシ / DesignOps / デザインプログラムマネージャー
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