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『世界の研究者が調べた すごすぎる実験の図鑑』バイオスフィア2プロジェクト(環境研究)
著者は誰だが分からないが、多くの資料をチームで調べ、例えば、以下のような研究成果が紹介されている。
● 母親が自らの危険を顧みずに子を助けるのはなぜか?
脳の扁桃体で分泌されるオキシトシンというホルモンが、母親たちの自己防衛本能をストップされるキーになっている。
● コカ・コーラとペプシコーラはどちらが美味しい?
ラベルがないと、好みの回数はほぼ半数になるが、コカ・コーラのラベルが貼られていると85%の人が美味しいと回答することに。
● 地球環境を再現した人工生態系で人間は生き続けることができる?
アメリカのアリゾナ州の砂漠に、12140平方メートルの巨大なガラス張りの施設を作り、ここに世界中から集めた約3800種の植物と250種の生物を持ち込んで、熱帯雨林やサバンナ、海洋といった地球環境を再現。8人の男女が被験者として入り、作物や家畜を育てながら2年間に渡って自給自足の生活を送る。
この「バイオスフィア2」プロジェクトでは、植物による二酸化炭素と酸素の循環によって、理論上は大気中の酸素濃度も安定するはずだった。しかし、施設内の酸素濃度は21%から14.2%にまで低下。原因は日照不足と二酸化炭素が施設のコンクリートに吸収されたことにある。これにより、二酸化炭素を必要とする植物がうまく生育できなくなり、慢性的な酸素不足を招いた。
● カロリー制限を行うと健康で長生きできる?
1日に与える食事回数と摂取カロリーが異なるいくつかのグループでマウスの実験を行ったところ、普通どおりに食事していたグループと食事回数を1日1回に減らされたグループでは、後者の方が約半年も長生きすることがわかった。好きなときに食べるのではなく、空腹時間を設けることで、健康的にカロリー制限の効果を得ることができる。
● 電子書籍は読解力を低下させる?
紙媒体で読んだほうが、読解力のスコアが高くなる。なぜなら、紙媒体で読んだときの方が、より多くのため息(1呼吸の深さが通常の呼吸の2倍になるものがため息)が誘発されていることも分かった。スマホでの読書は、前頭前野の活動が活発(過活動)になり、ため息が減少する。これにより、脳機能の過活動が回復せず、読解力のスコア低下につながった。
● 名前をつかられたウシは牛乳がたくさん出る?
45%の酪農家がウシに名前をつけていたが、名前をつけていないウシより3.5%ほどの多くの牛乳が取れた。
その他、「生活」「人体」「動物」「人間の心理」と分類し、各種のユニークな実験が紹介されている。
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