『アンダーグラウンド』スラブのミュージカルのようだ(世界の歴史)
ナチスによる侵攻からユーゴスラビアの独立、内戦という旧ユーゴスラビアの50年間をブラックユーモアで描いた作品だが、ブラスバンドによる民族音楽と思われるバックグランドミュージックのためか、スラブのミュージカルとも受け取れる。また、ここに出演してくる人間が、あまりに滑稽に描かれているためか、チンパンジーが一番まともにみえる。
この映画は旧ユーゴスラビア内戦中に制作されたという。そのことからも、最後の半島から一部の陸地が切り離されていくシーンは、その島にいる人たちが、いずれ折り合いをつけ(別々の国なるが)、隣人として暮らすようになるという暗示であるようにも思える。
日本列島はユーラシア大陸から切り離された島が、フリィリピンプレート上の島とぶつかってできたものだ。何もなかったこの島は、南方からの黒潮での流入と、大陸からの避難場所場所という位置づけで、縄文人も弥生人も、ユダヤ人もペルシア人も、その他の渡来人も、それぞれの文化を吸収しつつ折り合いをつけて暮らしているのが日本とも言える。旧ユーゴスラビアとの違いは、物理的に海にかこまれているがゆえに、源平合戦、戊辰戦争など、幾多の内戦はあったが、別々の国にはならず、折り合いをつけざるを得なかったということだろう。
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