『ネアンデルタール人は私たちと交配した』日本人はネアンデルタール人とデニソワ人の遺伝子が最も残っている可能性が高い
ネアンデルタール人と現代人のDNA配列の違いは29か所、現代人同士では7か所ある。つまり、違いが4倍もあるのだ。さらに、ヨーロッパにたくさんのネアンデルタール人が住んでいたにも関わらず、ヨーロッパ人、アジア人、アフリカ人と比較しても同じ28か所の違いになる。ネアンデルタール人と現生人類と交配した交配したとしたら、ヨーロッパ人にネアンデルタール人の特性が現れていてもおかしくない。
ネアンデルタール人と現生人類がSEXをしたことはほぼ確実だ。両者の交配から生まれた子供は両グループからDNAを50%づつ受け継ぐ。両者の子供は不妊になった可能性もある。
ネアンデルタール人は30年前にアフリカ人から分岐した。つまり、現生人類とはまったく違う歴史をもつことになる。そして2009年に、「ネアンデルタール人のゲノムは、アフリカ人のゲノムより、非アフリカ人のゲノムと深いつながりがある」という強い証拠が発見された。
不思議なことに、ネアンデルタール人のDNAは、彼らがたくさん住んでいたヨーロッパのヨーロッパ人だけでなく、中国やパパアニューギニアの人々にも存在していた。ここで筆者は、現生人類の矢印が、アフリカからから出て、最初に中東を通過したことに注目した。アフリカの外で最も古い原生人類の遺物は、イスラエルのカルメル山脈のスフール洞窟と、カフゼー洞窟で発見された10万年以上前の骨だ。そして、そこからわずか数百メートルしか離れていないタブーン洞窟とケバラ洞窟では、およそ4万5千年前のネアンデルタール人の骨が見つかったのだ。この地において、数千年に渡って接触があったに違いない。
イスラエルは、アフリカ大陸、ヨーロッパ大陸、ユーラシア大陸をつなぐゲートウェイになるため、多くの渡り鳥が飛来する地理的要素を持っている。鳥類に限らず、人類においても、現生人類とネアンデルタール人の交配した地域がイスラエルなのだ。私はイスラエルのエルサレムにいると、妙に懐かしい気分になる。ネアンデルタール人のDNAがそれを思い出させてくれているのかも知れない。
また、日本人の遺伝子は、ネアンデルタール人との近親性が高いデニソワ人の遺伝子が残っており、日本人はネアンデルタール人とデニソワ人の遺伝子が最も残っている種の可能性が高いという。