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これからリーダーになるデザイナーへ

そもそも多くのデザイナーはリーダーに不向き

まず、前提知識として自己認知してもらいたいのは、あなたがリーダーに不向きかもしれないということです。

デザイナーやエンジニアなどの専門職は、往々にしてリーダーとして必要不可欠な対人関係構築の力が弱い傾向にあります。
なぜなら、専門性の高い人はメンバーとの関係や組織としての成果よりむしろ、デザインなどの得意領域の研鑽を志向しがちだからです。

デザイナーは自分の専門性を武器にキャリアを築いていきます。
そして、それによって評価され、それなりに自由気儘に活動する権限を与えられてきました。デザイナーは自分らしさを、その高い専門性で示そうとします。もっともデザインスキルが高いデザイナーこそが勝者。そんな世界観ではないでしょうか?

自分の専門性さえ十分に高まれば、人にあれこれ指図されることはなくなる。そう考えてしまいます。
もしこの考えのままチームリーダーになれば、そのチームは崩壊しますし、私も痛い経験をしてきました。

会社の未来と戦略を信じ切れているか?

リーダーシップやマネージメントなどの本を読むと、チームの生産性向上や心理的安全性などHowTo本がたくさんあります。1on1の本もごろごろあるので、それはそれで読めば勉強にはなります。

でも、それをなぜやるのか明確になっていますか?リーダーに求められるのはチームメンバーのエンゲージメント向上です。そこがブレてしまうと、いくらHowTo本を読んでも意味がありません。

エンゲージメントとは、メンバーの満足度ではありません。
エンゲージメントとは、メンバーが会社の未来と戦略を信じ切れている状態を指します。

メンバーが会社の未来と戦略を信じきれているかどうか、
それだけが重要です。

エンゲージメントが高い企業は、予算未達やチャーン増加などの厳しい時期にもメンバーが逃げずに未来を信じ、リベンジを目指します。
辛いときに逃げないことが、本当に未来を信じている人たちの景色です。
もちろん、日々の業務でもモチベーション高くチームで課題に取り組むことができます。

しかし、給料や待遇・働きやすさの向上でメンバーの満足度だけを向上させても、厳しい時期になると満足度が下がり辞めてしまいます。

これは事業部ごとにエンゲージメントのレベルが異なり、同じ会社でも大きな違いが生じます。まるで別の会社のようなグラデーションが生まれることもあります。

リーダーの役目は熱量を伝えること

エンゲージメントの向上にはオフライン(研修、イベントなど)とオンラインでの施策(社内ポータル、SNSなど)などの方法があります。
しかし、これらの施策は、施策実施後にメンバーの意識変化が確認できなければ意味がありません。単なる制度変更や一時的なイベントでは効果は限定的です。

エンゲージメントを向上させるためには、メンバーへの情報発信だけでなく、熱量を伝えることが重要です。発信すべきは熱量です。会社の未来と戦略を信じ切る熱量を伝えない限り、メンバーの意識は変わりません。

ただ、これも相性が悪いことにデザイナーは内向型な人が多いです。1on1で熱く語ることが、苦手な人もいるでしょう。

内向型:人と一緒にいたり喋ると力が奪われる。一人の時間が必要。
外向型:人と一緒にいたり喋ることで力を得る。

内向型と外向型の見分け方

それでも、大丈夫です。熱量の伝え方はたくさんあります。自分にあった方法を見つけてください。
例えばオンライン上では、メンバーが記事や企画を投稿し、活発なコメントや議論が行われる状態を目指すのもいいでしょう。その場合はリーダーがメンバーからの投稿を促し、議論を活性化させるためのサポートを行います。

リーダーには熱量が必須

ここまで読んでお分かりの通り、大前提としてあなたの熱量が100%である必要があります。リーダーになる前に、自分自身が会社の未来と戦略を信じ切っている状態かどうかを内省しましょう。

もし熱量がない場合、経営層の戦略をそのままメンバーに落とすリーダーや、メンバーの味方になって経営層への不満をチームに発信するなど、最悪なリーダーになってしまいがちです。

会社の未来と戦略を信じ切れてない状態なら、社長や経営層と会話することが必要です。それでも無理なら転職も視野に入れてもいいでしょう。

リーダーになるということは、あなたのデザインスキルを周囲にアピールすることではなく、会社の未来へ向かってチームを導くことだからです。

参考文献

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