星の王子さまのキツネ

「星の王子さま」というサン=テグジュペリの小説があるのですが、その中の登場人物の一押しはキツネです🦊

星の王子さまは、いろんな示唆や教訓的なものの間を通り抜けていくようなイメージの小説なのですが、特にキツネの言葉が好きです。

その存在や生き方で王子に何かを気づかせる登場人物が多い中で、きちんと言語化してくれる貴重な登場人物だと思うのですが、たぶんそういうところも好きな理由の一つです。

キツネの言葉がなぜ好きかというと、
相手を傷つけない(それは自分が傷つく可能性を減らすことでもある)のコミュニケーションの大前提を教えてくれていると思うからです。

時間をかけて関わり続けることで、なつき(親しみ)、相手に対して責任を持つようになり、お互いが世界でたったひとつのかけがえのない存在と感じ、大事にするようになる。

人間関係は狭く深くあるほうが好き、という人はきっとキツネの言葉にかなり同意できるんじゃないかと思います。

サン=テグジュペリはこの物語を友人を慰めるために書いたということですが、他者を慰めるためには相手への「専心没頭」が必要であり、そしてそれを可能にするためには「なつくこと」が必要なんだと感じました。

専心没頭とは、相手を慰めるときに自分を介さないようなイメージです。
例えば、「最近こういうことがあってつらくて…」という他者を慰めたいとき、「自分だったらこうする」とか「自分ならこう感じる」とか言わない。「私」を通して相手を処理しようとしない。そういう感じです。

クローズなSNSの中ならできるかもしれないですが、オープンなSNSだと、逆に専心没頭ではないコミュニケーションがあふれかえっている気がします。慰めには向かないツールだなと思います(自己愛を高める、とか、慰められるためのちょっと遠回りな方法は達成できそうですが)

ちょっと哲学っぽい

気分になりたいときや、SNS疲れしているときには特に味わい深い物語だなと思います。

星の王子さまミュージアムのキツネのぬいぐるみかわいいです。
http://www.tbs.co.jp/l-prince/shop/old/ctlg/interior.html

箱根にある星の王子さまミュージアムも楽しいです。おススメ。




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