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メルマガ 「いのちの授業 あの日から」(4号)

『人生はバランスすると信じる』

 自分が死んだ方が楽だ…。
 ターミナルの中、苦しむ景子の横で私は何度もそう思いました。景子は、「痛いよぉ~。怖いよぉ~」と救いを求めるように私をみつめて大きな涙を流しました。「お父さんいるよ、お母さんいるよ。代わってやれるなら…」。景子の手を握って声をかけるしか、もう私にできることはありません。
 どうしようもない、逃げるに逃げられない、死ぬに死ねない。人生には、そんなときがあることを知りました。

 景子の葬儀後、初めて出社した日のことです。
 上司の専務から部屋に来るようにと呼ばれました。専務は、私の目を見て言われました。「いいか。どんなに辛いことがあっても、人生はバランスする。そう信じろ」。人生のどん底にいるとき、「信じる」ことが光明となるのだろうかと思いました。

 私は、自殺があった学校や会社で二十回以上、いのちの授業をしてきました。
どこにでもある学校、会社でした。ご遺族の方と何人もお話をしたこともあります。「死んだ方が楽かも…」。みんな、一度や二度は、そう心感じるときがあるのではないでしょうか。一方で、みんなで笑って、喜んで、ありがとうを言えるときも必ずあります。

 人生はバランスする、そう信じる―。
 出来る出来ない、正しい正しくないではありません。
 信じることは、きっと明日への一歩になってくれます。

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