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日経新聞、連載スタート
日本経済新聞・医療面「向き合う」にて、4回シリーズ(毎週土曜日)で連載いただきます。あの日、あのことが思い出され、胸が熱くなりました。
実は、昨夜、夢を見ました。小児がんを宣告された直後、CT撮影のために廊下待合にいます。私、淳子、景子ちゃんがポツンといるだけ。景子ちゃん「お父さん、いつお家に帰るの?」。私はただ無言で、景子ちゃんの頭をなでています。あの日の現実です。
第1回は、突然の発病、苦悩の転院、激烈な手術-・抗がん剤治療、奇跡の寛解、絶望の再発。私が向き合ったものは、「いのちの現実」だったように思います。医療の現実(医局制度、パータナリズム、治療格差、閉鎖性…)、社会の現実(難病への無理解・偏見、社会資源の欠如…)、自分・家族の現実、支えてくれる人・生き抜く人の思いや涙…。
「この原稿が、読者、患者さん、医療者のためになれば」と執筆の記者さん。いのちの本質は、時を経ても同じです。小さな思い、小さな体験が、「いのちに向き合う」きっかけになりますように、と祈ります。