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脱プラスチック社会を考える

私たちの暮らしにはプラスチック製品が欠かせません。しかし、その便利さだけを見て、その負の側面から目を背けるわけにはいきません。
私たち一人ひとりのプラスチックとの賢い付き合い方が問われています。
それには、便利さを謳歌した大量生産・大量消費・大量破棄社会とは異なる発想が求められます。


大量生産・大量消費・大量破棄社会がもたらしたもの

私たちの暮らしには安価で使い勝手の良いプラスチック製品が入り込み、日常生活に無くてはならないものになっています。
農産物の生産現場においても、例外ではありません。
しかし、私たちはプラスチックの便利さだけを見て、その負の側面から目を背けているだけなのです。

レジ袋やペットボトル、使い捨ての食器、商品のパッケージなど、使い捨てにされるプラスチックもたくさんあります。そうしたプラスチックごみがポイ捨てされたり、屋外に放置されたりすると、雨や風によって河川に入り、海に流れ出てしまいます。海のプラスチックのほとんどは陸からのプラスチックごみです。
長野県内の主要河川からも5mm以下の小さな粒子になったマイクロプラスチックが含まれていることが報告されています。

プラスチックとの付き合い方が問われている

海に流出したプラスチックのうち、使い捨てプラスチックが占めるのは70%、次いでタイヤの粉塵や化学繊維の衣類を洗濯する際などに発生するマイクロプラスチックが20%と言われています。
マイクロプラスチックは、細かくなっても自然分解することはなく、数百年間以上もの間、自然界に残り続けると考えられています。

海に流出したプラスチックは、魚類や海鳥など多くの生物を傷つけたり、最悪の場合、死に至るほどの影響を与えています。
このままだと、2050年には海のプラスチックごみは魚の量を上回ると予測されています。
海のプラスチックごみを減らすために、私たち一人ひとりのプラスチックとの賢い付き合い方が問われています。

目指すべきは循環型社会

科学技術の発達による便利な社会を追い続けた結果、プラスチックを始めとする化学物質の環境に及ぼす悪影響が明らかになってきました。
工学的には「科学技術の進歩によりこれらの課題もいずれは克服できる」と考える方もおられると思いますが、いま、目指すべきは循環型社会です。
循環型社会とは、廃棄物を資源として繰り返し利用可能にし環境への負荷を低減する社会です。便利さを謳歌した大量生産・大量消費・大量破棄社会とは異なる発想が求められます。
食料生産を担う農業現場においても例外ではありません。
現状を直視し、次世代に恥じない持続可能な新しい生活スタイルを模索しようではありませんか。

参考資料

WWF, いっしょなら、もっと守れる。No.1 海のプラスチック汚染から守る