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営農スタイルと収入目標の明確化と逆算力

目指す営農スタイルにあった「経営目標」を立て、目標を実現するために必要なことを逆算していけば、おのずから今すべきことが明らかになるはずです。
「計画をつくっても、計画どおりにいかない」から意味がないのではなく、その原因を探し、修正していくためにも、まず計画づくりが大切です。


農業者は経営者である

農業で生計を立てていくには、農地、資金、販路の確保はもちろん、さまざまな能力が求められます。
経営者として、どんな作物を栽培するのか、どこで農業をはじめるのか、いつどこで技術を習得するのか、資金はどうするのかなどなど、就農に至るまでの具体的な計画とその実行が必要となります。
そして、将来の営農構想、就農時や就農3~5年後の目標に向かって、研修、資金計画などを明らかにし、必要なものを身につけていかねばなりません。

経営目標をたて今すべきことを逆算

まず、自分が目指す営農スタイルと収入目標を想像してみましょう。
そして、漠然とした思いを整理して、どのような農業経営を展開して目標を達成していくのか、「経営目標」を立てましょう。実際に農業を営むために、作目の選定から農地面積や労働力予測、販売計画や資金計画まで、あらゆることを考えながら無理のない計画にしなければなりません。
その目標を実現するためには、どのような栽培技術を身につけ、どのような作物をどのくらいの単価で販売し、どのくらいの量を栽培すればよいのか。有機農業経営指標(有機農業参入促進協議会)を参考に、必要な作物と栽培面積を逆算していけば、おのずから今すべきことが明らかになるはずです。
あくまで想像上の数字であっても、このように考えることで年ごとの目標に到達するための手段、方法、スケジュール、すなわち営農計画の立案につながります。
「計画をつくっても、計画どおりにいかない」から意味がないのではありません。その原因を探し、修正していくためにも、まず計画づくりが大切です。

経営規模は、目標とする営農スタイルによって決まります。たくさん稼ぎたければそれに合わせた畑や設備投資、さらに雇用も必要となります。加えて農業経営者には、夢やロマンを持ち続け、具体的に実行・継続し、発展につなげる能力も求められます。

参考図書

涌井義郎・藤田正雄・吉野隆子・大江正章(2019)『有機農業をはじめよう!――研修から営農開始まで』コモンズ
高橋太一・竹内洋夫・福島 徹・藤田正雄・山下 一穂(2013)『有機農業をはじめよう!経営編』有機農業参入促進協議会