毒親育ち視点で見るジャンケットバンク 獅子神の伸び代について
獅子神の伸び代
気分屋ルーシー戦で出現した獅子神の鏡は、4枚有った。その一番前の鏡には、虎の威を借る狐が映し出されていた。大きな牙と鋭い爪を持つ虎の背後に隠れた貧相な狐。それが獅子神の本当の姿。
これ以降、カラス銀行のゲームに登場するギャンブラー達は鏡を割るが、4リンク以上のギャンブラーの中では獅子神だけが割っていない。あっさりと負ける序盤の敵。まさか再登場するとは思わなかったギャンブラー獅子神。しかし、考えてみれば鏡は4枚有ったのだ。つまり、他のギャンブラーに比べて弱い分、伸び代が4枚分あるとも取れる。その最初の1枚を真経津が破壊しただけのことだったのだ。
日本で書かれた毒親本と米国で書かれた複雑性PTSD関連書籍の違いについて
ライフ・イズ・オークショニア戦では、時雨刑事の発言によって子供時代を思い出すことになった獅子神。所謂「親ガチャ」で外れを引いた獅子神。幾ら強がってみせようとも、ダチとの実力差は直ぐには埋まらない。
ところで、日本で書かれた毒親関連の書籍は、大抵「一時的に楽になれる方法」がだらだらと書かれている。「貴方は悪くない」だの「苦しみを認めましょう」だの、体の痛みに対して鎮痛薬だけを渡すかのように、一時的に楽になれる方法ばかりが書き連ねてある。つまり、それを読んだところで前には進めない。
一方、米国で書かれた複雑性PTSD関連書籍は、具体的に「回復する為のプロセス」が記述されている。何が心を苦しめていて前進出来ないか、そこから解放されるには何をすべきか。それが、米国で書かれた書籍には書いてある。もとい、日本はメンタルヘルス関連は少なくとも数十年は遅れているだけとも言える。
そして、回復する為のプロセスを実行に移した場合、それには様々な痛みが伴う。その痛みを乗り越えた先に、その痛みに応じた回復がある。日本では、回復されたら「せっかくの金蔓が消える」からか何なのか、メンタルヘルス系の病院では間に合わせの処方箋が蔓延している。だから根本的解決には至らず患者数は増え、その為にメンタル系の病院は予約可能な日時が数か月先の場所まであるのではないか? 等と考えもする。
勿論、他の分野に比べてヤブが多いだけで、まともな医者は居る。だが、金蔓にするのに、判断力の低下した患者はとても便利だろう。患者が亡くなったとしても、その死因は高確率で自ら死を選んでいる。外科と違って、手術による医療ミスで訴えられるリスクは低い。だから、ヤブの割合が他の分野より多い。医者が誤診をして症状が悪化したところで、患者は訴える力など残っていないから。
それを踏まえて獅子神への処方箋と治療について書く
獅子神は、ルーシーから物理的に傷を負わされ、その痛みを忘れないように傷を残すと宣言した。外科手術であれば患部を取り出して治療とするが、ルーシーが返却した鍵で「獅子神の(成長を妨げていた)悪い部分」は物理的に取り出されたのではなかろうか? 獅子神のハングリー精神が無ければ敗因を真経津に問わなかっただろうし、元から成長する為のポテンシャル自体は有った。ただ、臆病な性格がそれを妨げ、手の痛みと負けたことへの屈辱、真経津に痛いところを突かれた衝撃が成長する為に背中を押した。
その後、獅子神は「楽に勝てて威張れる相手」に王冠を掲げさせるのをやめた。ハーフライフ昇格を妨げる為に無駄遣いをして購入した奴らは(おそらくカラス銀行を挟んで)解放したが、残りたいと言った2人だけは雑用係として雇っている獅子神。なんなら、雑用係達に心配されていそうな獅子神。園田らしきキャラから心配されながら、ライフ・イズ・オークショニア戦に向かった獅子神。
獅子神の2枚目の鏡に何が映っていたのかは分からない。ただ、手術が趣味の有能な医者先生は、患者の心に負担の掛からない治療をしてくれた。フィジカル方面に関しては、意識を残せるギリギリの電流を流したが、それも獅子神の成長の為。死ぬ強さの電流は流さないように戦略を組んでくれた。
医者先生は、繊細な手術の果てに成長を妨げる患部だった「偽りの王冠」を摘出。手術後のケアも過剰にならないようにこなし、獅子神に前進する力を与えた。
そして、残る2枚の鏡。それがどうなるのかは、今のところはデッドマンズ・キャンドルライトの流れを読むしか無い。だが、2枚ある以上、伸び代はある。きっと、それが獅子神の強みなのだ。
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