【企画書】幻の爆破予告編
ヒュプノクラフト「幻の爆破予告編」あらすじ
秋の散歩道
2023年10月。日本全国のおっさんに人気のウォーキングRPG「ドラグーン・ジャーニー・プロムナード(DJP)」は、2回目のリアルイベントを山梨の某テーマパークで開催した。
途中、会場に現れた有名配信者の前に長蛇の列ができ、突発的に握手会が始まるハプニングはあったものの。
過剰な混雑、会場の通信障害、グッズ転売問題など初回の教訓から参加人数を絞ったイベントは、大きなトラブルもなく無事終了したかに思えた。
幻の爆破予告
ところが、1週間後。大手動画サイトで「DJ革命軍」を名乗る謎の配信者が「もみ消された爆破予告」の告発動画をアップ。「ガイフォークスマスク」をかぶったその配信者は、イベントスタッフの一人らしい。
彼の主張によれば、DJPの運営元レックス社にはイベント爆破予告が届いていたが「どうせ爆弾なんか無い、口先だけの嫌がらせ」と思い込んだ責任者が警察に通報せず、そのままイベントを強行。
結局爆弾は見つからなかったが、ずさんな安全管理が惨事を招いた可能性とレックス社のコンプライアンスの甘さを非難する声で、ネットは大いに炎上した。
はたして、爆破予告は本当にあったのか?
なぜ、実行犯から犯行声明が無いのか?
仮面の配信者は愉快犯か? それとも義憤の内部告発者?
ハロウィンのバカ騒ぎ
様々な推理と憶測が飛び交い、その不安と影響は人々が眠りの中で無意識にログインする「悪夢のRPG」にも影を落とした。
ヘイトの呪いで馬に変えられたDJPの運営スタッフ、レックス社への断罪を叫ぶ過激なプレイヤーたち、地球人が生むヘイトを別世界の侵略に利用せんとする異世界の悪しき道化人形ガーデナー。
夜の松戸市、マッドシティに押し寄せるハチャメチャにユッフィー一家と、ベナン少年率いるチャリンコ暴走族はどう立ち向かうのか?
名セリフを3つ
「レックス社を擁護するつもりはありません。ただ、ゲームのヘイトがガーデナーの兵器に使われるのを見過ごせないだけです」
地球を侵略しない異世界のヴィラン。ただし、社会の歪みから生じた憎悪が別世界を侵略する怪物や呪いの武器の「素材」に。作る責任、使う責任。
「わたくしの中の人が健常者で、落ちこぼれでなければ。クソ運営に悪の組織の戦闘員みたいに使われてたかも」
憧れだけで大手ゲーム会社に入ってしまうと、こんな末路が待ってるかも?成功者と失敗者の定義が逆転する。人間万事、塞翁が馬。
「わたくしたちは、警察でも探偵でもありません。夜のご近所、清掃ボランティアですの!」
問題が大き過ぎるときは、自分にできることをする。