2024年3月9日~3月10日 酒。読書。観劇。それだけ
私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやりな一文だが、それで充分説明に足りている。
たとえば、2024年3月9日から3月10日にかけて……
2024年3月9日
12:00 紀伊國屋書店新宿本店
下北沢に向かう途中、新宿の紀伊國屋書店に立ち寄る。
「読み物」ではなく写真集のような本を2冊購入。
『劇場のグラフィズム』(グラフィック社)は、1950年代半ばから現在までの「芝居のチラシ」(サブタイトルにあるように、それこそ「アングラ演劇から小劇場ブーム、現代まで」)約400点が掲載されている。
『プライベート・スタジオ アーカイブスVol.1』(リットーミュージック)は、アーチスト、エンジニア、クリエーター全29組のプライベート(音楽)スタジオの写真や機材リストが掲載されている。
私は楽器を演奏できず専ら聴くだけだが、だからこそ、どうやって音楽が作られるのか、興味がある(さらに言えば、スタジオの「機能美」の美しさに惹かれる)。
13:00 舞台『ボイラーマン』@下北沢・本多劇場
田中哲司氏演じる「中年男」は、最寄り駅の手前の駅で降り自宅へと歩く中で道に迷ってしまう。彼は、「警官」などに甲州街道への行き方を尋ねる。
というわけで、正真正銘の「中年男」である私も、彼に倣って歩いて甲州街道を目指すことにする。
結構遠いのかと思ったら20分ほどで京王線の笹塚駅に到着してしまう。
しばらく笹塚駅周辺を散策(ここにも紀伊國屋書店があったので、やっぱり入ってしまう。何も買わなかったけど)した後、甲州街道へ出る(というか、笹塚駅自体が甲州街道沿いにある)。
とはいえ、ここまで来たのは別に『ボイラーマン』の「中年男」に影響されたわけではなく、私にはちゃんとした目的地がある。
というわけで、甲州街道を新宿方面に向かって歩くと、そこには……
17:00 舞台『緑に満ちる夜は長く』@新国立劇場 小劇場
105分の芝居を堪能し、初台の駅から自宅とは方向が違う調布へと向かってしまう。
調布は映画のまちなのだそう。
2023年には調布を舞台に映画作りに奔走する映画(磯山さやかさん主演)が公開された。
19:30 「土と青」
自宅とは違う方向のお店にわざわざ行って、満席で入れないと悲しいので、数日前に電話予約。名乗る前に声でバレた。
やっぱり行きつけのお店は話が早い。
電話番号を聞かれることもなく「じゃぁ、いつものお席、用意しときますね」、これだけ。
というわけで、「いつものお席」に案内される。
調布駅からわずか数分だが、それでも寒かったので、『大治郎』(滋賀・畑酒造)のお燗を注文。
「今日も絶好調ですよ」
満席の店内を見渡し、店長が満足そうに言う。
「そういえば、鳥山明さん亡くなっちゃいましたね。『ドラゴンボール』好きなんですよ」
まだ若い店長は心底残念そうに言う。
「そうか、君にとっては『ドラゴンボール』なんだね。俺は……」
「"アラレちゃん"でしょ?」
そうなんだけど、何故先に言う? というか、『Dr.スランプ』だ。
21時を過ぎ、早くから来店していた人たちが退店していき、お店には少し余裕の空気が漂い始めた。これからゆっくり飲みたいところだが、家までたどりつかなければならない。
ということで、〆は最初にお燗にしてもらった『大治郎』を常温でいただき、店長に見送られながら寒空の中調布の駅に戻る。
電車では寝ないように頑張り、何とか自宅へ到着。
これで寝ればよかったものの、昨夜家飲みした際のお酒が若干残っていたので、またしても家飲みを始めてしまう。
NHK『ブラタモリ』の唐突な最終回に唖然とする。
2024年3月10日
16:00 映画『全身小説家』@UPLINK吉祥寺
映画では井上光晴氏の家の表札と住所がバッチリ映っている。これを見る限り彼の自宅は調布にあったと思われる(最初に入院するのは「調布東山病院」だし)。昨日の「甲州街道」といい、偶然の繋がりが多い気がする。
原一男監督と荒井晴彦氏による、主催者が配信を断念する程ヤバすぎたアフタートークが最高。はるばる吉祥寺まで来た甲斐があったというもの。
満足して帰宅。