読書の楽しみ方(みや/6)
私は小学生のころから、毎週土曜日に祖母と母に連れられて近くの図書館に通っていました。
小さいころから本を読むことが好きで、1週間に5冊ほど本を借りて読んでいました。読むのは主に物語で、自分の知らない世界を生きる登場人物に出会えることが楽しいと感じていました。
このころのわたしの読書の楽しみ方は、「物語に入り込む」でした。
物語を読むと、自分では体験しえないことや、考え方が全く違う登場人物に出会うことで世界が広がったり、自分でない誰かの人生を追体験することができます。私はこれにワクワクしました。
小さいころからの読書経験もあってか、学校での得意科目は国語でした。読書感想文を書くこともすごく好きでした。
しかし高校生になると、部活や勉学の忙しさから、図書館に通わなくなりました。それまで週に一回図書館に通うことで保たれてきた読書へのモチベーションが一気に下がり、本を読むことも少なくなりました。
さらに大学生になると、一人暮らしなどの新しい生活環境、交友関係、バイトなどこれまでになかった刺激が押し寄せ、いつの間にか読書をほとんどしなくなってしまいました。
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そんなある日、母からこんな連絡が来ました。
「最近本は読んでる?パパが読書にハマっていて、みやちゃんに読んでほしいと言っている本がたまっているから今度持っていくね。」
私は父が読書をしているところを今までに見たことがなかったので、この連絡に驚きました。父はもともと活字を好むタイプではなく、テレビやネットサーフィンが好きなタイプだったからです。
父の趣味が読書になっている一方で、自分は読書という趣味を手放してしまっていることを少しもったいなく感じました。読書から得ていたものは大きかったはずなのに、現実の忙しさやスマホにばかり気を取られて、読書から得られるワクワクや感情の起伏を忘れてしまっているなと、ハッとさせられました。
そこで私は、また読書を始めました。父からおすすめされた本をせっせと読みました。父の選ぶ本は私の趣味とは違ってまた面白いです。読み終わったら父と感想を共有します。気に入る本も気に入らない本もありますが、父の感性で選ばれた物語を読むことや、感想を共有するのはとても楽しいです。
ここで新しくわたしが読書の楽しみ方として身に着けたのは、「他者との感性を比較する」ことです。
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そして最近は、読書の幅を広げたいと思い、ビジネス書を読むようになりました。大学で学んでいるマーケティングや、興味を持っているアントレプレナーシップ、コーチングについての本を読むと、今までなんとなく理解してきたことや、経験からなんとなく感じているけど自分の言葉にはできていないことが、すでに言語化されていたり、論理的、体系的にまとめられていることに気づきました。このような本を読むと、思考がすっきりしたり、腹落ちしたりします。
これまで物語以外はほとんど読んだことがなかったのですが、ビジネスや自己啓発など、勉強するための読書の楽しさも最近知ることができました。ありたい姿や、目標がある中での読書は、吸収のスピードが違います。常にどこかに活かせないか、誰かに共有できそうなことがないか考えながら読んでいるので、脳が活性化している気がします。
今まで私の中で本を読む=物語を読むだったので、ビジネス書を読んで学ぶことは全く新しい読書経験でした。こんな本の読み方があったんだとパッと世界が開けた感覚でした。
最近のわたしの読書の楽しみ方は「インプットする」です。
今、読書は私の中で再ブーム到来中です。しかし昔と違うのは、ひとからおすすめされた今まで読んだことがない作家さんやジャンルの本を読んだり、勉強のための読書をするようになったことです。昔とはちがう読書の楽しみ方ができていることが嬉しくもあり、新鮮な気持ちです。
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これからも、読書はわたしにとって知らない世界を教えてくれて、感情を豊かにしてくれる友達のような存在でもあり、ありたい姿に向けての学びを与えてくれる先生のような存在です。自分の年齢に合わせて新しい読書の楽しみ方を身に着けることができる。それも読書の魅力なのではないかと思うのです。
みや
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