私の中の、女神ちゃん
昔々、その昔
とある家庭の3番目に生まれた女の子がおりました。
特別可愛いわけでもなく、可愛くないわけでもない
フリフリが似合わない女の子。笑
お兄さんがふたり。
初の女の子ということで、それはそれはたいそう喜ばれた誕生
だったわけでは…特になかったみたいです。
ただただ、3人目。それだけ
まあ、大きな病気もなくこれといって不自由なく
スクスク
いえ、ソコソコに育っておりました。
この地球に、この家庭に生まれてきたのは
私は女神として自分を活かすため
いわば、救世主として自分の人生を全うするため!!!
超ノリノリに、自ら望んで生まれてきたのでした。
左利きの女神ちゃんは、左手を空に突き上げ
タラタタッタタ~~~~~ッッ☆☆☆☆☆♪
と、意気揚々に
完全無欠のヒロイン気取り。
よっしゃ任したれっっっ!
そんな男前な心持ちで
100%、いえ、それ以上の自分への自信と信頼と希望と愛を胸に
私の存在そのものが、もう『神』!
女の子だから『女神』ね!と
女神として称え、ある家庭に生まれたのでした。
女神ちゃんにとっては
それはごくごく自然な、何の傲りもない
ピュアな想いでしかありませんでした。
女神ちゃんは物心がつく5歳あたりまでは
女神的扱いを、受けていないにしても
自分の存在自体が危ぶまれることなく、やはりソコソコに育っていきました。
しかし、女神ちゃんも幼稚園という集団生活の場へ行く年頃になり、年中さんから行き始めます。
その頃から、女神ちゃんの周りには黒い影が潜むようになりました。
100%の意気揚々と愛に満ち溢れたその心のメーターは、成長と共に…減っていくばかりでした。
あなたが生まれてきてくれて本当によかった!
あなたが生まれてきてくれるまでは色々大変だったけど、一変して全てがよくなったの!
これはきっとあなたのおかげ!
生まれてきてくれてありがとう!!
そう
そう思われ大事にされるはずでした、お空の上では。
生まれてきたことに100%の祝福と愛を受け取り、笑顔に包まれて育つはずでした。
ところがどっこいってやつです。
祝福どころか…
女神ちゃんのお父さんは、あちこちにお金を借りまくっては返済に苦しくなると消えたり。
仕事はしっかりやる人だけど、とにかくお金や時に女の問題も作る、家族泣かせのお父さん。
女神ちゃんのお母さんは、いつも怒ってばかり。
女神ちゃんは、不思議でなりませんでした。
だって、これは私が家族の一員に加わることで
あらゆる問題が解消していくということだったのだから。
私がいても、何も良くならない…
まだまだ小さい女の子の姿をした女神ちゃんは
誰にも相談出来る人がいません。。
しかし、徐々に地球の低く重い波動に影響を受けていきます。
女神ちゃんは女神ちゃんで、地球に生まれてきた命をひとりの女の子として生きなければなりませんでした。
家族の中のひとりとしての私と
この地球の中の社会に属するひとりとしての私
家族ひとつ救えない…
最大の最初の目的が達成されるどころか
どんどんとかけ離れていき
数年後、家族は離ればなれになります。
ケンカすることも
酔っぱらってビール瓶が飛んでた日もあった。
女神ちゃんはある日のこと
おこづかいとお金のコインが何円なのかがわかるようになっていた頃
ケンカしている両親がいました。
その時、ものすごく大きな不安と緊張感を覚えました。
女神ちゃんはどこからか1枚の葉書を持ち出し
『いい子でいるからケンカしないで』
『この50円あげるから、仲直りしてね』
本当はもっと長い文だけど
このふたつのことが書かれていたことだけは
今でも鮮明に憶えています。
女神ちゃんは、本気で叶うと思っていました。
本気でケンカがおさまって、仲直りすると思っていました。
女神ちゃんの次の記憶は
お父さんを新幹線のホームでお見送りしたことでした。
女神ちゃんのなけなしの50円も、想いもむなしく
私の両親は、離婚をしてしまいました。
女神ちゃんは何も聞かされておらず
ただただ少しだけ離れるだけのお見送りをしているものだと思っていました。
それだけでもとても、寂しかったのに
それから1年か2年たった頃
親でもなければ親戚の人でもなく
クラスメイトの男の子によって
うちにはお父さんがいないということを悟りました。
女神ちゃんの小学生時代というのは
何故か、名簿があいうえお順に住所と電話番号
そして、保護者の名前が一覧に載っているものでした。
クラスには学年で一番人気者の男の子がいました。
全員席に座っている教室内で突然私の方を見て
笑いながら
『なんでオマエのとこだけ母ちゃんの名前なんだよー!!!』
と、今でも空いた口から見えた銀歯が印象的で
この時のことは一部始終、脳裏に焼きついています。
やっくん…悪気がなかったにしても。。
きっと女神ちゃんはこの時から
無神経な人は大嫌い!!!
という、人間関係においての「ないわ~」必須条件トップ3。いや…これは殿堂入りかもしれません。
この出来事はそのきっかけになったのだと思います。
ちなみにその他のふたつは
・人によって態度が違うような、裏表がある人
・言葉と行動が一致していない人
女神ちゃんの家庭では、親と子が向き合って話をするという習慣はなく
子供が気になる『なんで?』はほとんどが
『そんなこと知らなくていい!』
で、まともに聞き入れてもらったことはありませんでした。
また、その頃は女の子の世界では
グループで誰かを標的に『無視』する…
今で言うシカトですね。
その標的になることもあって
学校という自分の小さな世界も
家庭という自分のホームでも
女神ちゃんが思い描いていた
明るく笑顔と笑いの絶えない愛が溢れた幸せな未来は
どこにもありませんでした。
そして女神ちゃんは徐々に
自分は無能なんだと思い、そのジレンマに苦しみ続けるようになるのです。
心に安らぎなどなく
誰かと自分を比べることで自分を知り
自分だけじゃなく、家族をも恥じるようになったり
こんなの自分じゃない!!って
どれが自分なのか、もうわからなくなるほど
いつも心は戦争のよう。内戦勃発です。
そのうちに、人にどう思われるか
人の目にうつる自分も新たに加わり
より一層、自分がわからなくなっていきました。
そんな時、あるクラスメイトの女の子と仲良くなり
なんか嫌だなって思ったのに
自分の欲に敵わなくて、この子といれば目立つ!
と、地味で目立たない自分を恥じる心を育ててしまった女神ちゃんは
自分の本音など無視して、目立つ自分にうぬぼれ始めて
虚像を生きるようになりました。
いわゆるクラスメイトの女の子を利用したのです。
自分の実力のなさを、ちょっと目立つタイプの、自分が欲しいチカラを持ったそのクラスメイトに乗っかって。
その代償は虚言癖という、言動と行動が一致しない、いわゆる嘘つき…と言われても致し方ない裏側を持つクラスメイトで
関わることで人間不信に陥るという形で負うのでした。
不思議なことに、傷ついたかつてのクラスメイトのやっくんによる無神経さ。
人間関係における、あり得ないタイプベスト3再び
・無神経…デリカシーが無い
・人によって態度が違うような、裏表がある人
・言動と行動が一致しない人
女神ちゃんは追々、大人になって結婚をするのですが
見事にこの3パターンオールクリアした唯一の人を選ぶという奇妙なストーリー。
極めつけは虚言癖も追加されて。
離婚してからよく考えてみると…だったので、夫婦の間には時折の違和感程度だったのですが
時間の経過と共に、ボロが出て…女神ちゃんにとってはショックでした。。
しかし今となってみると、あら不思議…ですよね。。
どんな意味があるのかはまだ、思いを巡らす前なので追々書けたらな…と、思います。
話を戻しまして
女神ちゃんは、虚言癖のクラスメイトとその後約10年ほど交流を持つのですが
随分と、色々学ばせていただきました。
ただただ、今はありがとうの一言に尽きます。
ちょうど、そういった虚勢を張るようになってから
色々なことが、穏やかではなくなりました。
私は目立ってる(と、思い込んでいるだけなのですが)ことに自分に価値を見出だし
逆を言えば、目立っていない…、元々の私は目立たない子だから価値がない。。
自分に価値を感じることに一生懸命でした。
その頃から歯車はどんどんと噛み合わなくなっていったのかもしれません。
女神ちゃんの元々の目的も使命もすっかり、忘れて。。
そして、中学生になる時には
3つ上の兄が中々のモテ男くんになっていて
入学時には卒業していなかったのですが
入学時には、あの先輩の妹…ということで
一目置かれて(いると思い込んで)
私には兄がいるからっ…と、いい氣になって恐いもんなし!無敵!
って、態度に出ていたんだと思います。
幼稚過ぎますよね。。笑えない。。ハハ…(苦)。。笑ってるし…
そして3ヶ月後
青天の霹靂とはこのことか。
母と兄たちとの生活がある日突然
父と兄たちとの生活に変わってしまい
それから2ヶ月後、母は再婚すると言い出しました。
それも、女神ちゃんがかつて
余計なお世話で友達もいない母を否定して
お母さんも友達作りなよっ
と、友達のお母さんは友達いたりしてるのに
なんでうちのお母さんはそうじゃないの!?
っと、またしても他と比べて勝手に恥じて
そうして、自分の思いどおりに母が行動した結果
その時、友達を通して知り合った人と再婚することになったのです。
ただでさえ、女神ちゃんにだけお父さんはこんな行動を…。
それはある日のこと、刺身包丁を私に見せて
恨み言を言いながら、見かけたらアイツを(母のこと)これで殺すと言って私に思いをぶつけてきたのです。
その日から女神ちゃんは、得体の知れない恐怖心を覚え
成人してしばらくして、母と父が交流あることを目の当たりにするまで
恐怖心と最悪の事態が起きないよう、ずっと、休む暇もなくピリピリと神経を張り巡らせて生きるようになりました。
だいたい10年ほどだったでしょうか…
生きた心地のしない、安心や安らぎとは無縁の思春期が始まります。
そして、その衝撃的な父の衝動に硬直した心になった2か月後、こっそり母と会っていたとき…再婚を聞かされました。
もう女神ちゃんは母と会うときはまるで犯罪者のよう・・
どこで誰に見られているかわからないから落ち着かないし
もし父にバレたら・・・悲劇と惨劇しか想像がつきません。
重い爆弾を抱えたような心情で、まだ12歳の女神ちゃんには荷が重すぎました。
しかしそんなこと、母に言えるわけもありません。
それに再婚って…
私のせいだ…私が友達作れとか言ったから…
女神ちゃんのいきついた答えは
全部全部、こうなったのはわたしのせいだ…
しかも私がいい子じゃないから・・ってこともつけ加えて
さらに自分を責めて生きることも加わり
暗黒の世界へと、沈んでいくのでした。
この時女神ちゃんは12歳と半分を過ぎた頃でした。
学校でも先生を悩ませるし、モテモテの幼馴染みがいることで他の小学校から来てる女の子からやっかまれたり…
男の子と仲良くしていれば噂され、またやっかまれシカトされるということで
教室にも部活にも、家にも居場所はなく
心はいつもピリピリと、怒ってばかりでさらに母とそっくりだと罵られる始末・・・
女神ちゃんはさらにこんな疑問も持つようになります。
『私のなにがいけないんだろう』
そう、私に原因があり
うまくいかないのは全部私が悪いから。
私のどこがいけないのか・・・私がトラブルメーカーであることを許可してしまうことで、辛い現実に向き合おうとするのです。
女神ちゃんはさらに中学2年生になると
もっと先生を悩ませ、もっといじめに遭い
もっともっと居場所がなくなり
一旦非行に走ります。
誰にも心の内を明かせることが出来ない
皆そろって理解ではなく批判してくるので、辛いを通り越してしまいました。
それでも一番守るべきものは母であり、母と父が遭遇しないこと。
それだけが女神ちゃんにとって唯一の気掛かりでしたから
もう心がホトホト疲れ果ててしまったのでしょう。
8階にある部屋からベランダに出て、柵の手前にある室外機の上に乗り
下を見つめていました。
誰も私のことなど心配もしない・・
何かすればいつも怒られたり辛いことになったり
何か言えば生意気だと蹴られたり・・父だけじゃなく兄まで私を邪険に扱うようになりました。
誰も味方がいない・・・そんな絶望感で未来に全く光もなく
持って生まれた100%の自分への自信や信頼は、どこにもありませんでした。
自分がすることはなにもかもが後悔の連続。。
自分から行動をするということに恐れを抱くようになったのも、この頃から・・だったのかもしれません。
そんな正常でも平常心でもない、冷静でない状態というのは
本当に錯覚で、近く…すぐそこに地面があるように見えるのですよ。
よく、非常事態のとき
例えば家事で高いビルなどにいて脱出しようとするとき、平常心ではないために錯覚を起こし、そのように見えるのだそうです。
楽になれる…と、地面を見つめながら思いました。
夜なのに、昼間のように地面の草花が見えるような幻覚さえも起きていて
13歳になっていた女神ちゃんは、あと少しのところでベランダの外側へとダイブし、この世から消え去るところでした。
しかし
ある瞬間ハッとして、チカラがみなぎって
潤んだ瞳に気づき、室外機からベランダへと足を下ろし
無意識か意識的にかわからないけれど
女神ちゃんは生きることを選びました。
どの季節だったのかは記憶にないけれど
女神ちゃんはそれから、いじめで辛かった部活を辞めることにしました。
その事により、いじめの張本人たちが自分の身を案じ、言いがかりをつけてきたのですが
心底ハッ!?っと納得いかなかったので、次の日しらじらしく友達ぶって挨拶をしてきたひとりに
キレ気味に返事をしたら、そこから大人しくなりました。
そして、3年生だけはもう、これまでの友達関係を断つことにして
目立つとかじゃなくて、楽しくいられる友達を選び
初めて楽しい学校生活を送ることが出来ました。
しかし、一難去ってまた一難…
今度は進学で暗雲が立ち込めます。
ろくに勉強をしてこなかった女神ちゃんは、お金にうるさい父を配慮し
なりたかった美容師になるため、高校へは行かずに美容院で働きたいと考えました。
しかし、世間体を氣にする父だったのか
高校だけは出てくれと言われてしまい、女神ちゃんは夢を諦めることにします。
とはいえ、女神ちゃんの成績ではお金の負担が少ない公立校は…
無理に等しい。
行けても、海が近い分校と言われてしまいました。
最終的には商業科を受けることは出来たのですが、女神ちゃんは2つとも落ちてしまいます。。
その時、どうしよう…お金がかかる。。。
お金の面だけが心配でした。
本気で自分の力不足に嘆きました。とてつもない罪悪感を覚えた15歳です。
だから高校行かないって言ったのに…
せめて、制服や何やらお金がかからないほうを選び
罪悪感を背負いながらの高校生活が始まるのです。
常に後ろめたさを感じて、望んでいない高校生活。
初っぱなからなぜかこれはこれは…
大層荒れた子達が一部集まったクラスで
しかも三年間一緒という。。
しかもそこに自然と属している女神ちゃん。
色々ありましたが、実は今でも集まる間柄で
この友達たちに逢うための学校だったんだって
女神ちゃんは大人になるにつれ、そう思うようになりました。
しかし、なんとか高校を卒業出来たものの…そもそもは、こんな理由でした。
3年間、とりあえず卒業だけはしよう。
それが目標であり、目的でした。
学校行かせてもらったんだから卒業だけはしよう。
お父さんのためでした。
結局は私学なのでお金がかかります。それを無駄に出来ない。
何よりも、後で何か言われても嫌だから。
こうして、自分の望み通りにはいかない…我慢してやらなくてはいけないんだと
心が窮屈で窮屈で仕方のないことを覚えていくことになります。
女神ちゃんも早いもので義務教育が終わり、そして晴れて自由に!とはいかず、自分の望みは諦めて…
そう、これから3年間は父の望みのために生きるのです。
表向きは感謝しているように捉えていますが、本心は不本意過ぎる進学に、罪悪感という罪の意識を背負い通うのですから、たまったもんじゃありません。
しかししかしで、そんな心である自分を許せない部分もあり
自分を許せないことをどんどんと増やしていくのです。
さらに、自分にお金がかからないよう…かからないようにと思考がチェンジしていったのは、この頃からなのかもしれません。
お金なんていらない!
ちっとも楽しくないし、苦しく思うことばっかりじゃないか!
お金は嫌なもので罪悪感を感じるものの象徴と、なってしまったのかもしれません。
お金がないのに(本当はないんじゃなくて、あるけど使いたく“ない”)
お金がかかる。
私は存在するだけでお金がかかるから、罪であり悪である。
お金がかかることがなかったら、こんな苦しい思いをしなくてすむのに。。
申し訳ない…申し訳ないことなんだ。
ああ、なんで私は存在しているのだろう。。
とでも思ってしまったのでしょうか女神ちゃん。
ある時は自分に存在感がないことに価値を見出だせず
他者の影響力に便乗してみたりして、痛いしっぺ返しをくらいました。
そして今度はただただ自分の存在そのものが、負担であり迷惑で。
その前に、あの時…生きることを選んだはずなのに
生きていることが、辛い…申し訳ない。
なんだかもう女神ちゃんは
なにがなんだかわからなくなってしまって、頭の中はパニックです。
高校を卒業出来たものの
美容師になりたいとあれだけ切に願っていた夢も
どうしても思い出せなく、やる気もなく
また夢を持つも、またお金がかかるから
思いきって話をしてみたものの学費を見ただけで
その夢は儚く散りました。
その夢は…
大好きな東京へ行きたくて
専門学校の夏のセミナーへ参加して通いたいと思った女神ちゃん。
お父さんのお金と世間体によって、振り回されてしまった女神ちゃんは、無気力という状態を覚えることになります。
女神ちゃんはただ…
わたしも皆みたいに親に夢を応援してほしかっただけ。
頑張れ!と背中を押して送り出してほしかっただけ。
お前なら出来る!と、笑顔で受け入れてほしかっただけ。
なのに・・・。
美容師になりたいという夢と、お金がかからないように精一杯思いやったつもりの最高策も、世間体によって崩れ去り
父の世間体のために夢をあきらめて卒業することがわたしの夢であり目標になった。
その中でもあきらめずまた自分のやりたいことを探して夢を持った女神ちゃんは、メイクとダンスで悩みます。
しかしその頃には自分に自信がないことが定着していて、どこにいてもオドオドしてしまう心がざわつくようになりました。
しかし、それでも夢をあきらめなかった。
そして、またお金…という悩ましい点を抱えながら交渉する勇気を持ち、女神ちゃんは立ち向かいます。
夢には好反応でしたが、突如学費を知ったとたんに…またも暗雲が立ち込め敢えなく却下でした。
女神ちゃんは、ただ親に甘えてすねをかじり、やってもらって当たり前だと思っていたわけじゃありません。
どこか、夢を断念したことでお父さんの望みは叶えたし、今度はお父さんがわたしの望みを叶えてくれるはず。と、期待したのかもしれません。
それが当然よ!と、思ったのかもしれません。
そして、お金じゃなくて気持ちを感じたかったのだと思うのです。
わたしだって少しくらい、甘えてもいいよね?
むしろ甘えたかったのです。
しかし、拒否されてしまったため無気力となり
自分は無能でダメなやつだと烙印を押しました、女神ちゃん自身で。
それからほどなくして、何をするにもどこにいくにも恐い。
ガスや鍵をしめたか、忘れ物はないか、強迫観念に近い状態になりました。
地元から外には、特に街中へは恐くて電車にも乗れず行くことが出来なくなりました。
常に恐怖と不安が湧き起こってきてしまい、さらに心は苦しくなるばかり。
ある時、友達の声がけで、とあるパンクのクラブイベントがあるため、入り口前でもぎりの役割を担い、次から次へと知らない同世代の人たちがやって来ます。
こんなわたしがこんな大それたことして…
ダサくないかな…きっとわたしがここにいるって変だよね…やだ、皆にどう思われてるんだろう…
どうしようどうしようって
極度の緊張や不安が募り募ったのだと思います。
女神ちゃんはたぶん過呼吸に(これで2度目)陥り、その場で皆に囲まれ一大事になります。
友達の友達の車に乗せられ、私は家へ帰ることに。
眠っていたのか、家のそばで目が覚めてその時にはもう何事もなかったように落ち着いていて、なんだか申し訳なくなってしまいました。
もしかしたら、これを機に街中へ本格的に行けなくなったのかもしれません。
とにかくありとあらゆる恐怖に怯えるようになった女神ちゃんは、夢も希望も価値も無い、そんな風に自分のことを捉えるようになっていました。
そこから女神ちゃんは、自分探しの旅が始まるのです。
完全に自分自身を見失った、自分の幻を探す終わりなき旅へ・・・
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