「言ってもやらない」問題にどう対処するか?
1. はじめに
今週はなぜか「言ってもやらない」問題の相談が多く寄せられました。
上司からはこんな声が聞こえてきます。
「ちゃんとやってほしいことを伝えているのに、期限の日になって聞くと『できてません』って言ってくる!!」
わかります。非常にフラストレーションが溜まる状況ですよね。
「相当わかりやすく伝えてるはずだぞ!これ以上どうしろというんだ??」
そう感じるのも無理はありません。しかし、少し冷静になってみましょう。
2. 自責と他責の思考
まず、最初に考えたいポイントがあります。それは、「言ったのにやらないのは相手が悪い」と思った瞬間、あなたが他責的な思考に陥ってしまっているということです。
自責的に考えることは決して簡単ではありません。しかし、もしも「どのように伝え、関わるとこの人はできるのだろうか」と考えられるようになると、あなたのリーダーシップは格段に向上します。
3. 仕事のプロセスと関わり方
仕事を依頼して完了するまでには、以下の3つの工程があります。
1. 依頼
2. プロセス管理
3. 完了報告
このいずれかのステップで、あなたの関わり方を変える必要があるのかもしれません。では、どこを変えるべきか? そのためには状況分析が必要です。
4. 4つのタイプと対応策
仕事の依頼がうまくいかない理由は、以下の4つのタイプに分類されます。
1. できる・やりたい
それでもできていない場合、他の業務が影響して時間が足りなくなった可能性があります。
対応策: 時間管理や優先順位をしっかりと伝えることが必要です。
2. できる・やりたくない
この場合は、信頼関係の欠如か、その仕事の目的が理解されていない可能性があります。
対応策: なぜその仕事をするのか、なぜあなたに頼むのかを明確に伝えることが重要です。
3. できない・やりたい
実際に進めてみたらわからなくなった。やると言ってしまった以上、やり方を聞いたら負けな感じがする。やばいなあ。でも日常業務も大変。あ、気がついたら期日だった。
対応策: プロセス管理をしっかり行い、途中経過を確認しましょう。
4. できない・やりたくない
やれと言われたけど、無理。
断れる空気でもなかった。
むしろこんなことを頼んでくる方が悪い。
対応策: 依頼する段階で、その人に頼むべきだったのか再考が必要です。
5. 頼み方とプロセス管理のポイント
頼み方の重要性
「◯◯までに△△をやっておいて」と、つい簡潔な行動指示だけになっていませんか? 簡潔な指示はカッコよく見えるかもしれませんが、実際は逆効果です。
緊急事態を除き、平常時には以下のような背景と完成図を共有することが重要です。
• なぜ、それをするのか。
• どうやって、それをするのか。
• あなたに頼んでいる理由は何か。
• 最終的なゴール状態は何か。
これにより、部下は内発的動機づけを得て、生産性も向上します。
プロセス管理のコツ
依頼がうまくできたとしても、実行の段階で違う方向に進んでしまうことがあります。ここで重要なのがプロセス管理です。
でも、いったいどこまで関与しないといけないんだ?だったら自分がやったほうが早いじゃないか!!
これです。
これこそが、あなたがずっっと忙しい理由です。
ここで思い出したいのは、「教育に責任を持つ」という考え方です。
教育という言葉は「教える」と「育む」でできています。
今すでにできる人は「こんな簡単なことは教えたらすぐできるはずだ」と思い込んでいます。
なので手順を教えたら、放置になりがち。
明後日の方向に走っているのにも気づかず、期日になって、なんでこうなった?と驚きと後悔でいっぱいになります。
だからこそ、以下のステップを徹底してみてください。
• 依頼の翌日に方針確認
• 期日の半分でクオリティ確認
• 本当の期日の3日前に完成
• 残りで細部のクオリティ向上
6. まとめ
「言ってもやらない問題」には、多くの要因があることがお分かりいただけたと思います。上司の「依頼の仕方」と「プロセス管理」、部下の「スキル」と「モチベーション」、それぞれを因数分解していくことで、必ず改善の糸口が見えてきます。
そして何より、最後に大切なのは「完了報告」の際のリアクションです。部下が期日までにそれなりの内容を提出した場合、喜びを大きく表現してください。
すごい!!
素敵!!
素晴らしい!!
天才!
最高!
いいね〜!
これは思いつかなかったなぁ!
才能あるんじゃない!?
部下は上司の喜ぶことをがんばります。
そんなに単純じゃないでしょ。と思うかもしれません。確かにそれだけではないかもしれません。
しかし。とても重要な要素です。
言ってもやらない問題を、解決できるのはあなたしかいません。
あらゆる考察をして行動を変えていきましょう。
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