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かわいい父と激しい母と私の介護日記(3)

バルーンカテーテル

入院後は順調に治療がすすみ、無事退院にむけて母はドクターと面談をした。
仕事が終わって帰宅した私に、母は「おしっこが出るように、カテーテルを入れたまま退院だって。」と言った。
私はショックでぼうぜんとする。

初めてバルーンを付けている人を見たのは、老人ホームの事務員で入職した時だ。 とてもショックだった。排泄物は個室で処理するもの、という概念がひっくり返る。 自分だったらどうする?移動する時も排泄物を持ち、食事の時も側にある。バルーンは袋で隠せるけど、カテーテルは見えているから尿が出ると見える。 美意識とか恥ずかしいとかもっと上、人間としての尊厳まで考えた。 私が出会った方たち、この選択で良かったのかな?受け入れるまで、つらかったかな? そんなこと、聞けないけど何度も考えた。 でも、そのうち私も徐々にバルーンに見慣れて、全く違和感なく見れるようになった。

でも父がバルーンを付けて帰って来る。外食とか行ける?私は見慣れてるから大丈夫だけど、他のお客さんは不快に思うかな?心ない人に、あからさまにイヤな顔されて、父が傷ついたらどうしよう。もう病院以外は、外出は嫌がるかもしれない。バルーン付けていても、堂々と歩ける世の中になればいいのに。

ところが退院してきた父は、バルーンもカテーテルも見当たらない。
母が「今は下着の中に入るのがあるんだって。」と笑って言った。
なぁんだ、良かった!

でも、この後導尿カテーテルの大変さを思い知る・・・。



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