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かわいい父と激しい母と私の介護日記(13)

緊急退院?

介護の認定調査で、現状の父の様子が少し分かった。心配していた歩行は以前より落ちているが、歩けること。せん妄がまだあること。せん妄は、退院すればなくなるはず。

もう1つ、大きな変化は尿道に入っていたカテーテルが取れたこと。入院中にカテーテルが詰まってしまい、外したところ自尿が出でいるので、そのまま様子を見ているそうだ。

これなら、父はこれまで通り家で暮らせる。
と、思っていたら土曜日の仕事中、職場の電話が鳴った。

偶然私が出ると母だった。イヤな予感。
普段、職場に電話が来ることはない。
「どうしたの?」
「お父さん今日外泊許可が出て、家に帰っていいって病院から電話があったの。本人が病院に戻らないって言ったら、そのまま退院でいいって。これから迎えに行ってくる。」と母。
「えっ?待ってよ。今度は私が迎えに行くから、ちょっと仕事終わるまで待ってよ。」
同じ過ちを繰り返したくない。今度こそ、父を家に連れて帰らなきゃ。幸い今日は土曜日だから、早く帰れる。

同僚は電話の様子で「早退して、すぐ帰って!」と言ってくれるが、急なので彼女が1人になってしまう。
「大丈夫。でも、定時で帰らせて。」と15:30に職場から直接病院に迎えに行かせてもらうことになった。

病院に着くと、母が先に着いていた。
2人で病室へ向かう。
「家に帰るって、大騒ぎしたみたい。看護師さんも困って看れないんだよ。」と母。
「ワガママだねぇ。」
「朝から何回もお父さんから電話があって、看護師さんから治療はないって言われて、土日はリハビリもないから、もう帰らせてって言っててね。まぁ気持ちはわかるけど。」と、母は困惑気味だ。

病室に行くと、ご機嫌な父が「強行突破した!」と嬉しそうに待っていた。

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