かわいい父と激しい母と私の介護日記(14)
父の入院生活
父を迎えに行った病室で、私と母はナースさん達に「ご迷惑をお掛けしてすみません。」とお詫びする。
「最初は私もぶたれまして。」とナースさん。やっぱり父は暴れたんだ。本当に申し訳ない。
すると母が、「私が言うのも何ですが、普段は穏やかで、私に手を挙げたことないんですよ。」と言った。父のことをかばうみたいに。母には言えないけど、ちょっと泣けた。
「そうですね。今は穏やかに楽しくお話してくれますよ。」とナースさんも慌てて付け加える。
皆さんにお礼して、病院を出る。
あくまでも外泊なので、退院手続きは後日とのこと。父を車椅子で駐車場に連れて行く。
車椅子から、私の車へと立ち上がって移動出来た。
問題はここから。
第1関門。父が車酔いせずに、自宅へ到着する。前回は車から降りたとたん、動けなくなって、救急車搬送だった。
ご機嫌な父と反対に、私の緊張感が高まる。
とにかく、ゆっくり。急発進、急ブレーキに最大限注意する!と心の中でつぶやく。
同時に父が酔わないように、父に話を振って気持ちを紛らわす作戦。
「入院どうだった?リハビリ頑張ったね。」
すると父は、たくさん話始めた。わずか10分くらいの道のりで、父のまさに闘病生活が語られた。かわいいけど、ワガママで自己主張の強い父。つらかった様子がよくわかった。
そして、得意の自己主張の強さと人懐っこさで自由になったようだった。
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