かわいい父と激しい母と私の介護日記(30)
ケア会議にて
父は毎日ベッドで過ごしている。テレビで野球や相撲を見る他は、退屈そうにしている。
そんな中、父の介護スタッフの方達より意見を頂いた、ケア会議が行われた。
今後の方向性を決める会議だ。
それぞれの思いを出し合う。
父→歩ける様になりたい。施設に行きたい訳ではないが、皆に迷惑かけたくないので、何でも挑戦したい。
母→歩ける様になって欲しいが、無理なら環境を変えてあげたい。時々ショートスティやデイサービスを利用して、楽しく過ごして欲しい。本人が気に入れば施設入居も良いと思っている。
私→本人の希望は歩く事なので、施設よりも老健で1ヶ月リハビリをして欲しい。私も退職して介護するので、歩けなくても退院したら自宅で介護する。デイサービスに通えないのなら、ショートスティを時々入れて、外に出る機会を作ってあげたい。
これに対して、ケアマネの意見。
まず、デイサービスやショートスティは、近隣に2階への送迎をしてくれる所がないので難しい。老健も車椅子に座れないと送迎が難しいとのこと。
でも、なんとかベッドから出してあげたい。父は外で動きたいのだ。動けないのは地獄と言う。
そして、ケアマネさんの意見としては、まず車椅子に乗れるようになること。
そして、家の中を移動出来るようになれば、少し世界が広がる。
また車椅子なら人員が揃えば、階段も降ろせるとの事。
そこで、身近な1番取り掛かりやすい、車椅子に乗るという目標が出来た。リハビリの先生と相談して、ベッドから車椅子へ移乗するために、つかまり立ちが出来るように頑張ることになった。
会議の後、この日都合で来られなかった看護チームから連絡が来た。ケアマネから報告が来たそうだ。
次回の訪問日に、さっそく歩行器を持って来て、立ち上がれるか様子を見てくれると言う。他にも父が外に出れるように考えてくれると言ってくれる。
本当に嬉しい。いろいろな人が助けてくれる。父は車椅子に乗れるかもしれない。
でも数日後、父は久しぶりに発熱。
尿も濁っている。せっかく持ってきてもらった歩行器も、一緒に持ってきてくれたゲームも使えず、ただダルそうに寝てばかりで終わってしまった。
そして、レベルはさらに落ちていく。
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