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かわいい父と激しい母と私の介護日記(16)

家に帰ってきた!

病院から10分くらいで、家に着いた。
家の横に車を付ける。
先に到着していた母が、車のドアを開ける。
父がなんとか車から降りた。前回はそのまま脱力して動けなくなったんだ。

緊張の一瞬・・・大丈夫そうだ。父は立っている。

続いて第2関門。
我が家は集合住宅で2階なのだ。
階段を上らないと家に帰れない。
すると、隣のおじさんが声が聞こえたのか、出て来てくれた。
待機していた私の主人と、隣のおじさんが父の両脇に着く。私は父の後ろへ。母は2階へ玄関のドアを開けて待機。

みんな緊張している。「ゆっくり上ろうね」
と父に声をかけて、まず1段。
上れた!そのままゆっくり上っていく。後ろで支えてる私は、ほとんど力を入れてなくても大丈夫だ。
後半は、疲れ気味で足が上がらなくなってきた。焦る両脇の男性陣。スピードアップで父を抱えるようにして玄関に到着した。

やった!家に帰れた!
「テレビの部屋行く・・・やっぱりちょっと休む。」と父。そのまま寝室に歩いて行き、ベッドに横になった。

みんなの緊張感が解ける。隣のおじさんにお礼して、私と主人も自宅に戻った。しばらくして、父の様子を見に行った。
リビングで母とテレビを見ていた。
「どら焼き食べたの?」と聞くと「とっくに食べたよ。」と母。
すごく幸せな光景だった。

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