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鰹のなまぶしのトマトソースパスタ


先輩諸氏から教わったレシピに勇気づけられ、買っちゃいました!
向井商店さんの鰹焼節

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マヨネーズ嫌いの私でも、サラダのバリエーションはいろいろある。
梅シソトマトのサラダに、蒸したしめじの温サラダ。
そうした時、刻んでポロポロにしたなまぶしを和えると、美味しい野菜に香ばしい風味が加わって、サラダがグレードアップした気分になる。
(なるほど~、これがなまぶしの楽しみ方なのね)
そう思っていた、昨日までは……

今だから、言っちゃいましょう。
なまぶしの真価、それは、トマトソースパスタで明らかになったのだ!!

最後のひとかけは、トマトソースのパスタに使おうと決めていた。
ツナのトマトパスタのように、味がイメージしやすかったからだろうか。
この間、トマトを箱買いしちゃった時に、ソースも作っておいたし。
スパゲッティをぱぱっと茹でて、残り野菜と生節を炒めて、ソースと絡めるだけ。
簡単かつ美味、最高の夕食になるに違いない。

ほくほくしながら、冷蔵庫の在庫を探る。
だいぶ前に買った、しなしなのキャベツ。
半分だけ残ってた玉ねぎ。
雨宿りさんのにんにくもあるし。
十津川へのドライブで買ってきた巨大しめじも残ってる。
キッチンの窓辺には、コップに挿したパセリ。
乾燥しかかっているパセリの葉を見て、ちょっと後悔。
こんなになるまで、ほったらかしてごめんね。
今日のパスタで、みんな使い切らせてもらおう。

お鍋でスパゲッティ用のお湯を沸かす間に、野菜と生節をざくざく切る。
茹で時間は7分、パスタ投入前に、先にソースをやっちゃいますか。
少し温めたフライパンにオリーブオイルを入れて、にんにくを炒める。
立ちのぼる香りに、期待とちょっぴりの不安。
(にんにくの匂いに、生節が負けてしまったりしないかしら?
 にんにく無しで、トマトソースだけの方が良かったかな……?)
でも、やっちゃったものはしょうがないので、そのまま玉ねぎとキャベツを加える。
少し塩を振って下味をつけたところへ、生節を加えて混ぜていく。
そして、作り置きのトマトソースをどば~っと入れて、へらでひと回し。
具材とトマトソースが馴染むまで、蓋をして弱火でこのまま少し置きますか。

隣でふつふつと湧いてきたお湯に、塩を二さじとオリーブオイル。
そこへ、お待たせしていたスパゲッティをざっと入れて、鍋の上に出ている先っぽを水の方へと押し込んでいく。
沸騰でぽこぽこと湧き立っていた泡が、瞬時におとなしくなってスパゲッティを受け容れる。
水と麦が互いの熱を伝えあっていく時間だ。
腕時計をちらりと見て、引き上げの目安時間を確認したら、再びソースのフライパンへ。
蓋を開けると、蒸気がほわっと漂って、蓋からしずくがぽたぽたと落ちる。
(おっと、トマトソースの水分が飛んじゃってるかな?)
覗いてみると、心配したほどカラカラではなくて、ほっとする。
へらについたソースをふーふーして指ですくって、ぺろりと味見。
お!カツオの風味がトマトソースと一体になってる感じ!
にんにくに負けちゃうなんて、まったく無用の心配だった。
最後の具材、しめじを手で裂きながら加えて、塩と酒を振ったところで。
(ここで、例のもの、ですよね)
スパゲッティが躍る隣の鍋から、茹で汁をすくっておたまで2杯。
これでパスタとソースの味馴染みが良くなるはずなのだ。
全体を混ぜて、もう一度ぺろりと味見、自分好みの塩加減まで味を足して、蓋をしてしめじが蒸しあがるのを待つ。

パセリを刻んで、隣を見てみると、スパゲッティの方は、そろそろ良さそうな気配。
時間よりもやや早めに引き上げて、ソースのフライパンへお迎えする。
さっき加えた茹で汁が、トマト色と混ざってオレンジに輝いてるみたい。
つるりっと滑り込んだスパゲッティを、このソースに混ぜ込んでいく。
手際が良くない自覚があるので、ここで時間がかかる分だけ、規定の茹で時間よりも早めに引き上げておくというわけなのだ。
だいたい馴染んだら、火を止めて盛り付け。
お店みたいに綺麗にはできないけど、パセリをかけるだけで、ぐっと見栄えがする。

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できたぞ~。
「いただきまーす!」

フォークにくるりとパスタを巻き付けてひと口。
うん、焼いた鰹の香ばしさとトマトソース、やっぱりスパゲッティにぴったりだった。
ちょっと辛みを足してもいいか。
でも、待てよ?
辛みといえば、今マイブームのあの方。
アレを投入すると、もっとおいしくなるんじゃないの?
と、取り出したのがこちら。

この極上七味は、新宮の柿の葉寿司屋さんに教えてもらったのだ。
ご主人いわく「この七味で、コンビニのお漬物が京都の老舗の味に早変わり」とのこと。
私の知る、普通の七味よりも、山椒の風味が利かせてある。
これをかけると、どうなるだろう?

パスタの上へ、赤い唐辛子や黒ゴマ、深緑色の何かが散っていく。
さて、行ってみようか。
再びフォークを差し入れて、パスタを巻き込んでいく。
口元に近づけた時点でもう、くだんの山椒のいい香り。
口の中へ運ぶと、これがまあ!
トマトと焼き鰹と山椒のコラボは、予想以上に素敵だった。
(和?洋?いや、もうどちらでもない。しかし、美味!)
なんかすごいものを発見してしまった気がして、無我夢中で食らいつく。
さっきまでは、それでもトマトの風味が勝って「アレンジされたイタリアン」という感じだった。
それが、バランス一変。和のトマトソースとでもいうのだろうか?
香ばしい鰹と山椒の効いた七味のおかげで、トマトの味は依然としてしっかりありながら、和と洋のバランスが取れて、どちらの良さもより引き立つ感じ。
融合とか調和というのは、このバランスのことを言うのではないかしら。

と、後から書いている今では、そんな言葉が出てくるけれど、食べてる最中は、そんな小難しいことを考えていたわけもなく。
ただただ「なにこれ、おいしー!!」とがっついていたのでした。

ああ、今日も新しい扉をひらいちゃったぞ~。
これも皆さまのおかげです。
生節レシピを教えてくれた友だち。
素敵な香ばしい焼き具合の生節を製造される向井商店さん。
極上七味を教えてくれた新宮の柿の葉寿司屋さん。
私の大好きな山椒の効いた、極上七味のやまつ辻田さん。
皆さまからの粋のこもった賜りものの数々を、今日もおしいく頂戴いたしました。
この幸せが、みなさまにも届きますように。
「ごちそうさまでした!」

◆今回の食材:向井商店さんの鰹焼節
鰹をボイルし、骨抜きを丁寧におこない、薪で焼き上げた鰹生節は、ひとつひとつ手作業で作られているそうです。

オンラインでも買えます!

https://item.rakuten.co.jp/mizutanisuisan/001-062/





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