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広島大学大学院国際協力研究科(IDEC)でPlanetary Healthを学ぶ留学生の皆さん

2024年11月4日、広島大学大学院国際協力研究科(IDEC)で、モハーチ・ゲルゲイ先生の教えるPlanetary Healthの授業の一貫で、留学生の皆さんがイニアビ農園にいらっしゃいました。

日本語を勉強中の皆さんなので、すべて英語で進行するプログラムでした。実はすべて英語でというのは初めてだったのですが、滞りなく行うことができ、イニアビ農園としてはまたひとつ可能性を広げてもらった1日となりました。

この日のスケジュール

(午前)
・自己紹介 〜わたしのフードメモリー〜
・講義:自然栽培ってなぁに?:生き物たちの共生の関係について
・畑の見学:菌、微生物、雑草、虫などの共生関係について解説
(ランチ)
安芸高田市地域おこし協力隊の中村さんがつくる「ジビエカレー」
(午後)
・共生を考える畑の作業
・振り返り/質疑応答

みんなといっしょにいたいのか、靴のそばから離れない茶茶丸。
午前中の講義の様子

まずは、自然栽培についての解説を行いました。皆さんとても熱心で、たくさんの質問をいただきました。

講義のあとは、畑の見学に。この季節は夏野菜の種取りに、冬野菜の管理に大忙しの季節ですが、畑にたくさん植わっていたので充実した見学タイムとなりました。特に、野菜の植え合わせによって害虫対策ができること、雑草の生え方によって植える作物を変えることなど、人間と人間以外の生き物たちがどのように関わり合って畑で共生しているのかについて関心を寄せてもらえたと思います。

留学生の皆さんにとっては、みたことない植物もいっぱいのようでした。また、
私達が知らない野菜の食べ方もたくさん教えてもらいました。

畑の見学でも、たくさんの質問やコメントが飛び交いました。
わいわいと見学。
1gの土にどのくらい生き物がいるのか?を考えているところ

畑の見学とあわせて、落ち葉たい肥をつくっている様子も紹介しました。主に冬場に発酵熱を利用して育苗するときに活躍している方法です。しっかり糸状菌をみることができるし、何より発酵熱を触って体験すると「本当に微生物ってこんなに活動しているんだ!」と実感することができます。

ランチは、安芸高田市の地域おこし協力隊で、ジビエ(主に鹿)の捨てられる部位などを使っておいしい食べ方を提案する中村さんにカレーをつくってもらいました。
鹿などによる獣害にはイニアビ農園も悩まされており、どのようにこの里山地域で生き物の命を尊重しながら生きていくのか。どのような循環が理想的なのか。また、留学生の皆さんの出身地では、ジビエというととても高級に扱われているのに
なぜ日本だともっと浸透しないのか?などについて意見を交わしました。

鹿を食べるのは初めて!という人がほとんど。おいしい!とおかわりもしていました。

中村さんの提供してくださったジビエカレーを実食!

お腹いっぱいになったあとは、作業の体験。今回は共生を考えるということで、耕作放棄地に防草シートがはられていたところをはがし、はびこっていたカヤの根っこを取り除いたエリアで作業しました。

酸素がない、水も届かない、日光も届かなくなってしまった土から畑の土へと変わっていくためには、たくさんの微生物の力を借りなくてはいけません。米ぬかやもみ殻をまいて冬越しの準備をしました。

たくさんの根っこにみなさんびっくり。

おわりの質疑応答では、気候変動への対策として自然栽培はどのような意義があるのか?や、食糧生産の方法としての農業として自然栽培にどのような可能性があるか、また、夏暑く雨もふらなくなってきた気候変動に、経営的にはどのように対応しているのか、などたくさんの質問を頂きました。とても充実したディスカッションで、わたしたちも留学生の皆さんから知見をわけていただきました。

集合写真!

おわりに

留学生の皆さんのさまざまなバックグラウンドから、新鮮な質問が多くてわたしたちがとても勉強になりました。またゆっくり泊まりに来たい!とも言ってもらえて嬉しかったです。今後も留学生の皆さんに向けた英語プログラムに力をいれたいと思います!

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