中小企業が効率化の末にたどり着いた一つのゴール 07 最終話
私がやった社内の断捨離 #5
サテライトオフィスという選択肢
M&Aを実施後、私の会社はグループ会社内のビルへ移転することになりました。
これまでご紹介したようなことを進めていたこともあり、引越し荷物は想像以上に少ないものでした。バックアップのために残していた一部の機器を除き、電話も複合機もサーバーもありませんでした。書類もほとんどがPDFファイルにされていましたので移動の必要すらありませんでした。グループの親会社はその徹底ぶりに驚いていました。
私の方はこうなるともう事務所すらいらないのではと考え始めていました。
3種の神器(ノートPC、iPhone、iPad)とクラウドサービスがあれば仕事は回ります。勤怠も会計もクラウドサービスなので特定の場所で行う必要はなくなりました。
一方で引越しをしたことで一部の社員は通勤時間が伸びることになりました。遠方から1時間半以上かけて通勤しているものも複数名いました。
そこでグループの親会社に提案し、サテライトオフィスのweworkを導入しました。
weworkは日本各地に30以上ある拠点(ワークスペース)のどこでも自由に使用することができます。導入後は社員は新宿や池袋などで集合し、仕事をすることで通勤時間を大幅に減らすことできました。
関西に出張した場合には、大阪などのワークスペースを使用できます。
早めに移動しweworkで作業したのち客先へ行くということも可能になりました。出張先でカフェを探し回る必要もありません。
weworkのワークスペースは例えるならスターバックスのような内装で、コーヒーや水、お茶が飲み放題という今では多くなってきたシェアラウンジのスタイルです。なんと夕方からはビールも無料で飲むことができます。
働く環境としては現代的で、これは人事採用面でも大きく貢献するものでした。
若い人はおしゃれな場所で、こうした働き方をしたいものだと思います。
そしてサテライトオフィスの導入は、私が自分の会社で行った最後の仕事になりました。
私がやってきたことは少し極端な例かもしれません。70年以上続く古い製造業がこんな働き方を提供できるとは私も思っていませんでした。事業は私の手を離れてしまいましたが、色々やって良かったと思えることは多かったのです。
全7回になりました。「中小企業が効率化の末にたどり着いた一つのゴール」はこれでおしまいです。お付き合いいただきましてありがとうございました。
中小企業の経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
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