発達障害の長男、幼稚園の運動会に最後まで参加できるか。心理学?を応用してみた。
この記事の前置きはこちらをご覧ください。
さて、長男の運動会、終わりました。
「無事に」なのかと言うと…。
実は何ヶ月も前から、長男の運動会に対するハードルを上げるという荒業を決行してました。
心理学でいうところの「ドア・イン・ザ・フェイス」ってやつです。
・目的より難しいお願いをする
・断られたら目的のお願いをする
・ハードルが下がり「それ位ならいいかな」と思わせる
こんな作戦です。
長男に何をお願いしたこと。一言。
「かけっこ、絶対一等賞とってね!」
これに対して、最初は
「・・・うん。」
といった具合です。
『運動会に参加したくない』と『かけっこ一等賞取る』は別の事と捉えてくれているようでした。
そして半年間、私は事あるごとに繰り返し言いました。
時には一緒に外を走り、腕を振る練習をしてみたり。
「一等賞はかっこいい」と言ってみたり。
これによって、長男の目的は
『運動会に参加する事』ではなく
『かけっこ一等賞取る事』と、
数歩先の目的へといつの間にかすり替わっていました。
幼稚園では運動会の一ヶ月前から練習を開始。
長男はある時こんな報告をしてくれました。
「おとうちゃん、今日かけっこ一等賞だったよ!」
私は確信しました。
長男はもはや運動会に参加する事には何も感じていない、かけっこが一等賞かどうか、それが目的になっているのだと。
しかしやはり長男は難しい子です。ある時『リレー』の練習をしていて、隣のクラスに負けてしまい、持っていたバトンを地面へ投げつけて泣いたそうです。
競技は違えど、走ることで負けたことが許せなかった(目的を果たせなかった)のでしょう。
「当日のかけっこ、一等賞取れなかったら暴れるかも・・・」
そんな不安も少しよぎりました。
そして当日。
いつもなら『取れたてのマグロ』のように暴れながら押さえつけて先生に託すところ、自分から走ってクラスの中に入っていきました。
「あいつ、ほんとうにうちの子か??」と目を疑う、そんな光景でした。
きっと9割以上のパパママには理解できない感覚だと思いますが。(笑)我が家にとっては特別な光景だったんです。
そして競技やお遊戯などを無事こなし、かけっこです。
わたくし父の目的もいつの間にか『かけっこ一等賞』になっており、一眼レフを構え、妻にビデオカメラを持たせ、その刹那を永遠にものにする準備を整えます。
「ピッ!」とスタートの笛の音。
と同時に「わっ、あいつフライングしやがった。」と妻。
しかし、幼稚園児にフライングのやり直しはありません。
でも二位と大差をつけての一等賞。文句なしです。
その後リレーはというと。転ぶ子がいるわスキップする子がいるわで、勝負事の感覚ではないんですね。そして、長男のクラスは負け。
でも長男は自分の番が終わったら自分の席に戻っており、結果を認識していない?可能性がありますが、まずはキレている様子はなく一安心。
たくさん褒めることができた、そしてとても成長を感じた一日でした。
長男は自閉症です。
自閉症の特徴『こだわり』。この『こだわり』を味方につけると強みになります。今回は、「走る」という行動に対して意図的に「こだわり」を持たせることができました。大きな成功事例です。
また、子供には大人に使えない簡単な心理学が活用できるということもわかりました。
ちょっとした攻略方法の糸口を掴んだ、そんな9月でござんした。
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