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いい人は損をする

この記事は

いい人病(著者・玉川真里)

の読書記録となります。


①優しい人は他者思考

他人第一主義、俗にいう利他主義を重んじる人がいい人病の罹患者です。
相手の心中を慮って行動を起こすというのは、それだけで大きな負担となります。

なぜいい人病の方々が年々増加傾向にあるかというと、社会が現在そのような風潮にあるからです。

会社は常によりよい成果を求めています。
それ故に、人材に高い理想を要求します。
この負の構造が、いい人病の罹患者を続々と生み出しているのです。

ピグマリオン効果という心理作用があるように、人間というのは期待されたら無理にでもそれに応えようとします。
だから仮に上司に叱責されたら、

自分はなんてダメなんだろう……

機嫌を損ねて申し訳ないな……

なにがいけなかったんだろう……

と知らず負のスパイラルに飲まれていき、次第には心に深い傷を負ってしまいます。
要するに、否はすべて自分にあると思い込んでしまい、結果、自らを破滅に追い込んでいくのです。


②自分思考を身につける

では、どうすればそんな負の循環から逃れられるのか。

そのためにはいい人をやめる必要があります。

いい人をやめると言っても、悪いことをしろと言っているわけではありません。
ただ、腹黒い思考をもつ自分を認めたりいけないことだと理解した上でずる休みをするだけです。
と言っても、そんなことできないという肩がほとんどでしょう。

それがいい人病のサインなんです。

熱は引いたけど、会社に行きたくないと思ったら、まだ微熱が……と嘘をついて会社を休んでもいいんです。

たまにはそんなボーナスがあってもいいと思いませんか?
ぼくはいいと思います。
頑張った人には、そうやって羽を伸ばす機会があってしかるべきだと思います。そうしないと、身体が悲鳴をあげてしまいますから。

しかし、毎度毎度ずる休みで解決とはいかないでしょう。

そこで閃きノートを提案します。

閃きノートとは、日々の不安や将来したいことの綴られたノートのことです。
要はToDOリスト兼愚痴のはけ口です。

こうやって書き出すだけでも、気持ちは随分と楽になるはずです。
ノートとペンがあれば誰でも簡単にできるので、ぜひおすすめしたいです。


③感想

この本を読んでて思ったのですが、このいい人病って病に明らかにぼくはかかってるんですよね。それも現在進行形で。
でも、長年の経験や環境が今の自分を作っている以上、そう簡単に人格は変えられません。きっと将来、人間関係の不和や軋轢に混迷して、その時初めて、この本の意味を理解するのでしょう。
この本は、まだ19歳のぼくには早すぎたかもしれません。

ですが、今からでも実践できそうなことは多くあります。
ノートに書き出して不安を解消するとか、我慢しすぎないとか、悩みは積極的に吐き出すとか、相手からの頼みごとに自分の利益を見出すとか。
それくらいなら、今のぼくでも充分にできるはずです。

……いい人病か。
いい人ほど損をしてしまうなんて、現実は残酷なものですね。


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