【りん食堂レシピ】ルーマニアのチョルバ(スープ)
自炊レシピ集「りん食堂シリーズ」(予定)の第一弾は、ルーマニアのチョルバ(スープ)です。チョルバといっても野菜のチョルバ、肉団子チョルバ、豆のチョルバと色々ありますが、今回のは、ネット上のレシピや記事を参考に、「野菜のチョルバ」としてルーマニアのレストランで出されていたものを目指したものです。
はじめに
材料の中で1つ、ルーマニア国外ではなかなか見かけないものがあるので、まずはそいつについて。
ルーマニアのチョルバには酸味があるのですが、それを出しているのがBorșというやつ。正体は、発酵した麦やパン。実際ルーマニアのスーパーの冷蔵コーナーでは、瓶に入ったコイツが佇んでいる。
そしてもちろん、インスタントBorșもある。粉末状で、ルーマニアのスーパーなら小さいところであってもちゃんと料理の素コーナーで売られている。
コイツを手に入れるのが、チョルバへの第一歩である。ルーマニア食品店なら絶対あるはず。東欧系スーパーも有力候補。生活圏にない人は、頑張ってネットで見つけてください。一袋でけっこう作れるので、割高でも頑張って手を伸ばして欲しい。ちなみにこれまでCu LegumeとOriginalを試しましたが、違いはよく分からない……。同時に食べ比べたらわかるかな……?
酢で代用するレシピもありましたが、色々がんばってもイマイチな仕上がりにしかなりませんでした。チョルバとは別物の酸っぱい系スープとして食べるならアリかもしれませんが……。
材料
*野菜の重さは剥いて切った後の量です。
・塩 少々
・こしょう 少々
・玉ねぎ 85g
・にんじん 85g
・トマト缶 200g(400g缶の半分)
これは日本でもドイツでも変わりないかと。以下、記事主の住んでるドイツと日本で微妙に違いがありそうなもの。
・サラダ油 スプーン3杯
この記事用の写真撮影時に使ったのは菜種油(Rapsöl)でしたが、ゴマ油やオリーブオイルのような香りの強いものでなければ、植物油ならひまわり油(Sonnenblumenöl)でもなんでも。ドイツのスプーンは日本のものよりちょっと大きめ。
・ネギ 玉ねぎ、にんじんと同じくらいの量
いわゆるリーキって呼ばれてるタイプの洋風なネギ。わりと日本のネギに近いと思う。
・セロリ 75g
根セロリ(Knollensellerie)。なければ根パセリ(Wurzelpetersilie)が第2希望。この記事の画像は半分ずつ使ってる。それもなかったらセロリ(あの緑のシャキシャキのヤツ)でもOK。
・(さや)いんげん 220g缶の半分
ドイツではGrüne Bohnenの名で売ってる豆。水切り重量220g(総量400g)の缶の半分。ググったところ、インゲンとかサヤインゲンが一番近いらしい。ややこしいなめんどくさいと思ったら、まあなくても大丈夫(その分、マッシュルームやジャガイモを入れるか、にんじんとセロリの量を増やしてください)。
・牛のブイヨン/コンソメ ティースプーン山盛り2杯
ブイヨンとコンソメの違いはよく分かりませんが、とりあえず洋風な出汁。牛がおススメ。野菜のチョルバも出汁にはお肉使ってるらしいし。
・Borș Magic まずはティースプーン1杯から
はい、コイツが決め手。
ちなみにスタンダードなレシピはジャガイモ入りのようです。ルーマニアのレストランで食べたチョルバも、(野菜のチョルバは多分全部)ジャガイモ入りでした。なので、入れたい人は入れてください(多分それが正統派)。ワシがイモを入れていない理由は、さもないと食卓がイモまみれになるから。あとはイモが入ってない方が、他の炭水化物とかに合わせやすいから。(納豆ご飯とウィンナーにチョルバとかやってます。)
いざ、調理
鍋を用意します。そんなに大きくなくても大丈夫。大体2Lくらいあれば多分大丈夫。
玉ねぎ、にんじん、ネギ、セロリを切ります。
セロリは平たく切るのがおススメ。食感が楽しめるから。
鍋にサラダ油を入れて、まずは玉ねぎとニンジンを炒める。
玉ねぎが色づいたら、軽く塩コショウをして、ネギとセロリを投下。
水を入れる。大体800ml。
強火にして沸騰させる。ぶわっとアクが出てきたら、一度中火にしてアクを取る。(さや)いんげんとトマト缶を入れる。アクを取りつつブクブク茹でる。ぶくぶくしなかったら火を強く。アクができったあたりで弱火にしてコトコトにギアチェンする。
ブイヨンとBorș Magicを入れる。味見して、必要に応じて塩コショウやBorș を追加。味が決まったら蓋をしてコトコトする。余熱で調理もあり。もちろんすぐ食べてもいいけれど、少し煮込んだ方が野菜の味わいが広がる気がします。
補足
Borș Magicはティースプーン1杯から味見しつつ、好みの量まで入れてください。いつも大体このレシピと同じくらいの分量で作ってますが、ワシは2杯。これはBorș Magicの袋に書いてる分量より少ないのですが、おそらくジャガイモが入ってないから少量でも酸味が効きやすいのかなと。あとは生トマトではなくトマト缶なので、トマトの酸味があるせいなのかなとか。
まとめ
Borș Magicの入手さえできれば、切って煮るだけでお口はルーマニアです。パンと一緒に食べたり、ルーマニア料理はもちろん、グレーチカ(蕎麦の実のカーシャ)やパスタ、他の洋食のお供にも。冷蔵庫で保管すれば3日くらいはいけます。