腸は第二ではなく「第一の脳」であるという考え方と根拠
あなたは、糖分たっぷりの脂っこいものを食べたいが、不健康な
食生活が健康に悪いことは頭でわかっていてもやめられないことは
ありませんか?
肥満や糖尿病、循環器疾患はもちろん、ガンのリスクや睡眠の
質を悪化させて心身に悪影響を及ぼすことがわかっていても
なぜ、キッパリとその食生活を切り替えることができないので
しょうか?
食欲を制御することは研究者の間でも非常にむずかしいと
いうことがわかっています。しかし、研究者の間では、進化の
過程で食習慣が変化すると、腸内環境のニーズがみたせなくなり、
腸内の微生物が自分たちの生き残りをかけて人間の振る舞いを
操るという理論を提唱するようになりました。
そのおかげで結果的に、当の人間は健康を損なうという代償を
払っているという考え方が出てきました。
つまり、それは決定権を持っているのは脳が先ではなく、
腸が「第一の脳」である可能性を示していると言えないで
しょうか?
人の身体に共生する微生物(マイクロバイオーム)同士の
熾烈な生存競争の中で、ヒト本人は、ほとんど意識していなく
ても、微生物は、食物の活用と免疫系の発達に重要な役割を持った
機能を果たしているのです。
極論すると人は、マイクロバイオームによって操作されている
のかもしれません。
マウスの実験では、人の行動とマイクロバイオームの構成が
関係していることがわかってきました。赤ちゃんがお腹を
空かせて泣き叫ぶのも細菌が「食べ物をよこせ!」と合図して
いるのかもしれません。大人でも空腹になると機嫌が悪く
なります。
また、迷走神経が摂食行動と体重を規制することは知られて
いますが、腸内の微生物が神経化学物質を使って迷走神経の
活動に影響し、その結果人は、食欲を抑えることができなく
なっていると言えます。
好ましくない腸内の微生物、いわゆる悪玉菌が優勢になると、
人は摂食行動をコントロールできなくなるのです。
よく、肥満は伝染する言われますが、腸内細菌によって人から
人へ移ることで、食習慣を変えてしまうことで起っている
現象のようです。
このようなことから、腸が脳に与える影響は腸脳相関という
考え方からすると腸が「第二の脳」というよりも「第一の脳」に
近いのかもしれません。
マイクロバイオームが宿主を制御すると言っても、我々は
それを自覚することはありません。人間は積極的に腸内の
微生物に働きかけて腸内環境、腸内フローラの多様性を維持
する必要があります。
しかし、内的要因ばかりではなく、外的な条件も除外する
ことができないのも事実です。
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