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#1 成長したいは、父への憧れだった。
高校を卒業するまで、僕にとって父は怖い存在でした。
父が家にいる休日はとても苦痛。
テレビのリモコンは父が握っていて、日曜日の朝に放送される仮面ライダーはいつも録画で見ていました。
中学生の時は、数学が苦手で手こずっていると、それを見て教えてくれました。
「なんでわからないんだ!」
「ここがこうなるから、ここは何になるんだよ!」と怒りながら。
大学受験で全ての志望校に受かったからなのか。
少しは大人になったからなのか。
長期休みの帰省期間にしか会わないからなのか。
大学生になってからは、怒られることはなくなった。
むしろ、熊さんみたいな優しい父に変わりました。
父は、大手百貨店に勤めています。
その中でも、主力の外商事業。
今の時代で、新卒から父のポジションに座ることは一生かけても叶わないと思います。
大学生になってはじめて、ようやく父の偉大さを知ることになります。
大学は家から離れていたので1人暮らしをしたのだが、アパートを借りる時に父の年収をはじめて知りました。
父の書斎にある経営、歴史、哲学、美術、小説、古典文学の本が並ぶ意味も理解できるようになりました。
教養の幅広さと、大量にインプットした痕跡。
その時に感じたのは、金額よりも、父親としての責任の重さと重圧でした。
あとで母から聞いた話ですが、僕が中学生の頃、何度も何度も昇級試験に落ちて、泣いていたそうです。
トラブルがあった部署の後処理を任せられた時もあった。
夜中に血だらけで帰宅し、玄関で吐いているところも見た。
体調を崩しながらも、会社に出勤する後ろ姿も。
商売人としての父。
家族の大黒柱としての父。
僕にとって、父は憧れであり、目標であり、超えるべき存在なんだ。
>>>次回に続く