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#9 ドイツ旅回想 ベルリン編
前回は、ライプツィヒでの出来事を綴りました!
今回は、ドイツの首都ベルリン編です。
ベルリンは、多様性社会の象徴だった
ベルリンは、文化が渾沌と混ざり合うドイツを象徴するような街でした。
ベルリンの壁を、芸術作品として後世に残しているイーストサイドギャラリー。
島に位置する5つのベルリン美術館。
開かれた政治を体現する連邦議会議事堂。
ドイツ統合の象徴であるブランデンブルク門。
ブランデンブルク門の前では、LGBTQフェスティバルが開催されていて、レインボーに身を纏った若者が集っていました。
広場には大麻の匂いも漂い、まさに自由だな(笑)と少しうらやましくも思いました。
ベルリンに滞在して感じたのは、ドイツ国家には「過去を受け止め、訂正する力」と「新しい多様な価値観を共に築く力」が根底にあるような気がします。
例えば、移民だろうとLGBTQだろうと、あからさまに肯定も否定もしない。ただ存在を見つめて、これからどう社会に組み込んでいくか考える。そんな気配を感じるのです。実際、ドイツ国民全員が寛容な姿勢であるわけではありません。しかし、決して少数派だからといって排除することはおこなわない、そんな戦後ドイツの復興と再建における意識が反映されていると思いました。
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日本はどう見られているのか?
「三島由紀夫は天才であり、ナイスガイだ。」
「日本の地下鉄はたった1分も遅れない。ドイツ鉄道はいつも遅刻してるぜ。」
「私の母国オーストラリアは、何もない。日本のように長い歴史の中で自然と文化がある国をうらやましく思う。」
「大谷翔平やばいな!彼は大スターだぜ!」
旅で出会った人たちから、日本について褒められたこと。
いったい僕たち日本人のどのくらいの人が
三島由紀夫を読んだことがあるのだろうか?
日本の地下鉄は世界トップクラスだと知っているのだろうか?
誇り高き自然と文化と歴史を理解しているのだろうか?
隣の芝は青く見える。
海外で働いた方がお金を稼げるのかもしれない。
たしかにヨーロッパやアメリカはキラキラしているように見える。
テレビをつけたら、増税だの、社会保障だの、闇バイトだの暗い話題で持ちきりだ。
でも、大丈夫。
僕たちには、ちゃんと誇るべき自然と文化がある。
約2700年にわたり、皇統で王権(王朝)をつないできた日本は、世界唯一の単一王朝国家だといわれることもある。
オーストラリアの人から見れば、長い歴史に支えられた国家と民族がうらやましいのだ。
日本人が気づかず、海外の人が目を光らせている資源はそこら中にある。
僕は今日も、日本を学ぶ。
>>>次回へ続く