鮮やかな朝焼けの映える朝、突然あいつの追撃が止まった
1987年のPCゲーム『イース』でラスボスを倒したあとに読めるメッセージの一文。ストーリーは正直よく覚えていないが、詩的で美しいこのフレーズは強く印象に残っている。
かなり古いゲームなので当然エンディングにムービーが流れたりはしない。最終ダンジョンであるダームの塔が朝日に照らされて浮かび上がるシルエットを背景にエピローグが語られるシンプルなものだったと思う。
朝焼けと追撃の対比に妙がある。主人公がボスを倒したおかげで魔物がいなくなったことを暗示していて、大きな脅威がついに去ったこと、そして平穏な日々が始まることを予感させる。静と動。明けない夜はない。
エンディングに流れる曲「THE MORNING GROW」もよくマッチしていて心に染みる。
こうして物語は続編の『イースⅡ』に繋がるのだと思っていたら、本当は2作品に分割される想定ではなかったらしい。容量の都合で序盤のストーリーに急遽ダームの塔を追加したのが結果的に『イースⅠ』になったとのこと。
この辺の裏話はPCエンジン版の移植に携わった岩崎啓眞さんのブログに詳しい。
容量不足でなかったらこのエンディングは存在しなかったことになる。偶然に感謝しながら裏話の続きを読ませてもらおう。