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赤ちゃんはどこから来るの

↑「知りたい」がテーマで前回の続き

わからないことは聞いてみる。そうやって知見が共有され、人類は発展してきた。とかく子供は「なんで?どうして?」と大人を質問攻めにするが、知ってどうなるわけでもないのに知識を欲するのは人間の本質なのだろう。

それはときに大人を困らせる。とりわけ性に関する質問は難しい。身体の成長を待たねば理解しにくい部分があり、成長しても個人は片方の機能しか持ち得ない。下手な説明で異性に無遠慮な関心が向かうのは危うい。

で、苦肉の策でコウノトリが運んでくるとか言い出す。唐突なファンタジー展開で何度聞いても笑ってしまうが、逆に信憑性のある設定だとかえって混乱するからという配慮なのかもしれない。

とはいえ嘘は嘘だ。息を吐くように嘘をつける人でないかぎり多少の罪悪感は伴う。子供に悪意はなくてもその質問によって嘘をつかされた格好になる。無邪気な好奇心が疎ましくさえ思える。

僕も小さい頃、親に同じ質問をぶつけて微妙な反応をされた経験がある。その表情を見て自分が親を困らせてしまったことに罪悪感を抱いた。

性知識に限らず、世の中には聞いてはいけないことがある。それは波風の立たない人間関係に一役買ったが、好奇心に枷をはめたことで何かを失った気がする。

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