親しみやすさを意識してPV数が150倍にアップ! 第11回Webグランプリ「企業BtoCサイト賞」を受賞したBOTANISTのサステナビリティサイト【前編】
ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST(ボタニスト)」が運営する、サステナブル活動に関して発信するウェブサイト「BOTANISTのサステナビリティ| FOR A SUSTAINABLE FUTURE」が、第11回Webグランプリにて、企業グランプリ部門「企業BtoCサイト賞」のグランプリを受賞しました。今回は、BOTANISTがサイトを通じて届けたい、サステナビリティに関する考えや、企画・制作にかけた想いを紹介します。
数々のウェブサイトから選ばれる「Webグランプリ」とは
公益社団法人日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構が主催する「Webグランプリ」は、ウェブサイトの健全な発展をめざすとともに、【ウェブ関係者のウェブ関係者によるウェブ関係者のための賞】として優れた功績を残した企業及び人物を顕彰し、その労と成果を讃えることを趣旨としています。
表彰部門は大きく2つ「Web人部門」と「企業グランプリ部門」に分かれており「企業グランプリ部門」では企業にスポットを当て、2023年は企業61社、70サイトが参加しています。
「Webグランプリ」公式サイト
参加企業と公募から選出された計237人の審査委員による審査を経て、BOTANISTが運営するサステナブル活動に関して発信する本サイトが企業BtoCサイト賞のグランプリに選出されました。
審査員の方々には、絵本風のデザインが視覚的に楽しく、サステナビリティへの取り組みがストーリー性とともに伝わった点や、イラストやカラーリング、フォントまで細部にこだわり、一貫性のあるデザインがユーザーを引き込んだ点、明確なコンセプトや取り組みにより、親しみやすさと誠実さを感じさせた点などを評価いただきました。
実は、BOTANISTでは、もともと、サステナビリティの取り組みを紹介するページを設けていましたが、今回受賞したサイトは、構成やデザインを大きく刷新し、2023年にリニューアルしたものです。以前のサイトと比較すると、サイトのPV数は150倍以上も伸長しました。
また、2月に行われたセミナー「Webグランプリフォーラム」 では、サイトの企画担当とアートディレクション・デザイン担当の井上敦喜さんと井組舜介さんの2名が登壇し、企画立案の経緯や目的、制作における考慮点やユニークなポイントについてお伝えさせていただきました。今回は、その時にもお話しさせていただいた内容の一部をご紹介します。
サステナビリティに特化したサイトをつくる理由
そもそも、なぜ、サステナビリティに特化したサイトをつくることになったのか? そのきっかけをご紹介させてください。
2015年に誕生した 「BOTANIST」は、当初から、「植物と共に生きる ボタニカルライフスタイル」を提案してきました。
また、ブランドコンセプトとしても、植物との関わりを打ち出しているブランドです。
こうしたブランド誕生当初からの想いに基づき、BOTANISTの森*での森林保全活動や、桜の樹勢回復、人と植物がいつまでも共に生きられる地球環境を保全及び創造することをめざす「BOTANIST財団」の設立など、自然環境へのアクションを行ってきました。
<BOTANISTのサステナビリティに関する取り組み(一部抜粋)>
・BOTANISTの森*
森林保全団体more treesを通じて、2017年より売上の一部を森林再生のために活用しています。2021年より北海道美幌町で「BOTANISTの森」づくりを始動し、伐採跡地に複数樹種の植林を行い、多様性のある森に戻すための活動を行っています。
・桜の樹勢回復
2022年春より、ソメイヨシノを後世に残すため、ボタニカルスプリングシリーズの売り上げの一部を「(公財)日本さくらの会」を通じて寄付し、樹勢回復などの保全活動を支援しています。
・CHARGING SPOT BOTANIST 〜植物発電〜
未来の再生可能エネルギーとして開発された「植物発電」を体験できる日本で初めてのオフラインイベントを開催しました。
・SAVE THE FLOWER
新型コロナウイルスの影響により、大量に生まれてしまうロスフラワーを削減するために、【SAVE THE FLOWERS】#共に生きる_BOTANISTキャンペーンを実施し、廃棄予定の花を無料配布しました。
・環境に配慮したバイオマス容器
石油由来のプラスチックに代わって、環境負担の少ないサトウキビの搾汁から砂糖を精製した搾りかすを原料とするバイオエタノールを一部に使った、バイオマスプラスチックを採用しています。
こうした取り組みを、より多くの方に知ってもらうためには、サステナブルによりフォーカスしたサイトが必要だと考えました。本サイトの制作前までは、BOTANISTの取り組みを深く理解できる場所がなく、ブランドサイトや特設サイト、オウンドメディアなどにサステナブルな情報が分散している状況でした。サステナブルな取り組みについて、一定の情報はあるものの、サステナブルなイメージの醸成は進んでいませんでした。
商品そのものだけではなく、ブランドの考えや想いについても、より深く理解してもらう。そして、一緒にサステナブルに対する想いを共有しながら、BOTANISTをもっと好きになってもらうことができればと考え、サイトの制作に至りました。
* ボタニストの森は、一般社団法人ボタニスト財団の活動です。
サステナブルな活動を身近に感じるサイト構成
このサイトが立ち上がる前から、BOTANISTでは地球環境を考える取り組みを行ってきました。しかし、そういった活動は、BOTANISTをご愛用いただいているお客様の間でも、まだまだ知られていないのが現実でした。
BOTANISTの活動に限らず、サステナブルな活動が多くの人に広がっていくことは、地球環境にとってもポジティブで、まさにI-neのミッションとしても掲げている「Chain of Happiness(幸せの連鎖)」を広げていくことにつながります。
そこで、このサイトをつくる上でも、BOTANISTの活動を通じて、サステナビリティをより身近に感じてもらうことを大事にしました。堅苦しいイメージを持つ人もいる、「サステナビリティ」に対して、まずは興味を持ってもらえるサイトの「構成面」と、 お客様(BOSS)が親しみを持って読み進めてもらえる「デザイン面」の2つの軸でクオリティ高く制作することを心がけました。
まずは、構成面で意識したことをご紹介します。意識したのは、独自性・信頼感・自分ごと化の3つです。
1.独自性
1つ目の独自性については、ブランドコンセプトにもある、植物と深く関わり続けているブランドをということを強く打ち出すことで、「BOTANISTだからこそ、できること」という差別化を図りました。
たとえば、「ボタニストの自然環境保護」というページでは、「BOTANISTの森」についての概要や活動報告、さらに、実際に社員が森を訪れ、現地の方々と行った取り組みの動画などを入れ込みました。ほかにも、ボタニカルスプリングシリーズ(2024年からは「フレグランスコレクション」)のキー成分にサクラの成分を用いていたことから始まった「桜の樹勢回復」の活動についても紹介することで、自然環境とボタニストの繋がりを深められるように心がけました。
2.信頼感
2つ目の信頼感の形成については、これまでBOTANISTが行ってきたサステナブルな取り組みやブランドが掲げるマニフェストを構成に入れ込むことで、自然環境に真摯に向き合うブランドであるということを発信しました。
「ボタニストのSDGs 宣言」というページでは、ボタニストが力を入れている SDGsの、「12.つくる責任 つかう責任」、「13.気候変動に具体的な対策を」、「15.陸の豊かさも守ろう」の3つの項目に対してのBOTANISTのアクションを、年表形式で入れ込みました。
これまでの実績だけでなく、今後取り組む予定の内容も表明することで、SDGsに対して真剣に取り組むブランドとして、信頼感を持ってもらえるよう努めました。
3.自分ごと化
3つ目は自分ごと化です。「サステナブル」というワードを聞くと、「意識が高い」「難しそう」というイメージがまだまだあると思います。「BOTANISTはこんなことに取り組んでいます」「こんなことやっていく予定です」「みんなもやりましょう!」と一方的に発信するのではなく、「小さな一歩で未来は変わるかもしれない」「手を取り合って、一緒に歩き出そう。一人では踏み出せない一歩も、誰かといっしょなら踏み出せるかも」など、一緒に少しずつ取り組んでいくもの、できることから始めればいい、ということが伝わるよう、コピーやテキストのライティングも意識しました。
このように、独自性・信頼感・自分ごと化の3つを意識して、サイトの構成を考えていきました。
次回は、この構成に基づいて、実際のデザインなどに落とし込む「制作」についてをご紹介します。
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