各ステークホルダーとの橋渡し人材になりたい -AI・データサイエンスの講師から転職した事業開発リーダー大庭の冷静さと適応力ー 【メンバーインタビュー#9】
皆様こんにちは。note 担当の安井です。
今回は事業開発チームに2023年3月に入社した大庭に、これまでの経験や株式会社 INDUSTRIAL-X(以下IX)へ参画の理由などを聞いてきました。
1.学生時代に注力してきたこと
大学時代にAIESEC(アイセック/ 国際的な学生NPO団体)に所属して活動したことです。3回生の時から代表を務め、最後の1年は大学を休学し、NPOの活動でフィリピンにインターンシップに行きました。
当時のフィリピンは若い層の人口の増加に伴い、先生の数が足りていないという現状がありました。そこでNPO活動として、学校へパソコンとビデオ学習教材を届け、子供たちに向けて環境問題の学習や手洗いなどの生活習慣の啓蒙活動を支援しました。
――フィリピンでの経験
フィリピンで過ごした約6ヵ月間はまさにカルチャーショックの連続でした。
例えば、フィリピンはキリスト教徒が多い国なので、どんなに満員電車に乗車していても、キリスト像が見えるとお祈りをかかさない事、後から女性や子供が乗車してきたら必ず席を譲る事が当たり前の文化で初めは驚きました。
しかし、こういった文化の違いに気づけたことも大きな経験ですし、3ヵ月ほど滞在すると現地の振る舞いにも順応していける事がわかりました。
また、最も印象的だったバスでのエピソードがあります。
通勤バスに乗車していた際に、2つの家族が乗車していたのですが、一方は身なりも綺麗で小さい赤ちゃんの遊び道具として硬貨を渡して遊ばせている家族。もう一方はみすぼらしい服装の小さい2人の兄弟で、乗客一人一人に物乞いをする家族。
この2つの家族のギャップに大きな衝撃を受けて、いつかこのような経済格差をなくし救える人になりたい、そう強く感じた出来事でした。
これは今のIXのビジョンであるDXの民主化にも本質的な部分が似ていると感じ、もっと力をつけて実現に近づいていきたいです。
はじめは友人を増やしたいという想いからAIESECへの入会を決めましたが、代表として皆を統率する経験や海外ボランティアを通じて得た知識や想いは今でも自分の財産です。
2.今までどんな仕事に携わってきましたか
大学卒業後は、成長企業でチャレンジしたいという想いもあり、当時ベンチャー企業で急成長をしていた株式会社SHIFTに入社しました。
ソフトウェアテストをメイン事業としておこなうSHIFTで、入社後すぐに一番売り上げの大きいメインの部署に配属され、基幹システムの品質保証を行いました。
メイン顧客の案件が急激に減るとともに、部署のメンバーも減って、ヤバいヤバいと焦ったり…でも、頑張って巻き返したり。会社の規模が急拡大していく時期でした。
会社が大きくなるにつれ、人も増えていき、メンバーの顔と名前が一致しないとか、入社するメンバーの経歴の変化とか…ベンチャーの成長期に起こりがちなことを沢山経験させてもらいました(笑)
2年半ほどテストやその上流工程に携わった後、AI・先端技術の教育を提供する企業に転職しました。
――AI・先端技術の教育企業での経験
入社当時、機械学習の教育で売り上げが立っていた会社でした。
そんな中、新規事業として、プロジェクトの進行に関わる細々とした業務やバックオフィス業務を行う広義の社内PMO業務を標準化してビジネスすることになり、その立ち上げを目指して入社しました。
入社してすぐの頃は、上記の業務を請け負っていましたが、徐々に機械学習やデータサイエンスの研修企画、講師と幅を広げていきました。
――講師としてのステップ
自分は大学も文系なので、入社当初はAIの知識が全くなく、文字通りゼロからのスタートでしたが、2ヶ月間の研修の中でひたすら勉強に打ち込みました。研修のゴールは、一番の目玉となる講義に登壇できるようになることでした。
内容としては、8時間×3日間のカリキュラムで、ディープラーニング(深層学習)を数学の基礎から機械学習の実装までできるようになるという、エンジニアの初学者向けの講義でした。
この講義を講師として登壇できるようになるには、数学の知識、AIの知識、プログラミングの知識など、初めて学ぶことも多く、かなりしんどい思いもたくさんしました。
またこの講義ができるようになってからも、この他に多数のカリキュラムのラインナップがあったので、勉強の日々が続きました。
毎日が勉強漬けの中でも心折れずに頑張れたのは、インプット・アウトプットが活発で、学びの速度が速く成長できる環境や、わからないことや困ったことをすぐに聞ける先輩や仲間の存在があったからこそです。
1日を通して、講義を行いながら営業や資料作りをするため、1日があっという間に過ぎていきました。
――講師をする上で心がけていた事
まずは相手がいるということを常に意識して、
・受講者のレベル感によっては厳密さよりわかりやすさを意識すること
・ストーリーを意識して話を組み立てていくこと
・質問の答え方や話のテンポ
・飽きないような間の取り方
・人として好かれ、また受講生のことも好きになること
講師は「人柄」「知識」の二軸で評価されます。
そのため、自分自身に興味をもってもらうために、相手にも興味をもつこと。常に質の良い学びを得られることに感謝し、インプット・アウトプットを欠かさないこと。
これらを意識して、講師として励んでおりました。
この企業で3年半経験した後、およそ8年ぶりにフィリピンを訪れました。
それは以前訪問した時と、明らかに空気も人も変わっていて、豊かになりつつある街がそこにはあり、国の成長にすごく衝撃を受けました。
その様子を見て、さらなる発展に向け自分自身が何か貢献できるのではないかと思い、自分も頑張ろうと鼓舞されたのを覚えています。
3.IX入社の理由
転職活動を行う上で、自分の名刺に書けるプロダクトが欲しいという思いから、事業会社への就職を希望していました。
その中で、IXのResource Cloud(以下RC)のビジネスモデルに興味を持ち、コンサルと並行してサービスを育てていくという事業に魅力を感じました。
また面接を通じてIXメンバーの人の良さが最後の一押しになりました。
――入社して、どうですか?
前職では中堅クラスになっていたこともあり、社内では教える側のことが多かったですが、IXに入社して、教えてもらう立場になり、すごく新鮮です。また、IXは、様々な経験を積んだその道のプロフェッショナルが多く在籍しているので、日々学びがあり刺激をもらっています。
現在、入社し約半年になりますが、入社から現在まで大手不動産企業のプロジェクトに携わっています。
IXとしては様々なプロジェクトを横断して支援していますが、その中でも主に複数のプロジェクトをまたいでの情報連携や各プロジェクトの方針策定をメンバーと共に行っています。
プロジェクトに参画してまもなく、大手企業では当たり前だと思っていたデータ活用が想像以上に苦戦している現状を知りました。
また合併の背景や部署によって、デジタルへの理解の有無や、デジタル化や業務変革への抵抗感など、様々なことが定着化が障壁になることを肌で感じています。
前職の教育事業では、他部署との調整業務の経験がなかったため、今回のプロジェクトで、部署を横断する上での立ち回りや、お客様とのコミュニケーションを工夫することが業務を円滑に進める上で大切なことだと学んでいます。
学びの最中ではありますが、プロジェクトの進展がやりがいになっています。
プロジェクトの他には、IX主催のセミナーCollaboration X(コラボレーションエックス)などに登壇させてもらいました。データ分析の回では、モデレーターを務め、毎年弊社が発表しているDX調査では、深掘した分析のオプショナルレポートの発表やその解説を行いました。
「Collaboration X」の様子はこちら。
また、IXがOfficial ColumnistになっているForbes JAPANでは、AIをテーマにした記事を寄稿しました。
「Forbes寄稿記事」はこちら。
プロジェクト以外でも、今まで経験したことがないようなことに挑戦の機会をいただき、感謝しています。
――RCの理念への共感
事業を立ち上げ、推進しようと思った時に必要な要素として、①デザイン②エンジニアリング③インプリメンテーション(実行)の3つがあげられると思います。このうち、
①デザイン「クリエイティブの要素ではなく、マーケティングの要素を用いてBtoB(企業・法人)用のデザインなど、決められたものを決められた形でよりわかりやすく提供するためのもの」
②エンジニアリング「プロダクトをつくる事と業務の効率化の両軸の組み立て」
についての知見がある人を確保できれば事業の立ち上げが可能になると考えています。
そこでこの人材をRCの中で調達することができたら、コンサルやPMの力なくしても、事業が成立すると思い、自分の理想とする形に合致すると思い興味が湧きました。
4.IXでチャレンジしたいこと
RCの理念をしっかり浸透させることです。
事業推進に必要なデザイン・エンジニアリング・インプリメンテーションの3つを丸ごと請け負い、適正に実現させられるのがRCの本領だと思っています。
その実現のために、まずは3~4人の部隊をつくり、大元の提案の傍らで、その企業のベストプラクティスをつくる提案をしていきたいです。
例えば、SaaSプロダクトのAIのスイッチをオンにしてない企業も多くあります。こういうのをオンにして、現場で使いやすく、部署横断で使えるところまでを定額パッケージで提供できるようにしたい構想もあります。
短い期間の中で小さくプロダクトをつくり、それをDXコンサル案件に活かしたり、開発支援を行ったりしたいです。
その上で、チームとして行ってきたことを標準化してRCに載せ、サービス・RCの二軸ともに強くしていくことが目標です。
5. 趣味やマイブームはなんですか
最近ちょっといいカメラを買ったのでとにかくいろいろ撮ってます。
ベランダからスカイツリーが見えるのでそれを綺麗に撮れるようになることを目指してます。
6.今後の目標
とにかく健康に、専門性を高める5年にしたいと思っています。
顧客やデザイナー、ベンダー等、皆の話を理解できるような知識をつける事と、その知識をもって橋渡しできるような存在になれたらと思います。また22世紀まで生きる予定なので、そのための準備をしていきたいです。
――編集後記
大庭さんへの取材を通じ、自分という軸を持ちながらも、環境や変化に柔軟に対応し成長される強さを感じました。
常に冷静でありながら物腰柔らかく皆と関わり合う背景には、これまで積み上げてきた経験や、敬い敬われる関係を大切にしているからこそだと感じます。
海外ボランティアの活動の中で大きな問題だと衝撃を受けた「経済格差」は、今自身が目標とされている「DXの格差をなくすこと」が、ひいては未来に繋がっていくのではないかと思います。
テクノロジーに関する知識だけでなく、周りを巻き込む力、柔軟なコミュニケーション力、そんな大庭さんの魅力をたくさん知ることができた取材でした。
大庭さん、ありがとうございました。
WRITER:YUKO
EDITOR:@enoy8977
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