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いつかやりたい、鬱ゲー
こんにちは、定期的に鬱ゲー実況を見てストレス解消している、にわかゲーム好きのエイです。
今回は、鬱ゲー、すなわち、気分が鬱々とするような展開・内容のゲームを、紹介したいと思います。
鬱ゲーの面白さ……
一言で言うのなら、絶望感の重ね塗りとその色合い
……とでも申しましょうか(ナニイッテンダコイツ)。
どこまでも救われない物語、そこには一種の安らぎに似た静けさがあります。
悲しくて、どこか不気味で、やるせない、そして彼らは常に幸福や希望を信じ、戦い続けます。
勝てない不条理という存在は、生きていく中で感じる挫折や絶望感を不思議と癒してくれます(歪んでますかね……)。
今回は、そんな不思議な癒しに満ちた、人気・有名鬱ゲーを、ネタバレ満載で紹介していきます。
お時間よろしければ、見ていってください。
どうあがていも、どこみても、なにしても、絶望。
ドラッグ・オン・ドラグーン(DOD)
選択肢や条件によって展開が変化する、それがマルチエンドシステムです。
ギャルゲー(女の子を恋に落とす恋愛ゲーム)なんかだと、条件が足りなくて、相手の女の子が振り向いてくれなかったり。
ホラーゲームだと、選択肢を間違えて、キャラクターが死亡したり。
一筋縄ではハッピーエンドやトゥルーエンドにたどり着けない、それがマルチエンディングの面白さだと思っていました。
……このゲームを知るまでは。
舞台は剣と魔法とドラゴン飛び交う、ファンタジー世界。
主人公は国のために戦う、一国の王子です。
王子はドラゴンと契約を結び、連れ去られた妹を取り戻すべく、旅に出ます。
果たして、王子は妹を取り戻し、世界を救うことができるのか……!?
あらすじだけ聞けば、王道なストーリーです。
ところがこのゲーム、よくよく聞くと設定がおかしい。
主人公は剣士、と見せかけて、快楽殺人大好き男。
魔法攻撃最強の盲目の男は、幼い子供が大好きなペドフィリア。
美人のお姉さんは、子供をもぐもぐ食べちゃうカニバリスト。
みため年齢が永遠のショタ(子供)の、ラスボスのお兄ちゃん。
そして連れ去られた主人公の妹、その最愛の人は、なんと王子(=兄)!
……婚約者いるのにね(婚約者はヘタれ)。
マルチエンディングはA~Fまであって、ハッピーエンド皆無。
歪みに歪み切ったゲーム内容です……。
山寺宏一、唐沢寿明など、豪華声優の演技力が、鬱さをより根深いものにしあげます。
1、2、3、とシリーズがありますが、1が特に、鬱さ満載です。
有名な「赤さんエンド」「新宿エンド」「ギョロアエエンド」は、心が元気なときに見ることを勧めます。
「あんな美少女が、トラウマ劇的ビフォーアフター」
「東京タワーが赤い理由って、知ってる?」
「白目な上に、歯がそろった赤ちゃんって、めっちゃ怖いよね」
そんな感想を懐かせる、怖いほど鬱なゲームです。
体なんて必要ない、必要なのは、データだけ。
Serial experiments Lain
1996年に企画が開始されました。
しかし、2020年現在でも展示イベントが開かれるほど、人気の根強いゲームです。
主人公「岩倉玲音」は、妙に達観した、少し不思議な女の子です。
物語は、そんな岩倉玲音が、カウンセリングに通い始めることから始まります。
次第に玲音は、心理学やインターネット、プログラムに興味を持ち始めます。
やがて「体なんて必要ない。データさえあればいい」という結論を出した玲音は、自分の自我をデータにコピーし、自害してしまうのです。
この「Serial experiments Lain」は、そんな玲音とカウンセラー、二人が残した記録をみていく、というゲームです。
様々な映像記録、音声記録、日記などを読んでいく、ただそれだけのゲーム……と思うことなかれ。
鬱さに関しては、最強クラスのゲームと名高い、その理由をお教えしましょう。
実はこのデータ記録、記録同士にたくさんの矛盾点があるのです。
例えば、玲音の親友の女の子の話です。
玲音目線の日記には、この女の子との日常が、事細かに書かれています。
一方、カウンセラー目線の記録だと、この女の子は存在しない、イマジナリーフレンド(空想上の友達)という見解がなされているのです。
しかし、玲音目線でこの女の子がイマジナリーフレンドだとわかる場面は、一切ないのです。
これは、とあるユーチューバーの方の解説で知ったのですが、このゲームに登場する「記録」には、実は確実な真実が一つもないのです。
小説キャラの一人称や、回想シーンのように、セリフ=本心として、ものを語る場面が一切ないからです。
考察はいくらでもできるけれど、そこに終わりはありません。
気づけば、玲音の思考に乗っ取られ、延々と考え続けている自分に気がつくことでしょう。
もし、気づけなければ……。
妄想と現実、過去と現在が混ざり合う世界
『さよならを教えて』
教育実習をしている主人公の青年は、実習先で5人の女の子に出会います。
猫のように愛らしい少女。
人形のように大人っぽく、近寄りがたい少女。
いつも図書館にいる、儚くて物知りな少女。
屋上でひとりぼっちの、空を見上げている少女。
そして、天使のように美しい、主人公を悪夢で悩ませる少女。
主人公は五人と関わり合いながら、退屈な教育実習の日々を過ごしていくのでした。
……という妄想に取り憑かれた、青年のお話です。
物語の中盤から、次第に現実が歪みだし、真実が顔を見せ始めます。
青年は精神病に入院する、重度の精神病患者であること。
両親のプレッシャーや、不仲の姉、過去の失敗などが重なり、現実が認識できないほどに精神を病んでしまったこと。
青年の心のよりどころは、「自分は教育実習生だ」という妄想、そして、5人の少女たちだけということ。
そして、少女たちの正体が、
病院に住み着いている野良猫。
人形。
ガラスの中のホルマリン漬け標本。
屋上のカラス。
……であることがわかっていきます。
そう、彼女たちもまた、青年が作り出した妄想の中の少女たちなのです。
青年は現実と向き合うべく、苦悩し続けます。
しかし、結局狂気に飲み込まれてしまいます。
哲学的、心理学的な、深い闇の中に取り込まれてしまうのです……。
唯一の希望は、5人目の少女。
この少女だけは、本当に存在する、同じ病院に入院した精神病患者です。
青年が「天使さま」と仰ぐこの少女だけが、唯一の希望です。
しかし……。
あとはプレイしてみれば、わかることでしょう。
切なく悲しい後味が、静かに胸に染み渡ります。
まとめ:悲しいとき、辛いときの鬱ゲーは最高だぜ!
「いやいや、元気なときに見ろって言ったじゃん」
……という声が聞こえてきそうですが、これが本心です。
もう現実なんて嫌。
なにもうまくいかない。
さよなら、全部キライ。
そんな気持ちのときに見る鬱ゲーほど、最高なものはありません。
なぜなら、現実の鬱は、これらのゲームの鬱には勝ることは(ほとんど)ないからです。
現実の比じゃないくらい、鬱です。
あ……うん、まぁ、まだマシか……。
……と、とりあえず、お茶でも飲む?
おぉ、えっと、……なんか、すませんでした。
自分より鬱な人を見ると、逆に落ち着いてくる、謎の現象が起こります。
あるいは、ちょっとだけゲームの鬱に身を委ねていると、現実逃避の効果もあって、次第に頭が安らいできます。
もし同調してひどくなるようなら、おすすめできませんが、私のような鬱ゲーで安らぐ人間も存在するので、参考になればと思い、ちょっと書かせていただきました。
ただし、これらのゲームをプレイして起こったあらゆる被害・問題について、当方はなんら責任を持てないことを明記しておきます。
あなたにとっての、最高(?)の鬱作品は何ですか?
エイでした。