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愛をください

僕たちはこの街じゃ
夜更かしのフクロウ
本当の気持ち隠している
そうカメレオン

朝寝坊のニワトリ 徹夜明けの
赤目のウサギ 誰とでも
うまくやれる
コウモリばかりさ

見てごらん よく似ているだろう
誰かさんと ほらごらん
吠えてばかりいる
素直な君を

白鳥になりたいペンギン
なりたくはないナマケモノ
失恋しても
片足で踏ん張るフラミンゴ

遠慮しすぎのメガネザル
ヘビににらまれたアマガエル
ライオンやヒョウに
頭下げてばかりいるハイエナ

見てごらんよく似ているだろう
誰かさんと ほらごらん
吠えてばかりいる
素直な君を

ほらね そっくりなサルが
僕を指さしてる
きっと どこか隅のほうで
僕も生きているんだ

「ZOO~愛をください」より

両親やご先祖というモノに
向き合えば向き合うほど、
無償の愛に気づき、感謝の念が、
深まってきたのである。

自らに注がれた数多の愛に
気づく中で、自分という人間に
ついても、気づいてきたわけで
ある。

そうすると、この世の中の
どこにも自らの居場所が
ないように感じたのである。

本当の気持ちを隠して、
カメレオンのように生きねば
ならないと感じたのである。

両親の愛に気づき、感謝が深まった。であるのに、なぜこのような
気持ちを抱かねばならないのか。

これが不思議でたまらず、
自問自答してきたのである。

至った結論は、両親や家族への
感謝が深まったゆえに、
自らに染み付いていた、世間的な
価値観が、剥ぎ落ちていった
からということであった。

そして、本当に自分が
大事にしたい価値観だけが、
残ったということであった。

それゆえ、自分らしい純粋な
価値観を守るため、
世間と一線を引かねばならない。
そのような自己防衛本能が
働いてしまったということ
なのである。

だから、あえて無菌室のような
場所で、自分自身を熟成、
培養する。
そのような時間が必要となった
わけである。

「愛をください」
こう叫んでいた時は、この動物園から、いかに逃げ出すかばかりを
考えていたのである。

しかし、「愛は十分」
このことに気づいた時から
何かが変わったのである。

この世界の隅っこで、自分らしく、
しっかり根を張って生きよう。

こう決めたのである。

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