slip flap

いちばん解ってほしいとき　行き過ぎる気持ちや言葉　滑りゆく地盤の如く
何処かでまた　流れが合うときがあるだろうか　忙しさを脇に置き　ただ
時間を過ごせたら　月に振り回されているのでない　絶望するには早過ぎる

森のなかで SLOW DOWN の表示を見るたび　摩耗した心が繰り返す
今は速度を落とすとき　いきる速さ　くらしかた　自然のリズムに近く

ふとした再会　別れ際の自然な抱擁が　心の一隅を照らす　変わらぬ愛情
いつくしみ　誰もがすでに愛されていて　わすれないで　私がいる　

眼鏡を掛けた男のこは　最初から ”何を言っているのか判らない” と呟いて
次の場所へ移動する前に　ふっと目の前に現れたと思ったら
”言葉がわからないと思ったけど、結構わかったよ。抱きしめてもいい？”
小さなかたまりがぎゅうと　ここの子どもたちは　愛情や親しみを
こうして表現する　幼いうちは特に　すっとやって来て抱きしめる
言葉を交わそうと　そうでなかろうと　一瞬一瞬に浮かぶ愛
合間に教師に抱きつく姿も多々見かける　大人たちも自然な受け入れ
安心していられる環境が　家の外にもあって　そういう場がいくつか必要

久しぶりに訪れた学校　暫くじゃないか、元気だったのかと　素敵な笑顔を
向けてくれる受付のジェントルマン　顔をみると抱きしめに来てくれる生徒
片腕で　ちょっと待ってと荷物を置き両腕で　すきな人々との抱擁に和む

森で会ったこどもたち　通り過ぎる際　ぱっと横向きに出される手のひら
数歩行くと　また別の子が　手を合わせながら進む愉しさ　初めての学校
さっと手を挙げ挨拶してくれた子たち　ちいさなやり取りの温かみ
日常へすんなりと受け入れてくれる姿勢　鮮やかな驚きに魅せられている