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Fat Tuesday:米国に根づいたポーランドの習慣

アメリカの2月は行事が目白押し。Lunar New YearにSuper Bowl、Valentine's Day。Fat Tuesdayという響きにのけぞるが、宗教行事にまつわる習慣だった。旧暦も宗教も古くからのものはお月さま次第。自然の摂理に従う共通項。

・「四旬節」(Lent、受難節 2024年は2/14-3/28):「復活祭」までの40日間(日曜日は含まない)は、断食をしたり慎み深い生活を送る期間。
ポーランドの人々は四旬節前の火曜日に、食材を使い切るため卵やバター、砂糖や果物を使い、濃厚な丸いドーナツ’ポンチキ(pączki)’を作った。

揚げたあと果実のジャムやクリームを詰め、粉砂糖やアイシングで仕上げる(伝統的にはバラジャムが入るそう)。白く覆われて可愛らしく雪景色にぴったり。ひとくちかじるたびにぶわぁと砂糖粉が舞うので、ジャケット等々お気をつけて
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・Pączki Day(Fat Tuesday)は、このポーランドの伝統がアメリカの習慣になったもの。慎み期に入る前に、fatなものを食べようという前夜祭。スーパーやドーナツ店には箱入りのプンチキが並び、家庭でも作られる。ポーリッシュ系アメリカンの方は’プンチキ’と発音(アメリカの方でも、食べたことがない人は一定数いる)。最大のポーリッシュ・コミュニティはシカゴに。

Bavarian cream(プリンみたいな、カスタードのクリームよと)
Blueberry とろみソース
チョコクリーム 生地にジンジャーが薫ったような 他にアップルソースやアプリコット(味はまったく感じられないわと)も。蜂楽饅頭の白餡黒餡の見分けよりもはるかに難易度が高い
脂の火曜日にちなみ、ドーナツ屋以外の飲食店にも特別メニューが登場。
バーガーにアメリカの方が大好きなマッケンチーズ(mac n' cheese, macaroni and cheese)とオニオンリングが追加されている
Cherry よそのお店のチョコがけチョコクリームは、かなり重め(トップ写真・左)

・断食など節制の度合いは信者の真剣度による。周囲で聞かれるのは、
-金曜日には肉を避ける(魚は含まないので、金曜にレストランでサーモンを頼むのはOK。いつもは前日の残りものを翌日のランチにするけれど、木曜に作ったチキンスープの残りは金曜のランチにできない)
-ビールやワインなど嗜好品を断つ
-週に2度教会へ行く(水曜夜と日曜など。ビール時間が削られるので)
-嗜好品や娯楽を遠ざけるため、菓子類を寄付したり、TVを手放す人も。

・四旬節を前に行われるのが謝肉祭(carnival:謝肉祭最終日が「灰の水曜日」の前日、「Fat Tuesday」)。
 Mardi Gras(マルディグラ)は、元はローマの異教徒が春の訪れと豊穣を祝ったお祭り。南部Louisiana州New Orleansのカーニバルが有名。
文化的伝統と羽目を外すパーティーという二つの側面を持つ行事。Carnivalの期間は国ごとに異なる(ブラジル、Carnaval do Rio de Janeiro等)

参考:
https://www.gousa.jp/experience/history-mardi-gras-usa
https://www.canr.msu.edu/news/pczki_day_a_polish_tradition_becomes_an_american_tradition
https://www.michigan.org/article/trip-idea/celebrate-fat-tuesday-paczki-pure-michigan

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芹沢 沓胡
Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛