熱風に 光
空いろの 新しいバックパックを背負い直し
タラップに 一歩踏み出す
瞬時にからだを包む熱気
久しい気配に 頬がゆるむ
この空気が大好きで 気が付けば飛行機に飛び乗っている
透明なドアの向こう はにかむやう
小さく手を挙げる姿
旅は ひとりに限る と何時も思うけれど
時には二人も わるくない
碧空に とりどりの花が揺れる
身を横たえた水牛の角は 今日も優しい
つぶらな瞳に 往きし夏の面影が浮かび
水は快い音をたて 絶えることなく流れていく
色といういろが 各々の風を纏い
呼び掛ける ふわり ふうわり
多くの曲がり角を超えて 此処に
道はつづき 呼吸は寄り添う
共に歩く人を 振り返り見ては
ある種のおどろきと感慨が 身体をよぎってゆく
放たれし空気が眩くて 思わず目を細める
降り注ぐ幾つもの奇跡に 接吻を
世界の果てを 見たくはないか
山高帽は被った スキットルは内ポケット
翻るベルベットの外套の端っこを摑みに
さあ行かう
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Erat, est, fuit
あった、ある、あるであろう....🌛