社名でブランディング
起業するに当たって、ブランディングやマーケティングは常に頭に入れておいた方がいいポイントだと思います。特にクリエイティブ周りや広告会社から起業する場合、その意識があるのでとても大切なことになってくるように感じます。
そうでなかったとしても自分の名前を入れて「〇〇&パートナーズ」「〇〇&Co」などで自分の会社ということをアピールしていくのもいいでしょう。
さて、本来のステップとしては、定款の目的事項を作り終えてのタイミングになぜこの話に戻ったかというと、実は私が会社名に決めていた社名が商標を取られていることが判明したからです。もちろん事前に会社名の商標チェックは済ませていたものの、私の会社名は英語なのですが、別の会社がカタカナで同じ会社名だったため、場合によってはこのタイミングで社名を変更しなければならないという話が出てきたのです。そんなトラブルがあったので、実際社名を決めるときに取るべきステップをみなさまにも共有しておきたく記載させていただきました。
1.開業に当たってのステップ(参考)
1.登記場所を決める
→2.社名を決める
→3.登記場所に同じ社名がないかチェックする
→4.社名の決定:本来はここの話
→5.会社の印鑑(社判)を作る
→6.定款の目的事項を作る
→6-2.<追加>社名の最終決定
→7.公証役場で公証人と相談をし、開業を認めてもらう
→8.資本金の払込:ステップとしてはイマココの予定だったのに・・・
→9.登記申請書類の作成
→10. 法務局での登記申請
→11.登記事項証明書の取得
→12.税務書類申請
2.VISION & MISSION(ビジョンとミッション)
まず、会社を作るにあたって、その会社が何をする会社かは明確にするでしょう。合わせて、最近よく耳にする会社のビジョンやミッションも考えてみてはいかがでしょうか。これはピータードラッカーが明記した形に簡易的に落とすと、ビジョンは「自分たちが実現したい未来」、ミッションは「その未来を実現するための自分たち(=会社)の役割」のことをさします。つまりミッションが現在(=いま)実行することと思うと理解しやすかと思います。例えば自動車会社フォードの創業者ヘンリーフォードは「自動車を民主化する」、ブランドのシャネルの創始者ココ・シャネルは「女性の身体を自由にする」をミッションに掲げてました。
一人会社での経営でもここが必要なのか?と思われるかもしれませんが、個人的には会社化する時点で仕事が例えば大量に来た時に取捨選択する基準になるかと思います。「ミッションとビジョンにハマるから仕事を受ける。そこから外れるから受けない。」これは私が前職の時に来るもの拒まずパンクしそうになった経験から来ています。もし、それができない方は、このような本を読んでみるのも勉強になるかもしれません。
私自身は少し理解しづらいかもしれませんが、ロボットがいる未来を想定した時の人間らしさに注力し、下記を定めています。
例)
・個人の目標:(人が人であるための、人間としての幸せを模索するために)五感に通ずるコミュニケーションに寄与する
・ビジョン:人が「人間として」幸せに生活できる未来を
・ミッション:衣食住における不便さを解決する、その橋渡し役になる
少し話が難解な方にずれましたが、ステップとしては、ビジョンとミッションを定め、それを表す会社名を考えてみるをその後踏みました。
3.商標のチェック
会社名自体を探し決めた後、確認することがあるのは商標です。これは特許庁のホームページで確認することができます。
ここでビジュアルやロゴ、イメージの方の確認にいそしんだ挙句、ステップを間違ったので皆さんにもぜひ確認してもらいたいポイントです。
今回私がギリギリになって慌てた理由が商標をきちんと理解していなかったからです。商標侵害に当たるのは「外観・呼称・観念」の3つのポイントから、また同じ区分(類で表されます)に被っている時です。以下それぞれの内容の際に3つのポイントをチェックしましょう。
・外観:商標と類似する見た目ではないか:ロゴを作成する時にチェックしましょう
・呼称:商標の呼び方が似ていないか:会社名自体が引っかからないかチェックしましょう
・観念:商標を見聞きしたときに想起する意味合い・イメージが一緒か:同じ内容の意味合いをもつ会社じゃないかチェックしましょう
私が検索間違いをしていたのが「呼称」でした。私の社名は、英文字の後に株式会社をつけた社名にしたのですが、英字で検索した時に同様な商標が同じような業務の区分でなかったので安心して進めていました。ただここでの注意点ですが、呼称の場合は音で似ていてもダメなのでカタカナ・ひらがな・英字・漢字は全て同様なものとされてしまうのです。チェックの仕方を間違えてもよくないので、最初の段階で弁理士の方にチェックしてもらうことをおすすめします。
4.ドメインのチェック
社名を考える時にもう一つ大事なのがドメインです。こちらは法律の問題ではなく、ホームページやメールアドレスに関わってくるので事前にチェック&購入することがおすすめです。ドメイン検索&購入できるサイトはたくさんあるのですが、私は今回日本のサイトとグローバルなサイトの2箇所で検索しました。ドメインをチェックする理由は、自分の会社名を例えば「.com」や「.jp」などで覚えやすくしたい場合は既に取られていることが多くあります。それ以外でもいい場合「.io」「.business」「.tokyo」などもあるので、自分の会社名のドメインをそのようにすることも可能です。ただし、注意しなければならないのはメジャーなドメインでないと、送ったメールが相手先の迷惑メールに入ってしまう可能性もあります。それもあり、私は「.com」にすることを決め、実際の会社名に意味を追加したドメインを購入しました。自分が気に入ったドメインがあれば、すぐに売り切れてしまう可能性があるので、会社名を決めると並行して購入しておくことがおすすめです。また、日本語のドメイン検索サイトは以下で行いました。会社名をドメインの有無によって、決めてみるのも一つの手かも知れません。
<箸休め>メーラーの設定:outlook、Gsuite
ちょっとした箸休めとして・・・会社を起こすに当たって、ドメインをメーラーに設定することも必要になります。前職ではoutlookを使用していたのですが、今回は他のクラウド的な扱いやスケジュール連動で利用したかったのでGoogleのGsuiteを契約することに決めていたこともあり、ドメインもGoogle Domainsで購入しました。そのようにまとめて同じ場所で契約するのも良いかと思います。
5.商標チェックで引っかかった私の場合
今回はロゴがほぼ決まり、その表象の類似確認を弁理士さんにお願いした時に判明しました。呼称で引っかかるのではないかと。。。実際引っかかる会社は、事前にこの会社名に決めようとした時に、先方が嫌な気分になるとよくないと思い、創業者の方には友人通じて「こういう目的で会社を一人で設立する予定で、会社名が同じになってしまうのだけど業務としては違うこともあり、問題ないか」を確認しご了承いただいた所の会社でした。ただし、その方は退任されており、今は元の会社が商標を獲得されていると・・・悩んだ結果「友人→元共同創業者の方→商標権をお持ちの会社の方」と繋いでいただき、ご挨拶にお伺いすることにしました。先方としては急な来訪にご迷惑だったかと思うのですが、とても丁寧に対応していただき、お話をし、同意書を締結しようというお話になりました。
一人で起業する時、場合によってはそこまで会社名に思い入れがなければさらっと変えてしまった方が早いかと思います。ただし、個人的にはほぼ個人名とその繋がりで活動していく予定だったものの、商標権を無碍に邪魔したくはなかったので、きちんとお話しし、かつご理解いただくことができたのが本当に光栄でした。もちろん、全ての方がこのようにうまくいくかどうかはわかりません。そのため、ぜひ商標チェックは細かく行なった上で会社名を決め、そして会社の印鑑発注に進められてはいかがでしょうか。
*応援、コメント、歓迎です。どうぞよろしくお願いいたします。
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