
自分自身であることによって貢献できる学校ってどんな学校?
教育という言葉は英語のエヂュケーションの訳語です。この英語の語源はラテン語のエドゥカーレで、その元来の意味は「内側に秘められたものを引き出す」こと。その点、現代社会の教育はどうでしょう。それはまるで、空っぽの容器にどれだけたくさん詰め込めるかを競っているかのようだ。そう言うのはぼくの友人であり、師でもあるサティシュ・クマールです。彼は、子どもたちを空っぽの容器と見るかわりに、内に豊かな可能性を秘めた存在と見ます。例えば、吹けば飛ぶような一粒の種子の中に、巨大な樹木へと成長したり、何千という実をつけ、何万という種を生みだしたりする可能性が秘められている。とはいえ、ただその種がテーブルの上に置いてあるだけではダメ。大気、雨、土、そして様々な生きものとの関わりを通して、それは殻をやぶって、芽を出し、育っていく。つまり、可能性が引きだされていく。教育とはそのようなことだと、サティシュは考えます。文/辻信一
http://slowcinema.net/crowd/project/satish-dvd-crowd/
キーワードメモ
GAIA
生きている生命としての地球「GAIA」は自らを運営し、組織し、治療し、修正している。自然の中には神様が生きていて、あらゆる自然の中に私たちの神聖な聖堂がある。
3 things to learn in Schumacher college
ECOLOGY
HOLISTIC
SPIRITUAL
これらの探求をする場所としての学校。内面を見つめ、インスピレーションの泉であり、みんなの居場所である。
ART・IMAGE・HAND
そして私たちはHumandoingbeingであるということ。太陽が太陽であり、木が木で在るように、私たちは人間で在るということ。何かに追われる生活の中では芸術活動はできない。料理や芸術はまるで物事を変身させる魔法のよう。それらを時間をかけて行える学校。イメージすることから、そう在れるようになり、そう在ることから、そうなるのだということ。手は身体の象徴。手を通して変革することができる。
You're a CEO of your life 好きなことをする。好きな仕事をする。だから上達する。
そうやって自分らしくいることで、その木はそこにいることでしなやかになっていける。柿、バナナ、みかん、りんご、どの木もどれが優れているということはないように、それぞれに違う一本一本の木なのだから。EDGE&ALERT もっと安全で、もっと安心を求めすぎているから…尖ってて危なくても長い目で見た時に美しい経済である方がいい。それはゆっくりで、小さくて、シンプルなもの。(”Elegant simplicityーthe art of living well”Satish Kumarを読もう。日本語訳も出ています。)
WALK 自分で歩いて、自分で見つける、発見すること。自分の詩や、自分の哲学をね。
権力をもつ者は、わたしたちを単なる消費者と見なして、依存させようとします。権力に従属せず、わたしたち一人ひとりに生来備わっている、想像力、創造性を呼び起こし、素晴らしい社会を、未来をつくりだしましょう。
子どもたちにはぜひ、未来は明るいと言ってあげてください。その明るい未来をつくっていくのはあなたたち自身だと。暗闇を呪うだけでは何もならない。誰もがロウソクを灯すことができる。明るい未来をもたらす力になれるのです。一人ひとりの力を過小評価せず、みんながもっている、とてつもなく大きな可能性を信じましょう。この地球がもっている可能性はあまりにも巨大なもの。たまたまこの時代に権力をもった一部の支配的な人たちが描こうとしているような、そんなちっぽけな未来ではありません。そこには無限の可能性がある。希望を捨てないでください。悲観主義の罠にはまることなく、むしろ楽天的にいきましょう」
サティシュ・クマール
希望
ブラジルのモンチアズールコミュニティ協会の創始者ウテさんは"Transformation is possible"と言い、サティシュクマールは”Change for the better is possible”と言う。大地の再生の矢野智徳さんは「命ある限り可能性がある」と。楽健法の山内宥厳先生は「観自在。動自在」(立場に固執しないで色々な角度から物事を見ること。自由に自分の意志で動くこと)と言う。どの人たちも芸術をこよなく愛し、表情も生き生きとしていて、目には光があって、喜びと好奇心に溢れている。そんな人生の先輩たちに出会えて本当によかった。
自分自身であることによって貢献できる学校ってどんな学校?への自分の結論
きっと自分自身であることによって貢献する学校って
たった一つの答えを追い求めるのではなくて、
それぞれの真実を追求することなのかもしれない。
それぞれの美しさ、それぞれのトライアンドエラー。
そうやって自分でやりたいことをやって、作って
楽しんでいくうちに極めていって。それに付随する知識を身につけていけばいい。
自分という木の根っこを伸ばしていけばきっとたくましく、しなやかになるのだろう。オリジナルでいい。オリジナルの語源はオリジン(原点・起源・由来)つまりルーツ(根っこ)ということ。