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滝沢朋恵「AMBIGRAM」
2023年末発売。滝沢朋恵4枚目のアルバム。
AMBIGRAMというタイトルを見たときは、ambientとインスタとかのgramを合わせた造語なのかなと思ったが、調べたらデザイン系の用語のようだ。
1 春風
しんとした空気に叙情的なギターの旋律が響く。記憶の風景をじっと追って眺めているような視点の曲。これは滝沢朋恵の曲に共通したものだけれど。
サビのコーラスはメインの歌声に合わ
滝沢朋恵「amphora」
2018年HEADZから発売された3rdアルバム。
ゲストも数人参加しているけど、全体を通してガランとした部屋に残響が広がっているような空気感がとても美しい。背後のノイズ的なざわめきが曲の持つ静寂さを惹き立てているように感じる。無機質な音とクラシックギターの叙情性を両立させる音の細部までのこだわりは、録音・マスタリングを担当した君島結の力が大きいと思う。聴けば聴くほど惹かれる、現在までの最高傑作だ
tachyon「OIL」
2017年末か2018年初頭に出た滝沢朋恵の別名義でのCD-R。特にクレジットなしの5曲入り。滝沢朋恵の前衛サイドの作品。
1.
長尺の曲。Delayさせまくりな実験音楽という感じ。
2.
不穏で神経質なノイズの響きが印象的な曲。イレイザーヘッドや反撥を思わせる、昔の不気味な白黒映画に流れていそうな雰囲気。4:50位のずっとノイズで掻き消されてた裏で流れてるビートがフッと現れるところが心地よい
滝沢朋恵「岸に立つ」
2017年に出た手売りのCD-R。
クオリティの高い曲の揃った作品。曲だけでなく録音も良くて、宅録なのかスタジオで録ったのかわからないが、いずれにしてもアルバムなどとは違いレコーディング環境が劣るなかおそらく一人で作った作品なわけだけど、その粗さが滝沢朋恵の装飾されてない剝き出しの魅力を存分に引き出している。歌声などはアルバムよりむしろこの作品のほうが魅力が伝わるだろうし、個人的にはアルバム含めて
滝沢朋恵「HOUSEKI」
手売りのCD-R。出た時期不明。
印象的な表題曲をはじめ、それぞれ違ったタイプの曲が収録されたバラエティーに富んだ内容。
1. HOUSEKI
Le Mans辺りを想起する甘い旋律の曲。ゆったりとした曲調のなかサビの伸びやかな歌声が美しく響く。
2. アストロラーベ
アストロラーベというのは天体観測用の機器らしい。サウンドの方もキーボードの音色が星空を感じさせられて印象的。
3. あの子はき
滝沢朋恵「人間と魚が浜+α」
手売りのCD-R。出た時期不明。
こちらも同名の舞台用に作られたものだと思われる。
1. はじまり
水の流れる音を背景にギターが奏でられるインスト曲。
2. 複合ストラクチャー
悲哀を感じさせるギターの調べに聴き入ってしまうインスト曲。
3. むり
落胆した者の歌とでもいうような失意を感じる曲。
4. 人間と魚が浜
後に「人魚と王子」として収録される曲のショートバージョン。イントロからサビ
滝沢朋恵「SELF AND OTHERS」
手売りのCD-R。出た時期不明。
同名の舞台用に作られたものだと思われる。内容も劇伴のような作り。
1. opening
風のような化け物の呼吸のような音を背景に鼻歌が聴こえる。物語の始まりを感じさせる短い曲。
2. SELF AND OTHERS acoustic guitar ver
「abcb」収録曲の舞台アレンジっぽいバージョン。
3. tabi no end
オルゴールのような音色
滝沢朋恵「abcb」
2016年HEADZから出た2ndアルバム。
弾き語りメインだった前作と比べ、アレンジが多様で楽曲の幅が広くなっている印象。前作がモノクロームの世界だとしたら、カラフルとまではいかなくともだいぶ色彩豊かになっている。ポップス寄りのアレンジが多いので好みが分かれるところかもしれないが、曲自体のクオリティは確実に上がっている。
1. 星の砂
空に広がる星の世界と海の底に見た星の世界が共鳴する曲。サウ
滝沢朋恵「私、粉になって」
滝沢朋恵は北海道出身のシンガーソングライター。クラシックギターを奏でて演奏される曲は繊細な感覚世界を描き、風変わりでありつつ記憶を呼び覚まさせる不思議で心惹かれる物語のよう。またCDでは伝わりづらいが、彼女の歌声はまるで霧のようで、一聴してインパクトを与えるものではないが気付けば声の余韻に包まれ魅了されてしまう。おそらく多くの人に広く聴かれるのではなく、限られた人に深く突き刺さるタイプのアーティス
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