経済力による生活スタイルの違い
ナマステ!
インドでインターンをしている女子大生です👩
今回はインドの生活スタイルについて紹介していきます。インドは経済格差が大きいことが問題となっており、生活スタイルにも大きく影響しています。インドには大きく分けて三つの層があり、上流層(1-2%)、中流層(約30%)、貧困層(約70%)に分けられます。
そんなインドの経済力の違いによる生活スタイルの違いについて紹介していきます
インド上流層
インドの上流層、いわゆる富裕層は、非常に裕福な生活を送っており、ライフスタイルは多くの中間層や貧困層と大きく異なります。彼らの暮らしは、世界の他の富裕層と同様に、豪華で高級なものが中心ですが、インド特有の文化や背景に影響を受けています。
居住地と住宅
デリーの「Lutyens' Delhi」やムンバイの「Malabar Hill」、バンガロールの「Koramangala」など、インドの主要都市には上流層が住むエリート地区があり、これらの地域には広大な邸宅や高級マンションが立ち並んでいます。
上流層は、広大な敷地を持つ邸宅や、都市の中心部にある豪華なペントハウスに住むことが多く、庭園、プール、ホームシアター、ジム、複数のガレージなど、最新の設備が整っています。
交通手段
高級車を複数所有していることが一般的で、ドライバー付きの車を利用することも多く、公共交通機関はほとんど利用しません。
年に数回はヨーロッパ、アメリカ、ドバイなどの国際的なリゾート地に旅行することが一般的です。ファーストクラスやビジネスクラスを利用し、リゾートや高級ホテルに滞在します。
ファッションとショッピング
世界的なファッションブランドが愛用されることが多く、ムンバイやデリーには、こうしたブランドの店舗があります。また、ダイヤモンドやゴールドを使った豪華なジュエリーを身に着けることが一般的です。特に結婚式やパーティーなどのイベントで華やかなジュエリーを身に着けます。
教育
上流層の子供たちは、インド国内の有名な私立学校に通うことが多いです。インドではインターナショナルスクールも多く、世界的な基準に基づいた教育を受けられます。さらに、多くの富裕層の子供たちは、イギリスやアメリカの一流大学(オックスフォード、ケンブリッジ、ハーバード、スタンフォードなど)へ留学することも一般的です。
高額な家庭教師や専門塾を利用して、競争の激しいインドの教育システムにおいて優位に立つようサポートを受けています。
食事とエンターテインメント
上流層は、インド国内外の高級レストランやミシュランスターのシェフがいるレストランで食事を楽しむことが一般的です。特にムンバイやデリーには、洗練された国際料理やフュージョン料理を提供するレストランが多数あります。
上流層の間では、豪華なパーティーやイベントを開催するのが一般的です。結婚式や誕生日パーティーは何百人ものゲストを招待し、華やかな装飾やエンターテイメントを楽しみます。
ヘルスケアとフィットネス
高額な医療保険に加入し、国内外の最高級医療機関で治療を受けています。緊急時には、外国の医療施設での治療も選択肢に入れています。
自宅にジムを備え、パーソナルトレーナーと共にフィットネスやヨガ、ピラティスなどを行うことが多いです。ウェルネスに対する意識も高く、健康的なライフスタイルを維持しています。
慈善活動と社会的ステータス
多くの富裕層は、慈善事業に積極的に参加しています。教育、医療、環境保護など様々な分野で大規模な寄付を行い、社会的な影響力を持つことがステータスの一部となっています。
富裕層同士のネットワーキングは重要です。インド国内外の著名人、政治家、ビジネスリーダーとの関係を築き、ビジネスや社会的な影響力を拡大させています。
インド中流層
インドの中流層の生活は、経済的に安定しており、一定の快適さを享受していますが、上流層ほどの贅沢さはありません。中流層はインドの経済成長を支える重要な層であり、都市部や地方の中規模都市で見られます。
住居
都市部では、2〜3ベッドルームのアパートや小さな一軒家に住むのが一般的です。住宅はマンションや住宅団地にあることが多く、セキュリティや共用設備(ジム、プール、庭園など)が整っている場所もあります。
都市部の中流層は月額15,000〜40,000インドルピー(約27,000〜72,000円)程度の家賃を支払っています。
地方都市では、家賃は10,000〜25,000インドルピー(約18,000〜45,000円)程度で、より広い家に住むことができます。
教育
多くの中流層の家庭は、子供を私立学校に通わせることを重要視しています。公立学校よりも教育の質が高いと考えられ、英語での教育が提供されるため、将来のキャリアに有利です。インターナショナルスクールは一般に高価ですが、一部の中流層の家庭は支払うことができる場合もあります。
学校外での学習も重視され、特に試験前には塾や家庭教師に投資することが一般的です。
職業と収入
中流層の多くはIT、金融、教育、医療、行政などのホワイトカラー職に就いています。都市部ではソフトウェアエンジニア、銀行員、大学教授、医師などが多く、年収は50万〜100万インドルピー(約90万〜180万円)程度です。
地方では地元の中小企業や政府機関で働く人が多く、年収は30万〜70万インドルピー(約54万〜126万円)程度です。
交通手段
中流層は自家用車やバイクを所有していることが一般的です。マルチ・スズキ、ヒュンダイ、タタなどの中価格帯の自動車が人気です。二輪車は通勤や買い物に便利で、特に若い世代に広く利用されています。
都市部ではメトロやバスも利用されますが、都市によっては通勤ラッシュの際に非常に混雑するため、可能であれば自家用車を使用することが好まれます。
食事
中流層の家庭では、普段は自宅で食事を作ることが多いですが、週末や特別な日には家族でレストランに出かけることも一般的です。自炊では、野菜、米、豆類をベースにしたシンプルな料理が主流ですが、ピザやハンバーガーなどの西洋料理も楽しむことがあります。
都市部のカジュアルなレストランやファストフード店は手ごろな価格で利用されており、1食あたり300〜800インドルピー(約540〜1,400円)程度です。
エンターテインメントと余暇
映画はインド中流層にとって主要な娯楽のひとつであり、週末には家族や友人と映画館に行くことが一般的です。映画のチケットは100〜400インドルピー(約180〜720円)です。
中流層は近代的なショッピングモールで買い物を楽しむことが増えています。特に、ファッションや家電、携帯電話の最新モデルが購入されることが多いです。
家族とコミュニティ
インドの中流層は伝統的に家族中心の生活を送ります。多世代同居が一般的で、両親や祖父母と一緒に暮らすことも多いです。家族の絆が強く、重要な意思決定も家族全体で行われることが多いです。
中流層でも結婚式や祭りは非常に重要で、家族全員が参加する盛大なイベントとなります。結婚式には数十万インドルピーをかけることもあり、衣装や装飾、料理に多くの費用が費やされます。
医療とヘルスケア
中流層の家庭は、私立病院での治療を好むことが多いです。公立病院も利用されますが、混雑や待ち時間が長いため、より迅速なサービスが受けられる私立病院に通うことが一般的です。
貯蓄と投資
中流層は将来に備えて貯蓄を行うことが一般的です。銀行の定期預金や政府の貯蓄計画、不動産投資が人気です。また、株式やミューチュアルファンドに投資する人も増えています。
また、子供の教育や結婚費用、老後の生活を支えるために、計画的な貯蓄を行っています。
インド貧困層
インドの貧困層の生活は、厳しい経済状況や生活条件に直面しており、基本的な生活必需品に対するアクセスが限られていることが特徴です。都市部のスラムや農村地域に多く見られ、貧困層は多くの場合、非正規雇用や農業、日雇い労働に依存しており、経済的な不安定さが生活の大きな課題となっています。
住居
都市部では、多くの貧困層がスラムに住んでおり、簡易な素材で作られた家に住んでいることが多いです。スラムには基本的なインフラ(清潔な水、トイレ、電気など)が整っていないことが多く、生活環境は非常に劣悪です。
家屋はしばしば一部屋しかなく、家族全員が狭い空間で生活しています。家賃が発生する場合もありますが、それでも月に1,000〜3,000インドルピー(約1,800〜5,400円)程度と非常に安価です。
農村部では、自宅を所有していることが多いものの、住居は質素で基本的な設備が整っていないことが一般的です。土や藁で作られた家も多く、衛生環境が不十分なことが多いです。
職業と収入
多くの貧困層は、建設現場や農業、工場での非正規雇用に依存しています。日給制の仕事が多く、仕事が見つからない日もあり、安定した収入を得ることが難しいです。日給は約100〜500インドルピー(約180〜900円)程度です。
路上での商売(屋台、露天商)やリサイクル業など、公式な雇用契約がない非公式セクターで働くことが多いです。これらの仕事は法的保護や社会保障がほとんどなく、労働条件も悪いです。
女性や子供も家計を支えるために労働に従事することが多く、特に農村部や都市部の貧困地域では、児童労働が問題となっています。
教育
貧困層の子供たちは公立学校に通うことが多いですが、教育の質は低く、教師不足や施設の不備が深刻です。多くの子供たちは、家計を助けるために早くから働きに出るため、学校に通い続けることが難しく、特に女子の教育は制約を受けることが多いです。
貧困層の識字率は都市部と農村部で大きく異なりますが、いずれも全国平均を下回る傾向があります。特に農村部では、教育の機会が限られているため、多くの人々が基本的な読み書きができない場合もあります。
食事と栄養
貧困層では、バランスの取れた栄養を摂取することが難しく、主に安価な炭水化物(米、パン、じゃがいも)を中心とした食事が多いです。タンパク質やビタミンが不足しているため、栄養失調や健康問題が深刻です。
家庭の収入が不安定なため、毎日十分な食事を摂れないことも多く、特に子供たちが十分な栄養を得られないことが問題となっています。食事は1日に2回、もしくはそれ以下のこともあります。
衛生と健康
特にスラムや農村部では、清潔な飲み水やトイレの不足が深刻です。水道の設備がない地域では、井戸や河川から水を汲むことが一般的で、その水はしばしば汚染されています。トイレの設置率も低く、屋外で排泄することが一般的です。
医療へのアクセスが非常に限られており、公立病院は混雑しているため、適切な治療を受けることが難しいです。貧困層は高額な医療費を払えないため、病気になっても治療を受けられず、死亡率が高くなることが多いです。
衛生環境が悪いため、コレラやマラリア、結核、下痢などの感染症が広がりやすいです。特に乳幼児の死亡率が高く、貧困層にとって大きな課題です。
生活費の優先順位
収入のほとんどは、食料、住居、衣類などの基本的な生活必需品に費やされます。貧困層では余裕のある支出ができないため、急な医療費や教育費、結婚などの出費があると大きな経済的打撃を受けます。
収入が不安定なため、急な出費があると親戚や地元の貸し手から高利の借金をすることが多く、その返済がさらに家計を圧迫します。
社会的支援
インド政府は、貧困層を支援するためにプログラムを実施しています。たとえば、「Public Distribution System (PDS)」は低所得者に対して米や小麦、砂糖などを補助価格で提供しています。また、「National Rural Employment Guarantee Act (NREGA)」では、農村部の貧困層に対して100日間の雇用を保証しています。
多くのNGOが、教育、医療、衛生改善などの分野で貧困層を支援しています。特にスラム地区では、NGOが食事の提供や学校教育をサポートしているケースもあります。
ジェンダーと貧困
貧困層の女性は、家事や子育てに加えて、外での労働もこなすことが多く、負担が非常に重いです。また、ジェンダー不平等が根強く残る地域では、女性や女児の教育や医療へのアクセスが制限されることが多く、特に農村部では結婚や出産が若年で行われることが一般的です。
生活の課題と展望
貧困層にとって、毎日の生活が不安定であり、わずかな収入の変動や災害が家計に大きな打撃を与えることがあります。
貧困層の子供たちは十分な教育を受けられないため、成長しても高収入の仕事に就くことが難しく、貧困が次世代に引き継がれることが多いです。
まとめ
同じ国でも経済力によって全く違う生活を送っているということがよくわかりますね。日本も近年経済格差がさらに広がっているという問題もありますが、インドはまるで違う国のような経済格差があります。
インドは発展している面がある一方、まだまだ多くの課題が残っているのも現実です。