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2つの誤解を解く!固定 vs 変動のリアルな考え方《独自分析あり》

皆さん、こんばんは!これまで、マイナス金利解除と変動型ローンの負担が上がる可能性について、書いてきました。

でも、ここ、気になりませんか?
何%までなら変動金利の方が有利か?どの瞬間から固定の方が有利になるか?
今日はそこを、私たちの独自分析をもとに解説していきます!




+1%でもインパクト大きい

さて、皆さんに質問です!

変動金利が1%あがると、どれくらい毎月の返済額が変わるでしょうか?「たかが1%でしょ」と、直観的に少なく感じる方もいるかもしれませんが、侮れません。実はかなりインパクト大きいのです。

いくつかシナリオを見てきます。

・前提:5000万のローン、35年間返済

・変更前(0.4%):月12.8万
・変更後(1.0%):月14.1万(差額+1.3万円

・前提:1億のローン、35年間返済

・変更前(0.4%):月25.5万
・変更後(2.0%):月33.1万(差額+7.6万円

無視できない金額ですよね。ここでは、単純計算をしていますが、実際の金額は期間内の平均金利と残債額によって変わるので、もう少し優しい数字になるでしょう。

でも家庭を管理する中で、毎月数万円以上の負担増は、インパクトのある金額であることに違いありません。



変動が動いてからじゃ遅い

「でも+1%なんてもっと先の話でしょ」
「変動金利が上がれば、固定に切り替えれば良いでしょ」


という声が聞こえてきそうです。不動産屋さんに言われたことがある方も実際いるかと思います。この記事で紐解きたい、誤解1つ目です。

実は、金利上昇には順序があります。変動金利が上昇するタイミングでは固定金利も上がってしまっているため、金利が上がってから変更を考えていたのでは遅すぎるのです。なのでこの方法は現実的とは言えません。

(✳︎実は2日前のニュースでメガバン、ネット銀行含めて、固定金利を一斉に上げましたね。ここについては、また別記事で書こうと思います)

このように固定は毎月変わる可能性があり、敏感に市場に反応して動くのです。一方で、変動の場合は年に2回変わるタイミングが決まっています。多くの銀行さんの金利変更スケジュールは4月10月ですが、各行で若干違いがあり、詳細はこちらで解説しています。

なので、状況が変わったらその時に考えればいいや!では間に合いません。”今”いろいろとシミュレーションをして、考えるべきなのです。放っておけば、手遅れになる可能性もあるので、その意味も含めて、この記事を書いています!



金利のシミュレーションと結果

では早速、中身に入っていきましょう。

「金利が○○%以内におさまれば、変動の方がお得」とよく耳にしませんか?不動産屋さんもよく使うセールストークだったりします。これが、今日紐解きたかった、誤解2つ目です。

私たちはこの”問い自体”が間違っていると思うのです。この枠で考えてしまうと、計算上の数字マジックが働き、ほぼほぼ変動型が有利という結論になってしまう、恣意性すら感じます。経済の動きをしっかり反映した、現実的な金利シナリオを考えないといけません。私たちが自分で分析をしたので、この記事ではその結果を基にお話します。

どの金利シナリオなら、変動の方が有利か?
どこから固定の方がよくなるか?
ズバリ、具体的な数字で知りたい!


それを、4つのステップで解説していきます。「現実的な金利の動き方」と「フラット35」、「わかりやすい金利シナリオ」「固定>変動になる瞬間」です。


結局、固定と変動、あなたならどっちがいいのか?
皆さんが考えるヒントになればと思います。


1️⃣ 前提として、金利は上がり続けない

皆さんは金利の推移をどのように予測してますか?

「今が低金利なので、右肩上がりにあがる」という考え方していませんか?もしかしたら、各所ニュースで金利”上昇”する可能性について言及されていて、”上がるもの”と印象付けられているのかもしれません。

確かに短期的にみると、これから上がるものですが、35年という長い期間でみると、経済の景気サイクルに応じて、金利もサイクル(「利上げサイクル」なんて言ったりします)を描いて、実は上下するのです。

経済がいい時は高金利、悪い時は低金利。経済も5-10年サイクルで波を打ちますよね。なのでここでは、まずは金利も上がったり下がったりを繰り返す、右の図のようなシナリオで分析を進めますね。
(余談ですが… 実際に私たちは不動屋さんと話していたときに、左の図を出されて、変動がいいよーと言われたことがあります)


2️⃣ 現時点の固定金利

「変動 vs 固定」を語る前に、まずは固定金利を見ていきましょう。

現在の固定金利(フラット35)は1.8%ぐらいです。これはこの「固定 vs 変動」を議論する上での、ベースラインとなるので大事です。どのような金利シナリオだったら固定の方が、ローン返済総額が少なくって、どこから変動のほうがローン返済総額が高くなってしまうのか?を見ていきたいです。


3️⃣ わかりやすいシナリオ

まずは、わかりやすいシナリオから見ていきましょう。

青い線が固定の1.8%とします。皆さんは、今後の変動金利をどう読んでいますか?(≠政策金利のことを言っているのでないので注意!)

左の図のように、一気に固定を通り越して、2~3%の高い金利で推移する場合は、固定の方が安いので、有利ですよね。さらに言うと、名前の通り固定なので「ブレるリスクがなく」、ずっと家計の計画が立てやすくなります。固定圧勝シナリオです。

一方で、もし住宅ローンの変動金利が、今後35年間の間で、1.8%までいかない。MAXもそこまでいかず、低空飛行を続けるのであれば、もちろん変動が有利です。変動が圧勝、図の右がそれにあたります。

多くの読者の皆さんにも、これを想定してローン組んだ方が多いはずです。今年に入ってマイナス金利解除とニュースになりましたが、私たちももう少し長く低金利が続くと思っていました。


でも、今は「金利のある世界」。
実際どうなるかわかりませんよね。


4️⃣ 固定>変動になる瞬間

ということで、もう少し踏み込んだ話をしましょう。どの金利シナリオで、固定と変動の返済総額が同じになるか?固定の方が有利になる瞬間はどこか?

私たちの方でそれをシミュレーションしてみました。色んな利上げ幅や利上げ期間をシミュレーションして、分析したところ、固定が変動より有利になる瞬間は、ズバリ、以下のシナリオです。

前提として、日本は7年の利上げサイクルとし、そのうち0.5%から3%をそれぞれ3年4年で行き来するとします。この金利シナリオだと、ちょうど固定ローンの返済総額=変動の返済総額となります。これはローン額が、3000万だろうが1億だろうが、同じです。


でも、これは少々コンサバなシミュレーションです。
なぜかと言うと、日本の過去の利上げを見ると、3年間も上がっていたことがないからです。その利上げ期間を短くとってみると、どうでしょうか?

この場合、固定=変動となるのは、このシナリオ。2年間と利上げ期間を短くし、4%まで上がると、変動と固定がトントンという計算に。ちなみに、これは過熱している今のアメリカと同じ水準となります。


皆さん、どう思いますか?

これが起きると読むか?読まないか?

🔍「こんなには上がらないでしょ!」と思う方は、変動の方がお得

🔍「いやいや、これ以上もっと上がるでしょ!」と思う方は固定の方がお得

後者の場合で、もし今変動型で組んでるならば、固定への乗り換えのタイミングが重要となってきます。冒頭に合った通り、変動金利が動いてからじゃ、もう時遅しの可能性があるからです。



🏃‍♂️ 行動に移そう

皆さん、いかがだったでしょうか?住宅ローンを考える上で、金利の”見極め”が大事な局面ですよね。

それは今後、金利が○○%まで上がるのか?ではなく、どの金利サイクルで動いていくか?という、上下するシナリオで予測することが現実的。その中で3%や4%まで上がって行くか?がわかれ道ということです。

これを機に、ご自身の中で、ご家庭と一緒に、金利シナリオを描いてみませんか?



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